サッポロビール

だからウマいのか!ビールのプロに聞いた「サッポロビール」の原料へのこだわり

2022.11.25

ビールの主な原料は、大麦とホップ。ビールの味わいを決める“ホップ”の植物を国内で品種開発しているのは「サッポロビール」だけということをご存知でしょうか。

北海道の中でもひときわ広大な大地と気候に恵まれた上富良野町には、「サッポロビール原料開発研究所」とホップを育てる生産農家があります。

今回は、「サッポロビール原料開発研究所」の主任研究員である鯉江弘一朗(こいえ・こういちろう)さんに、北海道でホップが作られるようになった歴史とビールへの想いを聞きました。

「サッポロビール原料開発研究所」でホップの歴史を紐解く

北海道・上富良野町のほぼ中心部にある「サッポロビール原料開発研究所」。主任研究員である鯉江さんは、大学院農学研究科を卒業。1999年4月に入社後、上富良野町でホップの研究開発に携わり、静岡県焼津市にある研究所で品種の研究・開発や、ヨーロッパなどのホップを調達するお仕事をされ、今は上富良野町で研究開発のグループリーダーとして活躍しています。

北海道でホップが生産・研究されるようになった経緯を聞きました。

「北海道では1876(明治9)年に開拓事業の一つとして『開拓使麦酒醸造所』が開業、1877(明治10)年から札幌市でホップの生産がスタートしました。そのころ始まったその他ビール会社とは違って、原料を北海道の畑で生産し工場で製品にする、今でいう“6次産業”のような産業のつながりや広がりを目指してビールやビール原料の生産を始めていたのです」

ところがその後、札幌市では風が強いことが問題になり、ホップ栽培に難航します。そこで北海道内のさまざまな場所で試験したのち、成績が良く着目されたのが上富良野町です。丘の地形であり、その間の谷間は風を防ぐことができ、雨が比較的多くさまざまな作物がよく育つ上富良野町は、潤沢な水が必要なホップ栽培にも最適な地でした。

「1926(大正15)年に事務所を構え、今ある木造の建物を建築しました。今もその当時のままに残っており、『サッポロビール原料開発研究所』として使用しています。内部の大きな梁は今なら手に入らないほどの太さ。立派な建物なのです」と鯉江さん。

こうして、1923(大正12)年に上富良野町でホップの試験栽培が開始されました。来年2023(令和5)年で「サッポロビール」が上富良野町でホップの栽培を始めて100周年になります。

品種によって異なるホップの香りをビールで堪能

鯉江さんにホップを見せていただきました。採れたてを冷凍保存したホップです。

大きさはさまざまですが、松ぼっくりのような形状をしていました。上富良野町で収穫されたホップは、製品によっては生のまま恵庭市にある工場へ運ばれ、ビールとして仕込まれることもあります。

「上富良野町には、4軒のホップ生産者が存在し、5品種のホップを生産しています。ホップの専業生産者や、他の作物も手掛ける兼業の生産者もいます。ホップは土の中の株が3年の年月を経て成年株に成長するため、始めは時間がかかりますね」と鯉江さん。

「サッポロビール」のビールは、ホップを大切に育てる生産者と研究開発を行う研究員が、切磋琢磨した大切なビールなのです。

北海道限定のビール『サッポロ クラシック』には、『リトルスター』というホップが使われています。

北海道で生産された麦芽を一部使用し、副原料を一切使用しない麦芽100%の生ビールは、爽やかな味わいが特徴。

すっきりとしたのど越しは、おいしい食べ物をさらに引き立ててくれる、北海道には欠かせない存在です。

こちらは『ソラチエース』というホップ。1984(昭和59)年に育成されました。とてもフルーティーで、レモンのような柑橘系の香りと、ビールの味わいをイメージさせる香りがミックスされていました。

ホップを真ん中から割いてこすり合わせると、さらに香りが立ち、まるでビールをいただいているかのような香り!

『ソラチエース』は、日本からアメリカへ育種家同士の品種交換によって導入され、栽培が広がり、世界に知られるようになったホップ。

そんな“伝説”ともいわれる『ソラチエース』だけを使って醸造された『SORACHI1984』は、キリリとしたビールの味わいと、フルーティーなレモンの香りが新しさを感じさせる味わい。ずっしりとした飲みごたえで、ビールの味をしっかりと楽しみたい人におすすめです。

サッポロビール100年の歴史が育んできた「他社にはない品質」

国内でのホップの生産は減少してきて、契約栽培をやめてしまったビール会社もあるそう。また、国内でホップの品種開発をしているのは『サッポロビール』だけなんです。

「今は、5品種のホップを生産しています。実際には数百以上のホップ品種をもち、自社で品種開発をしていることが、他社との大きな違いですね」と鯉江さん。

「食品や飲料は、時代が変化しても、根本的な味わいは劇的に変わることは無いものですが、たまに大きな変化が起きることがあります。そんな食品や飲料においては、味わいの違いに加えて、その裏にある原料や商品のストーリーを楽しんでもらうのも良いと思います。また、地元企業ならではの商品開発を続けていますので、北海道のみなさんに楽しんでいただきたいですね。100年の歴史を大切にしながらも常にリノベーションを起こし、長く愛され続けるビールをつくっていきます」

「サッポロビール」で日常に癒しと彩りを

最後に、「仕事終わりのビールが好き」という鯉江さんに、ビールのおいしい飲み方を聞きました。

「缶のままでもグラスに注いでもどちらもおいしいんです。缶のまま飲むことで、のど越しを楽しめますし、グラスに注げば泡も一緒に楽しめます。飲みたいときに飲みたいようにアレンジしてみてください」

 

北海道の大麦とホップが使われた贅沢なビール。長い歴史と共に今も続くホップの研究のストーリーや商品開発への想いをうかがい、「北海道民へおいしさを還元したい」という同社の強い熱意を感じました。

上富良野町の恵みと「サッポロビール」の熱意がこもったビールを、今日も明日も楽しんでくださいね。

Sponsored by サッポロビール株式会社