一見すると「綱引き・玉入れ」だけど…ちょっと違う!北海道発祥スポーツの正体
冬の長い北海道。積雪が多く、冷え込みが大変厳しいなか行うスポーツといえば、スキーやスノーボードを思い浮かべる方が多いと思います。
意外にも、北海道には冬でも楽しめるスポーツを生み出している地域が多くあるんです。厚真町発祥であるスポーツの大会が開催されるということで、取材に伺ってきました。あの運動会でおなじみのスポーツも、実は北海道が発祥でした。あわせて紹介します!
綱引きより難しくて面白い!「雪上3本引き」とは
まずは雪の上で楽しむこちらのスポーツからご紹介します。その名も『雪上3本引き』。
雪の上で行う綱引きというだけでも北海道らしくユニークですが、普通の綱引きと違って3本の綱を引きます。もともとは厚真町の夏の町民運動会で行われていた競技でしたが、「冬場の足元が滑るところでやったら面白いのでは」と始まったそう。
写真のように3本の綱があり、そのうち2本を取ったチームが勝ちとなります。1試合3セット制で、2勝すると勝ち抜けに。綱引きはスタート時から綱の横にいますが、この競技では少し離れた場所で待機し、スタートの合図で一気に綱に向かって走っていきます。1チーム8人(うち女性1人)で、どの綱に何人ついてもOK!
事務局の大友さんに『雪上3本引き』の魅力をお聞きしました。
「力だけではなく、スピードやチームワークも必要な点が魅力です。とくに、どの綱を捨てどの綱を取るかの作戦や、移動する際の指示、チームワークも重要。狙う綱を間違えると、強いチームが負けたり、大逆転が起きたりすることも。その駆け引きも楽しさになっています」と、見ている方も一瞬も気を抜けない面白さがあるとのこと。
「雪上3本引き」の大会が3年ぶりに開催!
『あつま国際雪上3本引き大会』は平成20年1月に初めて開催され、今回で16回目。一昨年と昨年はコロナの影響で中止となったため、3年ぶりの開催でした。今年は30チームが参加。AからJの10のブロックに分かれて予選リーグから行われます。
『waiwai会』は会社有志が集まり、今年新たに作ったチームだそう。予選1試合目の相手はなんと4連覇中のチームでした。
スタートの合図とともに勢いよく飛び出し、3本の綱へ! 1本取ったものの、相手チームに2本取られてしまいました。
続いて2セット目! 低く腰を下ろし、これ以上引っ張られないようにと踏ん張ります。
2セット目も相手チームが勝ち、残念ながら敗戦。終わったあとのみなさんのやりきったという笑顔が印象的でした。
「コロナ禍が収束していないなかですが、多くのチームにご参加いただきました。大会開始当初から国際大会になることを目指して実施しているので、将来的には道外チームや国外のチームも参加する大会にしていきたいです」と、大友さん。
今後さらに大きな大会になってくれることを期待しましょう!
見たことのある人も多いはず!「全日本玉入れ」は和寒町発祥の競技
運動会で行う競技の1つ、“玉入れ”。筆者は小学生のときに行った記憶がありますが、スポーツ競技として玉入れの試合が行われているそうなんです。
『全日本玉入れ』の発祥地は上川エリアにある和寒(わっさむ)町。平成7年に『全日本玉入れ協会 AJTA(All Japan Tamaire Association、アジャタ)』を和寒町に設立し、平成8年に『第1回全日本玉入れ選手権』が開催されました。今では全国各地に協会や支部が発足し、全国的に人気のスポーツ競技となっています。
4〜6人の選手が合計100個のボール(アジャタボール99個+アンカーボール1個)をバスケットに入れるまでの時間を競います。
スタート時は直径6mのアジャタサークルで後ろ向きになり、スタートの合図とともにカゴのほうに向いてアジャタボールを投げていくというルールです。
道具を使わなければどのように投げてもOK。最後にアンカーボールという大きいボールを入れ、そのボールが入った時点で終了となります。いかに効率よくカゴのなかにボールを入れるかが勝負の分かれ目に!
車いすで行う『Wheelchair AJATA』もあり、障がい者スポーツとして今後の発展が期待されています。
今回ご紹介したこの2種のスポーツは、2023年2月18日(土)に開催される『ほっかいどう大運動会2023』の競技として行われます!
すでに参加エントリーは締め切りとなりましたが、会場となる札幌ドームでは間近に競技を行う様子が見られるだけでなく、ステージではイベントなども行われるとのこと。北海道発祥のスポーツをぜひ会場でご覧ください!