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週末は1日2,500個販売!「遠出しても食べたいドーナツ」の時代を越えた美味しさ
十勝の東南端に位置する豊頃町には、長年愛され続けるお菓子屋さんがあります。その名は「朝日堂」。
1980年ごろから販売を開始した『アメリカンドーナツ』は口コミで広まり、週末には1日2,000〜2,500個を販売するほどの商品です。軽い食感で食べ飽きしないドーナツは、老若男女を問わず大人気!
『アメリカンドーナツ』の人気の秘密とともに、「朝日堂」の歴史に迫ります。
ハルニレの木とジュエリーアイスが有名な豊頃町
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出典: 北海道Likers
十勝川の河口に位置する豊頃町。十勝地方の開拓は十勝川の河口から遡上した歴史があるので、“十勝発祥の地”と呼ばれています。人口は2023年4月末時点で2,971人。
町のシンボル“ハルニレの木”は、季節を問わずフォトスポットとして有名な観光地です。冬になれば、“ジュエリーアイス”でおなじみの大津海岸がフォトスポットに。カメラ愛好家には嬉しい町なんですよ。
地元で長年愛され続ける菓子店「朝日堂」
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出典: 北海道Likers
豊頃町にある「朝日堂」は、1948年に創業した歴史あるお菓子屋さん。北見市にあった「朝日堂」で菓子職人の修行をした先代の岡本良夫さんが、豊頃町の農協職員からパンの製造販売を経て、現在の場所で創業しました。
店舗前には駐車スペースが3台ほどあります。週末の午前中はとくにお店が混むので、店舗横の公共駐車場も利用してください。
誕生の原点はカスタード!? 「アメリカンドーナツ」の歴史
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出典: 北海道Likers
お店の人気商品『アメリカンドーナツ』は、2代目である岡本良一さんが1980年ごろに販売したのが始まりです。
商品名の由来は、販売した当時、パン生地でできたドーナツのことを“アメリカ風ドーナツ”と呼んでいたからだとか。
ちなみに、良一さんは大のブルース好き。小学6年生からギターを始めて、仲間とセッションをするほどの腕前なんです。ブルースを通じてアメリカに興味を持ち、アメリカのドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の視察を行ったこともあるそう。
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出典: 北海道Likers
「朝日堂」の『アメリカンドーナツ』の誕生の歴史は、“カスタードクリーム”から始まります。
一般的にカスタードクリームは卵黄のみを使います。しかし、良一さんは“より食べやすいものを”という想いから、試行錯誤を繰り返し、生クリームを加えた“カスタードクリーム”を考案。
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出典: 北海道Likers
そして、この“カスタードクリーム”を活かす商品を探した結果、ドーナツに辿り着きます。製粉メーカーの協力のもと“カスタードクリーム”に合うドーナツ生地ができあがり、現在の『アメリカンドーナツ』が誕生しました。
発売から40年近くになりますが、現在もレシピとドーナツの種類は変わっていません。『カスタードクリーム』『生クリーム』『あん』『あんボール』『ツイスト』『かぼちゃあん』『チョコ』の全7種類です。
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出典: 北海道Likers
販売当初は300本が売れたら喜んでいましたが、1990年ごろから人気に火がつきました。平日でも1,200個、土日は2,000〜2,500個、今年のゴールデンウィークは3,800個を販売。豊頃町の人口を上回る驚きの数字です!
人気の一方で、今年は鳥インフルエンザの影響で原材料の卵が足りず、ゴールデンウィークは休業しようと考えたそう。しかし、良一さんのFacebook投稿を見た知人が卵の仕入業者を紹介してくれて、なんとか営業までこぎつけました。
生地とクリームの一体感が絶品!
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出典: 北海道Likers
『カスタードクリーム』は、ふわふわの柔らかいドーナツ生地と、食感の軽いカスタードクリームの一体感が絶品!
「生地とクリームの甘さを同じにしています」と、良一さん。片方が際立つのでなく、同じ甘さにすることがこのドーナツの一体感の秘密なんですね。「カスタードクリーム」が一番人気というのも、うなずけます。
「朝日堂」ではお菓子の発送はしていませんが、電話による予約や取り置きは可能です。確実に食べたいという方には予約をおすすめします。
「自分の代で終わりにしたい」店主の想い
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出典: 北海道Likers
「朝日堂」では『アメリカンドーナツ』以外にも、ケーキやお菓子類があります。どのお菓子もリーズナブルなのが嬉しいですね。
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出典: 北海道Likers
お土産や贈り物にピッタリなお菓子もあります。
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出典: 北海道Likers
岡本良一さんと麗子さんご夫妻。
朝4時30分ころから仕込みが始まり、店舗の終了時間が夜の8時というハードなお仕事。あるとき、お孫さんが「跡を継ぎたい」と言ってくれたのだそう。しかし、良一さんは「こんな大変な仕事を孫にはさせたくない。自分の代で終わりにしたい」と言います。
仕事は大変ですが、良一さんはギター演奏や釣りを、麗子さんは絵画を描くことで息抜きしながら、長年お店を続けてきました。「自分ができる限り、お店を続けていきたい」と良一さん。
『アメリカンドーナツ』は、遠くても買いにいきたくなる逸品です。岡本さんご夫妻のご健勝を祈りつつ、長くお店が続くよう心から願います。
筆者は『アメリカンドーナツ』のことをもちろん知っていましたが、いただいたのは今回の取材が初めてでした。
ネットの口コミを見ると「懐かしい味」というコメントがあり、レトロなドーナツかと考えていましたが、食べてみて印象が一変。ドーナツの生地もクリームも食感が軽くて食べやすく、『アメリカンドーナツ』には時代を越えた美味しさがあると感じました。
近くにお越しの際は、ぜひ豊頃町の「朝日堂」にお寄りください。
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■朝日堂
■住所:北海道中川郡豊頃町茂岩本町30
■電話番号:015-574-2402
⇒営業時間など詳細はこちら
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