サイダーアイキャッチ

「一つひとつに苦労のストーリーがある」黒豆、ホエイ、山幸…!? 地域の食材を活かす十勝のサイダー

日本全国で製造されていて、国産のご当地ビールとして親しまれている“地ビール”。その“地ビール”と同じように、地域ならではの農作物や名産品、文化、歴史などを活かして作られた“地サイダー”が注目されています。

今回は、北海道の十勝地方で地サイダーを作っている「十勝地サイダー研究会」や、気になる『十勝地サイダー』の味をご紹介します。

2012年9月に「十勝地サイダー」誕生!

ワイン樽サウナ

「十勝まきばの家」敷地内には、日本で初めて実際にワインを仕込んだ樽を使用した「ワイン樽サウナ」などがあります。 出典: 北海道Likers

今回お話を聞きに伺ったのは池田町にある「十勝まきばの家」。帯広駅からは車で約40分、最寄りのJR池田駅からは車で約10分、人気の観光スポット「いけだワイン城」からも車で約10分です。

十勝地サイダー研究会

左から岩本さん、林さん、石山さん 出典: 北海道Likers

「十勝地サイダー研究会」代表の林さん、副代表の石山さん、研究会事務局の「とかち機構」の岩本さんにお話を聞きました。

『十勝地サイダー』が誕生したのは、2012年1月に「池田町をルバーブの町にしたい」ということで商品づくりを始めたことがきっかけ。サイダーにしたのは、しそを使った『鍛高ラムネ』に着想を得たからだそうです。

ルバーブでのサイダー作りは色落ちやコストの問題で失敗してしまいましたが、その後同年9月にワイン用のぶどう『山幸(やまさち)』を使った『十勝ワイナリーぶどう果汁サイダー』(現在の『池田ぶどうサイダー』)が製作・発売されました。

1年後の2013年には広尾町がサンタの町であることから、広尾町の特産品である塩を使った『広尾オーシャンメリー』(現在の『広尾しおサイダー』)を町内で限定発売。2014年9月に『広尾オーシャンブルー』として一般発売されました。

2015年4月には「十勝地サイダー研究会」が発足。『池田ぶどうサイダー』『広尾しおサイダー』として既存の商品をリニューアルし、新たに『新得うめサイダー』『本別黒まめサイダー』『更別すももサイダー』が加わりました。

現在は12種類に増えた「十勝地サイダー」

その後、十勝地域それぞれの食材や特色を活かした『足寄オンネトーブルー』『芽室コーンサイダー』『中札内チーズホエイサイダー』『帯広ビーツサイダー』『池田白ぶどうサイダー』『音更キャロットサイダー』『TOKACHI SAUNA SODA 37』を加えて全12種類に。2022年4月に発売された『TOKACHI SAUNA SODA 37』は「十勝サウナ協議会」とのコラボレーションで、商品名の「37」は“サウナ”を表しているそう。サウナドリンクとして人気を集めています。

現在『新得うめサイダー』『池田白ぶどうサイダー』『音更キャロットサイダー』が原材料の都合で販売休止中ですが、『音更キャロットサイダー』は近々復活予定。さらに、2023年10月1日から『芽室ゴールデンアップル』が販売開始、2024年春には2種類追加予定なんだとか。

「どのサイダーもおいしく飲んでもらえるよう、味にはこだわっています」と代表の林さん。メインになる素材以外も砂糖は北海道産の甜菜糖を使うなど、できるだけ北海道産にするというこだわりもあります。

販売場所も妥協しない!そのわけは…

現在はふるさと納税の返礼品にもなっている『十勝地サイダー』。「最初のころは全然売れませんでした」と代表の林さん。売れ始めたのは帯広駅での自動販売機の設置がきっかけだそう。「設置にあたっては、帯広駅の駅長さんに直談判してお願いしました。今一番販売数が多いのは帯広駅の自動販売機と、『道の駅おとふけ なつぞらのふる里』です」とのこと。

「十勝地サイダー」は販売する場所にもこだわっています。

「基本的には、十勝を発信できる観光施設や道の駅などでしか販売しません。スーパーや飲食店からも販売依頼がありますが、ほとんどお断りしています」。そこには「十勝を代表するブランド品として大切にしたい。観光振興と地域活性化の重要なアイテムになりたい」という想いがあります。

「池田ワイン城」では『池田ぶどうサイダー』が販売されています。

一方「道の駅なかさつない」では『中札内チーズホエイサイダー』が。しっかり考えられた場所で購入すると、また違った味わいがありますね。

「池田ぶどうサイダー」と「本別黒まめサイダー」を飲んでみた

筆者は『池田ぶどうサイダー』と『本別黒まめサイダー』をいただいてみました。

『池田ぶどうサイダー』は一口飲むと『山幸』の上質な酸味と甘みが口の中に広がり、まるでスパークリングワインを飲んでいるかのような大人の味わい。ワインが飲めないお子さまや、ドライバーさんにもおすすめです。

『本別黒まめサイダー』は黒豆の煮汁を使っているので、サイダーなのに豆の風味を感じる不思議な感覚。どことなく、おせち料理の黒豆のような味を感じます。

 

「『十勝地サイダー』には一つひとつに、苦労して創り上げたストーリーがあります。将来的には、十勝の全19市町村で地サイダーを創りたいですね」と林さん。「商品開発は大変難しく、想いを持ったキーマンが必要」と語ります。今後の展開が楽しみですね。

「AIRDO」の機内誌でも取り上げられたことのある『十勝地サイダー』。これからも目が離せません。

<商品情報>
■十勝地サイダー
■ホームページ:https://tokachisoda.com/

【画像】十勝地サイダー研究会

⇒こんな記事も読まれています
【PR】10月から寄附額が上がる!? 「プチッ」と大きな道産いくらも、今が狙い目なわけ

話題の新店も!おすすめテイクアウトグルメまとめ
絶品グルメの宝庫!よらないともったいない道の駅

LINE友だち追加