宇宙牛

「手頃でおいしい」新種の国産牛でバーベキュー!? 北海道だからこそ広がる夢

『北海道Likers』がお届けする新ラジオ番組『北海道Likers Voice〜北海道をもっと好きになるラジオ〜』。

「北海道でいちばん聴かれているラジオ局」として支持される『株式会社STVラジオ』と連携し、毎週土曜22:15〜22:30に放送。北海道を盛り上げている人や次のトレンドを創る人(=ライカーズ)をゲストに迎え、あふれる北海道愛を声(=Voice)で伝えます。

今回は2023年10月14日の放送回をご紹介します!

メインパーソナリティー

田村みなみさん(以下、田村さん):『株式会社STVラジオ』
柳澤美空(以下、柳澤):『北海道Likers』プロデューサー

今回のゲスト

後藤貴文教授(以下、後藤教授):2022年12月より、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター教授。 代謝プログラミングにより前処理した牛を、衛星データを活用して緻密に管理しながら放牧し、草によって大きく育てることを目指している。

北海道だったからこそできた「宇宙牛」

“ライカーズキーワード”は『宇宙牛』。前回に引き続き、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター教授の後藤貴文教授をゲストに迎え『宇宙牛』について語っていただきました。

柳澤:『宇宙牛』は、GPSや衛星の観測機能を使って広大な牧場にいる牛を宇宙から管理することで、健康な牛を育てる技術だというお話を前回伺いました。実際に北海道の大樹町で実践しようとされているということですが、『宇宙牛』のプロジェクトを北海道で始めようとしているのはなぜなのでしょうか?

後藤教授:1つは、『宇宙牛』のニーズがあるということです。日本の畑は一つひとつが小さく、その小さい土地を使っていくとなるとなかなか大変なんですよね。

しかし北海道には、広大な土地とそこで牧場を営んでいる方がいて……非常に放牧に向いている土地がたくさんあります。『宇宙牛』という、衛星を使って広大な土地に放す牛を管理する技術に非常に適したところというわけです。北海道からこの技術を発信していき、宇宙というシステムをいろいろな問題を解決するための1つの“技”にしたいですね。

柳澤:北海道の農業・畜産業にとって、救世主のようなシステムだと思います。後藤先生は栄養学から研究をスタートされているのですか?

後藤教授:そうです。もともと霜降肉を牛舎の中で作るという研究に20代のころは命をかけていました。

ところが30代になって大学の牧場で教育研究をすることになって、実際に自分で育てられるようになりました。そこで、1頭あたりの5トンくらいの穀物が必要なのですが、値段が高騰している穀物をほぼ輸入で調達していて……。「ちょっとおかしいな。牛は本来草で飼うべきじゃないか」と考え直しました。

原点に帰って放牧をやり、最初のころは貴重な和牛を山の中に放り込んで飼ったりしました。そうすると、牛が小さいんですよね。どうやって山の中あるいは広大な土地で、牛を放して管理するのかという壁にぶち当たりました。

田村さん:なるほど。

後藤教授:そこで宇宙という技術に出会って、衛星のデータを使えば広大なところに放している牛を管理できるのではないかというところに至りました。放牧でも霜降肉や赤身肉、いろんなお肉ができるのではないかと思っています。

柳澤:肉質もいろいろ! すごいですね。

後藤先生

後藤教授と宇宙牛 出典: 後藤貴文教授ご提供

田村さん:北海道だったからこそ、『宇宙牛』に結びついたということですか?

後藤さん:そうですね。広大な土地や、ロケット開発に力を入れている大樹町もありますので。こういうところでこそ、私の思っていることが実現できるのかなと思います。

田村さん:北海道から衛星を打ち上げるということですか?

後藤教授:そうですね。これを実現しようとしているのが大樹町の「インターステラテクノロジズ株式会社」ですよね。低コストで実現しようとしていますので、これを使ってぜひ“日本あるいは北海道の土地で安定的に牛肉を生産する”ということを実現したいです。これは、食糧安全保障にも繋がる非常に重要なことです。

ちなみに、現在の牛肉自給率が何%かご存知ですか?

田村さん:う~ん、どれぐらいでしょう。

後藤教授:4割くらいなんですよ。残りの6割は輸入。つまり4,000億円くらいは、海外の農家さんに払っています。そのお金を『宇宙牛』をはじめとする国産牛に払ってもらえたら……と考えています。

田村さん:『宇宙牛』の国産肉ということですよね。『宇宙牛』のステーキっていうのがお店に並んでいたら気になりますよね。

柳澤:思わず手にとっちゃいますよね。

田村さん:宇宙レベルなのに低コストで手に取りやすいお肉が、これからの未来で並ぶかもしれないと思うと嬉しいですね。

後藤教授:みなさんが大樹町に行くと、ロケットの打ち上げなどいろいろなものを見ることができます。

例えば、コントロール室に行くとモニターにロケットの情報だけではなくて、牛のモニターがあって、牛のデータがわーっと見えて……。「この牛はもうそろそろ仕上がるんですよ」など、牛についてみなさんに説明したり、夜には大樹町で『宇宙牛』を食べて乾杯したりする……という夢を抱いています!

柳澤さん:本当にすごく近い未来で実現していくのではないかなと思っていますので、『北海道Likers』としても『宇宙牛』のプロジェクトや大樹町の取り組み、「インターステラテクノロジズ株式会社」さんの取り組みを応援し、どんどん発信していきたいと思っています。

田村さん:はい。私は早く『宇宙牛』でバーベキューがしたいです!

柳澤:食べたいですね!

田村さん:プロジェクトの始まりについてラジオをお聞きのみなさんと聞くことができたので、一層みなさんと一緒に食べる日が待ち遠しいなと感じています。後藤先生、そのときは一緒に食べていただけますか?

後藤教授:もちろんです! ぜひ食べて、楽しんでいただきたいです。

ゲストからのコメント !後藤貴文教授より

Q. あなたの北海道“LIKE”は?

A. おいしい海鮮が大好きです!

Q. ラジオに出てみての感想をお聞かせください!

A. ラジオで、専門の方だけではないみなさんに研究についてお話しできたことがとても嬉しかったです。

 

『北海道Likers Voice〜北海道をもっと好きになるラジオ〜』は、『STVラジオPodcast』でも聴くことができます。次回分の公開もお楽しみに!

2023年10月14日の放送では、北海道で注目の“ミルクサウナ”についても紹介しました! 気になる方はこちら

【画像】後藤貴文教授、株式会社STVラジオ

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