惜しまれて閉店した人気店の味を再現!地元民がリピートする「肉屋の絶品ラーメン」【歌志内市】
日本一人口が少ない市にある「肉の木村」は、口コミサイトで高評価を叩き出す“隠れた名店”です。11時に「ラーメン」の幟(のぼり)が立つと、待ちかねたように次々とお客さんが吸い込まれて行きます。
そう、高評価を得ているのは、精肉店ながら“ラーメン”。驚愕の一杯を味わいました。
約60年の歴史を持つ炭鉱街の精肉店
北海道・歌志内市は、かつて炭鉱で栄えた街です。1891(明治24)年7月5日に石炭輸送を目的とした鉄道が開業。昭和初期から昭和30年代まで人口46,000人を誇りました。しかし昭和40年代に入ると炭鉱の閉山が相次ぎ人口は激減。現在は約2,800人が住む“日本一人口が少ない市”となっています。
「肉の木村」は、店主の木村竜二さんの祖父が59年前に創業しました。最初は市内の中村地区で営業していましたが、10年ほど前に歌神(かしん)地区に移転。
ジンギスカンや焼き肉用の肉のほか、歌志内の郷土料理『なんこ』(馬の腸)などを販売しています。
竜二さんは、滝川や札幌で飲食店を経営したのちに、2019年に3代目店主になりました。
口コミサイトで高評価を叩き出しているラーメンはすべて独学。「スープが命なので製法や食材は秘密」と言います。サイトには「砂川駅近くにあった『まるとも食堂』を彷彿とさせる味」という書き込みが目につきますが、それもそのはず。木村さんのラーメンは「まるとも食堂」の味を再現するために誕生したのです。
惜しまれて閉店した人気店の味を再現
「『まるとも食堂』の塩ラーメンが好きで、いつも食べに行っていましたが、2019年ごろに惜しまれながら閉店してしまいました。あの味をもう一度食べたくて、再現に取り組みました」と木村さんは言います。
しかし、最後に「まるとも食堂」でラーメンを食べてから1年以上過ぎていたうえに、レシピもなければ、作り方も知りません。木村さんは試行錯誤の末に納得の味を完成させました。
「肉の木村」のラーメンは、塩・醤油・味噌の3種類。スープは共通でタレを変えることで個性を与えています。麺は砂川の製麺会社「中村製麺」のストレート麺を使用。
「『まるとも食堂』では『塩ラーメン』しか食べたことがなかった」とのことで、『醤油ラーメン』と『味噌ラーメン』は、木村さんのオリジナル。
ライスは追加で注文してほしい逸品です。精米されたお米は玄米に比べて酸化しやすいため、粘り気が失われて固くなり、味も落ちてしまいます。「肉の木村」では、農業を営む友人が、こまめに精米して届けてくれる自家生産米を使用しています。
1:あの味を再現!「塩ラーメン」
炎を上げて中華鍋で炒めた野菜の香ばしさが食欲を誘います。チャーシューは歯ごたえがあり、食べ応え十分。ストレート麺もしっかりとスープを受け止めています。
「まるとも食堂」を知っている人も、知らない人も夢中になる美味しさです。
2:香ばしさがたまらない「醤油ラーメン」
これは一般的な醤油ラーメンの概念を覆す一杯です。ラードが幕を張り最後までアツアツ。パンチが効いた旨さに焼き肉を食べているような感覚を覚えました。
『塩ラーメン』を注文する人が多いそうですが、ぜひ食べてほしい一杯です。
3:脳裏に刻み込まれる旨さ「味噌ラーメン」
「『塩ラーメン』も『醤油ラーメン』も美味しいのなら、『味噌ラーメン』も美味しいに違いない」と予想した通り、味噌の風味がグイグイと迫ります。こってりしているようで、くどくない。
「肉の木村」のラーメンは、いずれも一度食べたら忘れられない、脳裏に刻み込まれる旨さでした。
「肉の木村」の新しい時代が幕を開ける!
「歌志内は国道が通っておらず、地元の人の来店も期待できないので、1日に10人くらい来てくれればいいと思っていました。おかげさまで口コミなどで評判が広まり、市外を中心に1日30人ほどのお客さんに来店いただいています」と手ごたえを感じているそうです。
“歌志内の名店”と呼ぶべき「肉の木村」ですが、2022年12月31日(土)で約60年続いた精肉店をたたんで、2023年1月から砂川地方卸売市場でラーメン専門店「肉の木村」として再スタートを切ることになりました。
現在は11~14時までの営業ですが、新店舗では11~19時までオープンする予定。詳細はSNSで知らせるとのことなので、楽しみにしていてください。
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■店舗名:肉の木村
■住所:北海道歌志内市字歌神36
■電話番号:0125-42-2235
■ラーメン提供時間:11~14時
※2023年1月から砂川地方卸売市場に移転予定
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