200種類のメロン熊がズラリ…!? 外国人観光客もこぞって訪れる夕張の不思議なお家
北海道夕張市のゆるキャラ『メロン熊』は、その見た目から「ゆるくない(北海道弁で大変、きつい等の意味)」と言われています。
おいしいメロンを食い荒らし、姿をメロンに変貌させた恐ろしい生き物で、イベント会場など人の多い場所に出没し、激しく暴れまわったり、子どもたちを脅すなど、傍若無人な振る舞いを見せています。
夕張市紅葉山地区には「メロン熊の家」があります。その中はどうなっているのか。覚悟を決めてドアを開きました。
自分たちで夕張の名物を作ろう!
ドアを開けたとたんにガブリ……ということはなく、普通に入店できました。よく見るとドアにも『メロン熊』があしらわれるなど、ディテールにもこだわっています。
『メロン熊』は、市内で土産物などを扱う「有限会社 ワカサ観光物産」が考案しました。
同社は、かつて「北海道物産センター 夕張店」(現在は閉鎖)というレストハウスを経営していました。そこでは北海道の代表的なお土産や夕張メロンを扱っていましたが、通年で夕張を押し出した商品はほとんどありませんでした。地元の企業に夕張の銘菓を作ることを提案してみるも、消極的な返答しかなかったそうです。
「ならばオリジナル商品を作ろう」と、『石炭らーめん』『石炭カレー』など、石炭をイメージする商品を開発。代表取締役の若狭翁斉(おうさい)さんが描いた炭鉱マンのイラストをパッケージにした『石炭シュークリーム』は、『第5回日本お土産アカデミー賞』の地域文化賞で最優秀賞を受賞しました。
「メロン熊」の誕生
「夕張メロンの畑で野生のヒグマによる食害が発生」というニュースをヒントに、2009年に『メロン熊』が誕生しました。「北海道は昔から熊の木彫りが有名だし、メロンと熊を合わせたキャラクターがあったら面白い」というノリで始まったそうです。
2010年に、当時、東京都から夕張に派遣されていた鈴木直道氏(現在は北海道知事)に、商品化されたマグネットを見せると、「売れるわけがない」と一蹴されました。その予想を大きく裏切り、ゆるキャラとは一線を画したデンジャラスな雰囲気がウケて、さまざまなメディアで紹介されました。
『メロン熊』は日々進化を遂げ、ついに着ぐるみが登場します。2010年生まれの性格が穏やかでかわいい顔をした“マイルド”、2011年生まれの”リアル”、2013年に生まれた“シンカ”の3体が誕生。空港やイベント会場など人里に出没しては、人々を恐怖のどん底に落としました。
メロン熊専門アドバイザー「なっちゃん」で人気は全国区に!
凶暴な『メロン熊』を飼い犬のように手懐けていたのが、メロン熊専門アドバイザーの“なっちゃん”です。かつては多くのテレビ番組にも取り上げられ、「『メロン熊』にこの人あり」と言われました。
もとは同社のパートさんで、毒のある言動は本来の気質。「『メロン熊』とセットで売り出せば、その性格が活かされるのではないか」と、アドバイザーに採用されたそうです。2016年に札幌に引っ越したため、残念ながら現在は活動していません。
「売れるかどうか分からないが、とりあえず作ってみた」という根付に、その姿を見ることができます。
約200種類のグッズで埋め尽くされる
「道の駅 夕張メロード」近くにある「メロン熊の家」には、200種類を超える『メロン熊』グッズがフルラインナップしています。
一番の売れ筋はTシャツで、リアルなものから、かわいいものまでバリエーションも豊富。
サイズも各種揃っているので、親子で着るのもいいですね。
ほかにもソックスやトランクス、ベビースタイなども取り揃えています。さらには、愛犬用の帽子も販売。やっぱり、コーディネートはこーでねーと!(どうしても言いたくなるオヤジギャグ)
ぬいぐるみも不動の人気です。『メロン熊』グッズは、夕張のふるさと納税の返礼品にも選ばれているほか、インバウンド需要もあり、「メロン熊の家」を訪れる外国人観光客も多いそうです。
『メロン熊』は全国に出没しており、冬眠することなく冬でも活動しています。もし出会ってしまったら、逃げ切ることはできません。潔く食べられてください。
<店舗情報>
■メロン熊の家
■住所:北海道夕張市紅葉山77
■電話:0123-57-7771(有限会社 ワカサ観光物産)
⇒営業時間など詳細はこちら
【画像】メロン熊公式Instagram
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