雪の降る駅で電車を待つ旅行者の女性

えっ、これも方言!? 「自分に積もった雪を落とすこと」なんていう?【北海道弁講座】

2022.10.08

北海道は雪国としても知られており、冬は雪が積もり、辺りが真っ白になる地域も多いです。そんな北海道だからこそ、雪にまつわる方言もたくさんあります。今回は雪が頭や肩にのっている人に伝えたい北海道弁です。

「体についた雪を落とす」こと、なんていう?

北海道では雪が降っても傘を差しません。とても気温が低いので、体にのった雪が溶けず、濡れないためです。そのため雪が降っているなかを歩いていると、体にも雪が積もります。家に帰宅する前や、お店に入る前は、手で体についた雪を落とします。家やお店のなかは、暖房がかなり効いていてあたたかいので、雪が溶けてしまうから。バスや電車など公共交通機関に乗る際にも、雪を落とすのはマナーです。

この“雪を落とす”仕草を表す、北海道弁があります。さて、なんというでしょうか?

正解は、雪を「ほろう」

北海道弁で、体についた雪を手で落とすことを「ほろう」といいます。えっ、「はらう」じゃないの? たしかに北海道弁の「ほろう」は、標準語で「はらう」や「はらい落とす」という意味です。標準語と似ているのですが、微妙に異なります。

雪以外でも「ほろう」を活用。ほこりがついているから「ほろう」、転んでついた土や砂を「ほろう」など、標準語の「はらう」や「はらい落とす」と同じ意味合いで使われます。

雪国である東北地方でも使われる

北海道と同じく、雪が降る東北地方の秋田県や岩手県、山形県でも、「はらう」という意味で「ほろう」という方言が使われています。ほかには「ほろぐ」や「ほろく」という言い方もするようです。

「落としてなくす」という意味も

宮城県や福島県では、「ほろう」という方言はありますが、意味が違うそう。「身につけているものを落としてなくす」という“紛失”の意味なんだとか。「財布ほろった」や「自転車の鍵ほろった」、「イヤホンどっかいった! ほろったのかな~」というように使われるそうです。

「はらう」と「なくす」は、意味としては大きく違いますが、どちらも「落とす」というニュアンスは同じ。意味が派生していったと考えられているそうです。

例文で北海道弁をマスター

それでは「ほろう」の使い方を例文でご紹介します。

<例文1>
「家に入る前に雪はほろってね」

意味)家に入る前に雪は払ってね

<例文2>
「肩にほこりがついているからほろうよ」

意味)肩にほこりがついているから払い落とすよ

 

雪が降る季節にはもちろん、ほかのシチュエーションでも「ほろう」は使えるので、ぜひ北海道弁として気軽に活用してみてください。

【参考】『東北地方の外国人住民のための「くらしの方言集」』作成に向けた語彙・文法事項の使用実態調査 / 斎藤 敬太|武蔵野大学教養教育リサーチセンター紀要

【画像】y.uemura、asu0307、@kazguitar、marchan / PIXTA(ピクスタ)

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