漢字からは想像できない見た目かも…!? 北海道でそろそろ見られる「春を告げる花」
5月に入ると、北海道にも本格的な春がやってきます。自然豊かでいろいろな花が咲き誇る北海道の春は、さまざまな色があふれてとても美しいです。
そんな北海道で5月に咲く、「鬱金香」をご存じですか? 道産子でない人にも身近な花で、誰でも一度は見たことがあるはず。そんな北海道の春に見られる花についてご紹介します。
目次
「鬱金香」はなんの花?
「鬱金香」は街中や学校の花壇などにも咲いていて、本州でも身近な花です。童謡もあるので、誰もが聞いたことや見たことがあるはず。いろんな色がありますが、どの花を見てもきれいです。さて、なんの花かわかりましたか?
正解は「チューリップ」
「鬱金香」は「チューリップ」の和名です。漢字とのギャップが大きいですよね。北海道では5~6月ごろにチューリップが開花します。球根を土に植えて、寒さにさらされることで開花するのが特徴。秋に植えて、冬の寒さを乗り越え、春に花を咲かせます。
色や花びらの形、香り、咲き方もさまざまです。品種改良も難しくないので、新しい品種がどんどん増えています。さまざまな色や形のチューリップを見たことがある人も多いでしょう。
チューリップはウコンのような香り?
「鬱金香」は、「うこんこう」「うっこんこう」と読みます。「鬱金」は「ウコン」のこと。英語名では「ターメリック」。カレーの香辛料として使われています。健康にもよいとされ、サプリメントとして活用されているスパイスです。チューリップの香りが、ウコンのほこり臭い香りと似ていることから、「鬱金香」という名前がついたのだとか。
ちなみに、作家・芥川龍之介が書いた『上海游記』の一節でも、チューリップを指す「鬱金香」という言葉が出てきます。
北海道には、広い土地を生かしたチューリップ園や花畑もあるんです。そこで、春に訪れたい北海道でチューリップが見られるスポットをご紹介します。
スポット1:かみゆうべつチューリップ公園 (湧別町)
北海道の東側、オホーツク沿岸の中央あたりに位置している、湧別町にある「かみゆうべつチューリップ公園」。総面積は約12.5ヘクタール、このうち約7ヘクタールの広大な花畑に、約200品種70万本のチューリップが咲き誇ります。色とりどりで圧巻です。
2023年3月に北広島市に開業した野球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」が約5ヘクタールの敷地面積なので、公園の総面積は約2.5倍も広いことがわかります。チューリップ畑だけでも「エスコンフィールドHOKKAIDO」より広いです。
風車を背景にしたチューリップ畑の光景はまるでオランダ。展望台にもなっている風車からは、広大なチューリップ畑を一望できます。
2023年5月1日(月)~6月上旬まで『2023かみゆうべつチューリップフェア』を開催。園内をぐるっと周遊する電動バスで観光ガイドさんの話を聞きながらチューリップを眺めたり、チューリップの花や球根を購入したりとさまざまに楽しめます。
<スポット情報>
■住所:北海道紋別郡湧別町上湧別屯田市街地358番地の1
■開園期間:5月上旬~6月上旬
■開園時間:8~18時(最終入園は17時30分)
■休園日:期間中なし
■入園料:
【大人(高校生以上)】1日券600円・シーズン券1,000円
【小人(小・中学生)】1日券300円・シーズン券500円
【団体(10人以上)】大人500円・小人250円
■駐車場:無料(400台)
スポット2:サラキ岬チューリップ園(木古内町)
道南の木古内町にある「サラキ岬チューリップ花園」には、約60種5万球ものチューリップが咲き誇ります。サラキ岬は幕末の戦いがあり、軍艦『咸臨丸』が沈没したとされる場所です。
当時、欧米諸国から開国を迫られていた日本は、オランダに軍艦を発注し、『咸臨丸』を届けてもらいました。『咸臨丸』がサラキ岬に眠っていることを知ったオランダが、国花のチューリップの球根を贈ったことが花園の始まりです。
花園には終焉記念碑や咸臨丸モニュメント、オランダ風車型休憩所なども整備されています。
