実は雪国ならでは!道外の人に驚かれがちな「冬の道路事情」3選
冬の北海道の道路は雪で真っ白に、あるいは凍ってつるつるになります。そんな雪国・北海道だからこその道路事情があるようです。
1:雪が降るから!? 信号機が「縦型」
車の信号機は横型、歩行者の信号機は縦型……というのが一般的ですが、北海道では車用でも縦型の信号機があります。色は上から赤、黄、青の順です。
信号機が縦型の理由は“雪”。横型の信号機だと上にあるフードに雪が降り積もり、垂れ下がって隠れてしまうことがあります。信号の色が見えなくなるのは危険ですよね。またフードに降り積もった雪が、車や歩行者に落下する恐れも。縦型の信号機だと横幅が3分の1になるため、フードの上に雪が積もりにくくなり、見えなくなったり落下したりする心配も減るというわけです。
ちなみに北海道以外でも、新潟県など雪国には縦型の信号機があります。
2:道路の脇を示す「赤いポール」がある
北海道の道路を走っていると、道路の脇に赤と白のボーダー柄のポールが立っているのを見かけることがあります。道外の人にとっては「なんだこれ!?」と思うアイテムかもしれません。
雪が積もると全部が真っ白になって、道路の境目がわかりづらくなります。また吹雪などで視界が悪くなることも。路肩を示し、道路の幅が見てわかるように、赤と白で目立つスノーポールが設置されているのです。スノーポールは除雪の目印にもなります。夜間でも見えるように、LEDで光るタイプも。
3:除雪した雪は「流雪溝」に捨てる
北海道民は除雪作業をしたら、“流雪溝(あるいは融雪溝)”に雪を捨てます。流雪溝は道路脇や歩道の端にあり、普段はフタが閉まっているものです。流雪溝の下は水路になっています。フタを開けて雪を捨てると、下を流れている水が排雪してくれるという仕組みです。
手作業や除雪機で雪を集めたら、流雪溝に捨てましょう。ただし、使ったあとは必ずフタを閉めてください。フタが開けっぱなしだと、歩行者が落ちたり、転んだり、除雪車の邪魔になったり、事故が起きたり……本当に危険です。
自治体によっては流雪溝を使う時間などルールが定められている場合もあります。初めて雪国で暮らすという人は、近くの流雪溝の場所やルールなどを確認しておきたいですね。
流雪溝は、北海道だけでなく、雪が降る青森県や新潟県にもあります。
ずっと北海道で暮らしている道産子だと気づかないかもしれませんが、北海道の道路には雪国にはないものがあります。冬は雪や氷に気をつけて、道路を歩行・走行しましょう。
【画像】midori_chan、なめ、ふるさと探訪倶楽部、austro、エリーシャ(Елисей) / PIXTA(ピクスタ)
【参考】北海道警察、十日町市、厚生労働省、環境省、国土交通省、むつ市、新潟県
しんごうのしくみ / 北海道警察
道路の工夫あれこれ / 十日町市 企画政策課
スノーポールを利用した法肩の見える化 / 厚生労働省 あんぜんプロジェクト
冬支度 アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区] / 環境省 北海道地方環境事務所
流雪溝・融雪溝 / 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部
除雪作業にご協力お願いします / 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部
融雪溝・流雪溝は正しい利用方法で / むつ市
流雪溝(りゅうせつこう) / 新潟県