まろやかな和出汁がうまい!深夜2時まで仕込み「無化調・自家製麺」に向き合うラーメン店

札幌市東区に、思わずリピートしたくなるラーメン店があります。“無化学調味料”“自家製麺”の看板を高らかに掲げ、良質な素材と技術をどんぶりに注いでいます。

実直に美味しい一杯を作り続ける「麺や 亀陣」の暖簾をくぐりました。

お子さんから高齢者まで安心して食べてほしい!願いを一杯に込める「麺や 亀陣」

「麺や 亀陣」は、店主の高木優光さんと奥様が中心となって切り盛りしています。

高木さんが同店をオープンしたのは45歳のときのこと。父親から21歳のときに個人商店を引き継いでいましたが、個人店には厳しい時代が訪れ、廃業するかコンビニチェーンになるかの選択を迫られていたそうです。

「どちらもゴメンだ!」と思った高木さんは、一念発起して義父が経営するラーメン店に弟子入り。その後も理想の味を求めて食べ歩きなどを行い、2010年に「麺や 亀陣」をオープンしました。

製麺会社から麺を取り寄せ、化学調味料を使用しているお店が少なくないなか、高木さんは「お子さんから高齢者まで安心して食べてほしい」という理由により、業界参入当初から“無化学調味料”と“自家製麺”にこだわっています。営業が終わってから製麺するので、遅い日は午前2時までかかっているそうです。

無化学調味料でも、しっかりと味を出すために、さまざまな材料が大量に使われています。コストが高くなるのは覚悟の上。それでもこだわりを捨てないのは、ジャンクな味に慣れてしまった現代人が繊細な味覚や大切な何かを思い出すきっかけになってほしかったからだそうです。

ローカル放送がきっかけで存在を周知

今でこそお客さんが絶えない人気店ですが、開店当時は厳しい状況が続いたそう。

「最初はラーメン好きな方が来店してくれましたが、あとは潮が引いたようでした。『亀陣』のラーメンはガツンとくるインパクトはありませんので、物足りなく思われたのかもしれません」

2015年にローカル番組で表彰されたことで潮目が変わりました。最初は話題性で訪れたお客さんも、手間暇かけた一杯の美味しさが忘れられず、次々とファンが増えたとのこと。今ではリピーターも多く、高木さんの家に遊びに来るような感覚でお客さんが訪れています。

店内の至るところに「すべての出会いに感謝します」と書かれています。高木さんは「私は調子に乗ってしまう性格なので、初心を忘れないように目につくところに感謝の気持ちを散りばめているんです」と笑い飛ばしました。

無限ループから逃れられない定番&限定メニュー

まずは券売機でお好きなメニューを選びます。上段は定番メニューで、下段は限定メニューです。これまで考案した限定メニューは30種類以上。サルサソースの冷たい麺は「これは絶品だ!」と思って提供したものの人気が得られず、一度限りで消えてしまいました。

オープン当時から人気の『丸鶏中華そば醤油』をいただきます。国産丸鶏の清湯スープに和出汁を組み合わせ、数種の醤油をブレンドした一杯です。運ばれてきた途端、たちまち良い香りに包まれました。

ライスは道内有数の米どころである蘭越産の『ななつぼし』を使用。米自体の味の主張が少なく、ラーメンの美味しさを引き立ててくれるバイプレーヤーです。

自家製麺は“ストレート”と“縮れ麺”の2種類を用意しており、スープによって使い分けています。ストレート麺は道産小麦8割に対し、パスタなどに使われるセモリナ粉を2割ブレンドし、独特のコシのある食感にしています。縮れ麺は道産小麦を100%使用。もちもち・つるつるの食感を楽しめます。

インパクトよりも素材の良さを生かしたスープはまろやかで、飲み干しても水をガバガバ飲みたくなるようなしょっぱさはありません。

定番メニューが美味しすぎるため、限定メニューに手を出せないお客さんや、毎月のように登場する限定メニューのループから抜け出せないお客さんもいるそうです。

 

“亀のような歩みで着実に”という想いが込められている店名のように、「麺や 亀陣」はゆっくりとお客さんの心を掴んでいます。暖簾の向こうには、極上の一杯が待っていますよ。

<店舗情報>
麺や 亀陣
■住所:北海道札幌市東区北47条東8丁目1-1 47ビル
■電話番号:011-753-1305
⇒営業時間など詳細はこちら

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