例年5月の開花時期に合わせて行われる『サラキ岬チューリップフェア』(2023年度は終了)では、チューリップの販売やキッチンカーの出店、木古内町のスタンプラリーなどが行われます。
チューリップを眺めるのはもちろん、日本の歴史も学べそうです。
<スポット情報>
■住所:北海道上磯郡木古内町字亀川55番地
■開園期間:5月上旬~5月下旬(開花期間)
■開園時間:終日
■休園日:なし
■入園料:無料
■駐車場:無料(200台)
スポット3:国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)
札幌市の中心街からのアクセスがいいのは、「国営滝野すずらん丘陵公園」。チューリップだけでなく、季節ごとにさまざまな花が咲きます。総面積は約400ヘクタールで、「エスコンフィールドHOKKAIDO」の約80倍です。花を眺められるのはもちろん、自然豊かな森を散策したり、キャンプをしたりとレジャーを楽しめるエリアもあります。
チューリップは東側の中心ゾーンにある、カントリーガーデンの『花のまきば』にあります。開花は5月下旬ごろです。色ごとに分かれたチューリップがカラフルなパレットのように広がっています。
<スポット情報>
■住所:北海道札幌市南区滝野247
■開園期間・時間:【4月20日~5月31日】9~17時、【6月1日~8月31日】9~18時、【9月1日~11月10日】9~17時、【12月23日~3月31日】9~16時
※4月19日と12月22日が日曜の場合は、4月19日・12月22日に開園します
■休園日:4月1日~4月19日、11月11日~12月22日
■入園料:
【大人(15歳以上)】一般450円、2日間通し券500円、年間パスポート2,800円
【シニア(65歳以上)】一般210円、2日間通し券250円、年間パスポート1,300円
※小人(15歳未満)は入園料無料
■駐車場:有料
渓流口駐車場(150台)、中央口駐車場(960台)、東口駐車場(610台)、鱒見口駐車場(160台)※冬季閉鎖、滝野の森口駐車場(150台)、南駐車場(180台)
春に彩りを届けてくれるチューリップ。ぜひ街中の花壇や公園を眺めたり、きれいな花園に足を運んだりして、北海道の春を感じてみてくださいね。
【参考】北海道、北島町、農林水産省、神戸薬科大学、青空文庫、湧別町、株式会社 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント、木古内町観光協会、木古内町、北海道運輸局、国営滝野すずらん丘陵公園
チューリップ(鬱金香:うこんこう) / 北海道 建設部まちづくり局都市環境課
チューリップの育て方 / 北島町
森のひろば フォレストニュース No.1080 28年2月号 / 農林水産省 林野庁 近畿中国森林管理局
ウコン / 神戸薬科大学 薬用植物園
上海游記 芥川龍之介 / 青空文庫
かみゆうべつチューリップ公園 / 北海道 建設部まちづくり局都市環境課
かみゆうべつチューリップ公園 / 湧別町
チューリップフェア / 湧別町
かみゆうべつチューリップ公園ガイド / 湧別町
ABOUT ES CON FIELD/ ES CON FIELDとは / 北海道ボールパーク
サラキ岬チューリップ園 / 木古内町観光協会
サラキ岬チューリップ花園 / 北海道 建設部まちづくり局都市環境課
サラキ岬チューリップフェア2023のお知らせ / 北海道 木古内町 観光情報
サラキ岬チューリップ園 / 北海道運輸局 函館で遊ぶ!ユニバーサルな旅
咸臨丸の歴史 / 木古内町観光協会
国営滝野すずらん丘陵公園
フラワーカレンダー(4月・5月) / 国営滝野すずらん丘陵公園
カントリーガーデン 花new / 国営滝野すずらん丘陵公園
エリア・目的で探す / 国営滝野すずらん丘陵公園
バスをご利用の方 / 国営滝野すずらん丘陵公園
【画像】ひでぼう、ペイレスイメージズ 2、ダイスケ、川村恵司、土間拳、YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)
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