今こそ行きたい! “北海道で唯一”冬でも楽しめる競馬「ばんえい競馬」とは

2024.11.29

国内外問わずたくさんの観光客が訪れる北海道。リピーターの中には、「冬こそ感動体験が一番得られる!」という声も。

筆者のおすすめは何と言っても十勝地方の観光スポットとして有名な帯広市の『ばんえい競馬』。体重が1トンあまりある巨大な“ばん馬”たちが、騎手をのせた重い鉄のソリを曳き進み、パワーと速さ、持久力を競う迫力満点なレースが間近で楽しめると人気です。

レースで活躍するばん馬たちの祖先の多くは、明治初期からはじまる北海道開拓時代に馬車馬や農耕馬として活躍した馬たち。ばん馬は開拓の歴史を今に伝える貴重な文化遺産として『北海道遺産』に選定されています。

今回は、そんな『ばんえい競馬』の“冬の楽しみ方”をご紹介。寒さ厳しい季節だからこその体験を楽しんでみてはいかがでしょうか?

冬の北海道で唯一! 「ばんえい競馬」が冬でも楽しめる理由

北海道で開催される競馬は、サラブレッドのJRA札幌・函館競馬場の夏開催、そして地方競馬の門別競馬場は11月上旬で終わり冬期は休止となるため、冬も現地での観戦が楽しめるのは帯広市のばんえい競馬だけ。(3月下旬からの約1か月のみ休催期間)

冬の北海道でも競馬開催が実現可能なのは、ばん馬たちが競う走路の凍結を防ぐためヒーティングが稼働しているからで走路整備委員の皆さんがレースごとに整地しなおし、降雪があっても可能な限りレースを開催しています。

まるで“蒸気機関車”のようにばん馬たちが威勢の良い白い大きな鼻息をたてながらソリら立ち上る湯気が見られるのも冬ならではの絶景です!

100円から買える!初心者でも安心、スタッフに教わる「ばんえい競馬」の楽しみ方

馬券(勝馬投票券)は20歳から購入することができます。金額は100円から、買い方には8つの種類がありますが、初めて馬券を買う方に筆者がおすすめするのは『複勝(ふくしょう)』です。複勝は選んだ馬が3着までに入ると的中です。(レースに出走する馬が7頭以下だと2着以内に入る馬を当てれば的中)1着を当てる『単勝』よりも的中確率が高くなるので、楽しみが増えますよ。

「競馬のことはよくわからないから競馬場に入りづらいな」という人も大丈夫! ばんえい競馬では、はじめて帯広競馬場を訪れる人に向けて『ビギナーコーナー』があります。

ビギナーコーナーでは、馬券の買い方をスタッフさんが丁寧に説明をしてくれるとともに、質問をすることもできます。レースを観戦するスタンドの屋内1階の中央付近、初心者マークが目印です。ぜひ立ち寄ってスタッフの方とお話してみてくださいね。

またビギナーコーナーの近くの南側通路には壁面でも分かりやすく馬券の買い方が案内されているので、何度でも確認することが出来ます!

暖かい屋内観戦エリアと合わせて「寒さ対策バッチリ」で楽しもう! ばんえい競馬の見どころ

ばんえい競馬にあって他の競馬にはない魅力、それは馬との距離が近いこと!

サラブレッドの競馬は“スピードを競う”のに対し、ばんえい競馬は“力強さを競う”レースです。体重がサラブレッドの約2倍もあるとても大きな馬たちが、最大1トンにもなる騎手を乗せた重いソリを馬体全体をうならせるように曳き進み、 “障害”と呼ばれる大小2つの山を乗り越えてその馬力を競います。

ばんえい競馬では、ばん馬たちが200m先のゴールまで持久力を保つために、2つ目の第二障害の手前までは、騎手が戦略としてばん馬を止め、呼吸を整え直すことが許可されています。

スタートしてからゴールまでのこの流れを一緒に横から歩きながら観戦できるのが、ばんえい競馬ならではの醍醐味です!

実際に帯広競馬場に行くと聞こえてくる、馬たちが懸命にソリを曳く音や、騎手からばん馬への声かけ、そして観客のばん馬にかける熱い声援に圧倒され感動すること間違いなしです。

「そうは言っても冬の北海道の寒さの中、楽しめるのか不安」という道外の皆さん、安心してください。北海道の建物は本州に比べて暖房設備が充実しています。とはいえ、一歩外に出ればもちろん冬本番! 厚手のダウンコートに帽子や手袋など、しっかりと防寒対策をして楽しみましょう。

画像:Serhii VM/Shutterstock

見落としがちなのは、“足元の対策”。路面凍結や水たまりがあるので、スノーブーツや靴用滑り止めの用意をお忘れなく!

車がなくても楽しめるスポットで帯広を満喫!

帯広競馬場に隣接する『とかちむら』では、帯広・十勝のグルメやおみやげ、産直の野菜などを買うことができ、ばんえい競馬と合わせて楽しめるスポットです。

また、北海道の中でもとりわけスケールの大きい十勝エリアですが、実は公共交通機関が充実し、帯広空港や帯広駅を起点に、それぞれの観光スポットの距離が比較的近いのも十勝ならではの魅力です。

十勝バスでは、帯広駅からさまざまな観光スポットへ行けるバスを運行しています。十勝バスの日帰り路線バスパックでは『ばんえい十勝パック』も発売されています。帯広駅と帯広競馬場の往復代にとかちむら利用券200円、ばんえいオリジナルグッズ(レース開催日のみ)がついたお得なチケットです。

そして、十勝と言えば『モール温泉』。希少な泉質から北海道遺産に選定され、美人の湯として知られており、植物成分が多いのが特徴です。茶褐色でとろみのある湯は入るとなめらかな感触があり、体がぽかぽかに。温泉は十勝地方の広範囲にあり、十勝川温泉の他、帯広駅近くのビジネスホテルでも楽しむことができます。

また、帯広駅から歩いて5分ほどの場所にある、スイーツで有名な『六花亭本店』もおすすめです。

「帯広競馬場」詳細情報

住所:北海道帯広市西13条南9丁目
電話番号:0155-34-0825
駐車場:有(400台)
入場料:無料

北海道Likersライターのひとこと
年末年始は2024年12月30日(月)の『第53回ばんえいダービー(BG1)』や2025年1月2日(木)の『第47回 帯広記念(BG1)』を開催予定。このレースに出走するばん馬たちの前哨戦なども含めて、冬のばんえい競馬はクライマックスに向けてグレードの高い見ごたえのあるレースが目白押しで一層の盛り上がりを見せていきます!
とかち帯広空港から帯広駅までは連絡バスを使い約40分、札幌からも直通でJRの特急や高速バスが出ています。みなさんもぜひ冬の“十勝晴れ”の帯広で、ばんえい競馬を楽しんでみてくださいね!

文/川原恵子

【画像】ばんえい十勝/北海道Likers/Serhii VM(Shutterstock)

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