アイキャッチ 雪だるま

クラーク像との記念写真だけじゃもったいない!地元ライターが教える「さっぽろ羊ヶ丘展望台」の楽しみ方

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」は“観光客が立ち寄る場所”というイメージが強いですが、1年を通してさまざまなイベントが開催されており、市民も楽しめるスポットです。クラーク博士像と同じポーズで記念写真を撮るだけではもったいない。冬の楽しみ方をお伝えします。

農商務省月寒種牛牧場から「さっぽろ羊ヶ丘展望台」へ

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」一帯は1906(明治39)年に、「農商務省月寒種牛牧場」として開拓され、月寒種羊場や農林省月寒種畜牧場として発展しました。札幌を見下ろす種羊場は風光明媚であり、戦後は観光スポットとして注目されるようになりました。

観光客の増加により、「農林省北海道農業試験場畜産部(現在の農研機構北海道農業研究センター)」は「観光化は研究に支障をきたす」として1952(昭和27)年に入場を一時制限します。自治体関係者や観光関係団体が試験場と協議を重ねて敷地の一部の入場を承諾。1959(昭和34)年にその一部が「さっぽろ羊ヶ丘展望台」として開業しました。むやみな開発は行われず、今も変わらぬ光景が残されています。

「羊ヶ丘」の地名は、1944(昭和19)年に命名されました。現在も羊はいますが、食用や羊毛ではなく観光用に飼われています。牧草地にいないときは『羊さんのお家』を覗いてみてください。のんびりしている姿が見られますよ。

札幌の街を指さすクラーク博士像

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」といえば、颯爽とポーズを取るクラーク博士像が有名です。訪れる人のほとんどが、同じポーズで記念写真を撮っています。スマホを立てるための台が設置されているのも嬉しい配慮です。

「クラークチャペル」では、クラーク博士に関する展示が行われています。クラーク博士は、1876(明治9)年7月、「札幌農学校(現北海道大学)」の初代教頭としてアメリカから招かれました。専門の植物学だけでなく、自然科学一般やキリスト教の考えを伝えていたといわれています。札幌に骨をうずめたかのように思われていますが、滞在期間は8ヶ月余り。本国に戻ってからは、事業に失敗するなど順風満帆ではなかったようです。

クラーク博士は病に倒れ、59歳で生涯を終えましたが、人生を振り返り「札幌で過ごした8ヶ月間が人生で最も輝かしい時代であった」と残しています。札幌農学校の第一期生に贈った「Boys, be ambitious.(青年よ、大志を抱け)」の言葉とともに、約150年経過した今も語り継がれているのですから、草葉の陰で喜んでいることでしょう。

「クラークチャペル」の隣の「さっぽろ雪まつり資料館」には、これまで作られた大雪像の模型やポスターが展示されています。毎年作られる作品が異なっており、流行や話題の移り変わりを感じることができます。

見逃せない!「さっぽろ羊ヶ丘展望台」冬のイベント

1月初旬~3月初旬まで開催される『羊ヶ丘スノーパーク』は、お子さんが大喜びするイベントです。約4ヶ月間も雪に閉ざされる北海道では、寒さや雪を楽しむ文化が根付いています。用具のレンタル料や体験料はすべて無料。思わず笑顔になるアトラクションを紹介します。

迫力満点「チューブすべり」

雪山からゴムチューブに乗って豪快にすべり降ります。チューブは1人乗りと2人乗りがあるので、小さなお子さんはもちろん大人も一緒に楽しめます。スリルを求めて何度もトライしたくなりますよ。

自然の中を滑走「スノーストライダー」(2~5歳限定)

アメリカ生まれの足で地面を蹴って進むランニングバイクに、スキーアタッチメントを装着。専用の雪上コースを滑ります。思った以上にスピードが出るようで、お父さんが息を切らしながら後を追っていました。

とにかく楽しい「ミニすべり台」

小さな雪山で気軽に遊べるすべり台です。たくさんの種類のソリが用意されているので、すべりの違いが楽しめます。

オリジナリティを発揮する「ミニ雪だるま作り」

世界に1つだけの雪だるまを作ります。兎年らしくウサギの雪だるまが並んでいました。完成したら、一緒に記念写真を撮りましょう。

ここが腕の見せどころ「ラッキーサークル」

雪玉を投げてサークルに通すテクニカルなアトラクションです。お子さんに「カッコいい」と尊敬されるか、「カッコ悪い」と笑われるか。腕の見せ所です。

いったいこれは…「ワカサギ釣り風フォトスポット」

「ワカサギを釣っているふりができる」という面白スポットです。当然ながらワカサギは釣れません。

手軽に楽しめる「歩くスキー」

真っ白な雪原を手軽に散歩。初めての方でも楽しめます。暖かい格好でトライしてください。

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」は夏も楽しい

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」は、夏も楽しめます。7月には1,200平方メートルの畑に栽培された1,000株のラベンダーが見ごろを迎えます。中旬にはラベンダーの無料刈り取り体験を開催。刈り取ったラベンダーは持ち帰ることができるので、ドライフラワーやポプリにすれば、お部屋にすてきな香りが漂いますよ。

 

クラーク博士像の台座にある「大志の誓い」と書かれたポストは、タイムカプセルです。「オーストリア館」1階の管理事務所で、カードを購入し(1枚100円)、名前、年齢、日時、天候、そして“自分へのメッセージ”を記入して投函してください。カードは大切に保管され、いつでも訪れたときに閲覧できます。

「さっぽろ羊ヶ丘展望台」で、今日の思い出をいつまでも残しておきませんか。

<施設情報>
■さっぽろ羊ヶ丘展望台
■住所:北海道札幌市豊平区羊ケ丘1番地
■電話番号:011-851-3080
■営業時間:9〜17時 ※時季、イベントにより変更の場合あり
■定休日:年中無休
■HP:https://www.hitsujigaoka.jp/

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