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ワンコイン以下で大充実!全国の動物園を巡るライターも絶賛「気楽な動物園」とは

近年、著しく物価が上昇しています。「何もかも高くて当たり前」という風潮のなかで、「おびひろ動物園」の入園料は、ワンコインでお釣りがくる420円と格安。ミニ動物園などではなく、ライオンもキリンも飼育している一般的な動物園です。

園内には遊具もあり、週末や休日には、家族連れで賑わっています。全国の動物園を数多く訪れた筆者が、「おびひろ動物園」の魅力を紹介します。

道内2番目の動物園としてオープン「おびひろ動物園」

「おびひろ動物園」は、1963(昭和38)年7月13日に、「札幌市円山動物園」に次いで道内2番目の動物園としてオープンしました。JR帯広駅からのアクセスはバスで約20分。

平たんな道のりなので、駅前バスターミナル内のレンタサイクル『とかっちゃ』で自転車を借りて目指すのも楽しいです。

動物園の入り口は「正門」と「南門」の2か所あります。入園料を支払う際、あまりの安さに驚くことでしょう。420円(大人・個人)は全国有数の安さ。もちろん「安かろう、悪かろう」ではありません。料金以上の満足感が得られます。

まずは、動物園を45年も見守ってくれた「彼」に挨拶

すぐに動物たちの獣舎に駆け寄りたくなりますが、まずは正門広場にある『動物園センター』を訪れてください。そこには、「おびひろ動物園」の歴史を見守り続けたオオサンショウウオの標本が展示されています。

1965(昭和40)年に帯広畜産大学の山極三郎元学長から寄贈され、2010(平成22)年に死亡するまで、国内最長である45年も飼育されていました。全長は、飼育下の個体のなかで国内2番目を誇る126cmという大きさ。堂々とした雄姿をその目で確かめてください。

ピンクが鮮やかなフラミンゴたちに釘付け

パンフレットを見ると、正門からまっすぐ進み、ニホンザルの『サル山』から『新サル舎』を通って橋を渡り、川の向こうのエリアに向かうことが推奨されています*。

しかし、ほんの数十メートル進んだだけで、『フラミンゴ舎』に釘付けになるでしょう。

*園内マップ・・・https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo/map/index.html

ドアを開くと、そこはフラミンゴパラダイス。ベニイロフラミンゴ・ヨーロッパフラミンゴ・チリフラミンゴの3種類が集まっています。集団で鳴きあったり、ケンカをしたり、知恵の輪のように複雑に首を巻いて眠るなど、いつまでも見ていて飽きることがありません。

先に進むことを許してくれない、嬉しいけれど困った展示室です。

動物園にいる動物たちのほとんどが絶滅危惧種

アメリカバイソンは、北米に生息する大型のウシ科動物です。先住民であるネイティブアメリカンたちは、必要な数だけ狩りをしながら生活していましたが、白人が入植した17世紀以降は乱獲が進み、かつては約6千万頭も生息していたアメリカバイソンが、1894年ごろのアメリカでは絶滅寸前の20頭まで激減しました。

「おびひろ動物園」では、人間が動物や環境に与える影響についても、包み隠さず公開しています。ライオン、トラ、チンパンジー、ホッキョクグマなど、動物園にいるほとんどの生物が、野生下では絶滅の危機に瀕しています。

「かわいい」「愛らしい」だけでなく、彼らの生活環境を守るために人間は何をすべきか。みんなで考えてみませんか。

日本最高齢のコンドルは、あの芸能人と同い年

アンデスコンドルは、アメリカバイソン同様に道内唯一の展示です。南アメリカ大陸のアンデス山脈に生息している大型の鳥で、空を飛べる鳥のなかでは最大級。しかもこのジャック君は、推定1957(昭和32)年生まれ。日本最高齢のコンドルなのです。

芸能人でいうと、元『ピンク・レディー』の増田恵子さんや、女優の大竹しのぶさん、『電流爆破デスマッチ』で有名な大仁田厚さんと同い年。そう考えてみると不思議な感じですね。

遊園地も格安で楽しめる

園内中央部には遊具があります。十勝エリアでは数少ないお子さま天国です。豆汽車、メリーゴーランド、フラワーカップなど低年齢層向けが多く、1回100〜200円と安価なので、お金のことを気にせずに、お子さんを喜ばせてあげることができます。

観覧車に乗れば、高い場所から園内や十勝平野を一望できます。料金は驚きの200円です。

日本を代表する冒険家の記念館

遊具から少し離れた場所にある「植村直己記念館」にも立ち寄ってください。植村氏は兵庫県出身で、1970(昭和45)年に世界最高峰エベレストに日本人で初めて登頂した冒険家です。1978(昭和53)年に犬ぞり単独行としては世界で初めて北極点に到達する大記録も達成しました。

しかし、1984(昭和59)年に厳冬期のマッキンリー(現:デナリ)に世界で初めて単独登頂した際、下山中に消息を絶ちました。

植村氏と帯広市は、植村氏が北極点探検でそりを引いていたエスキモー犬2頭を「おびひろ動物園」に寄贈したことがきっかけで、交流が深まりました。

1985(昭和60)年に帯広とのつながりを広く知ってもらう目的で記念館が設立。現在も偉業を後世に伝えています。

野生動物も姿を見せてくれる

園内を歩いていると、数々の野生動物が現れます。『アザラシ舎』から、『ライオン舎』の檻に向かう途中にある『かものはし』付近の池によくいるカモは渡り鳥です。

木立に目を移せば、エゾリスが動き回っていたり、アカゲラが売店の柱を突っついている光景が見られます。これだけの自然動物と遭遇できる動物園は、道内でも少ないですね。

 

「釧路市動物園」のように広大ではなく、「札幌市円山動物園」ほど飼育数も多くない。「旭山動物園」のように注目されているわけでもなく、「ノースサファリサッポロ」のように刺激的でもない。そんな「おびひろ動物園」の良さは、気負わずに過ごせるところだと思います。

比較的、平たんなので車椅子の方やベビーカーにも優しく、園内のあちこちにベンチが用意されているので、どこでも休憩できます。ピクニック感覚で楽しんでください。

<施設情報>
■おびひろ動物園
■住所:北海道帯広市緑ヶ丘2
■電話番号:0155-24-2437
⇒公式ホームページなど詳細はこちら

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