幣舞橋

「幣舞橋」読める?秋に夕日を見に行きたい「北海道の難読観光スポット」

2022.09.06

秋の北海道は過ごしやすく、紅葉も美しく、おいしい味覚も満載でドライブにはぴったりの季節です。北海道の道路は広く、道外から訪れる人からも人気があります。

今回は、秋の夕暮れどきに訪れてほしい観光スポット「幣舞橋」をご紹介します。この漢字、読めますか?

「幣舞橋」ってどこ?なんて読む?

「幣舞橋」は釧路市にある、釧路川にかかる橋です。始まりは1889(明治22)年に架けられた「愛北橋」。年月が経って架け直されるときに、「幣舞橋」という名前に変更されました。札幌市の「豊平橋」、旭川市の「旭橋」と並ぶ“北海道三大名橋”のひとつともいわれています。

夜になるとライトアップされて、街の灯りと共に川に映り、美しい景色を作ります。写真家の間でも人気が高いスポットです。

聞いたことがないと正解するのは難しいでしょうか。さて、なんと読むと思いますか?

正解は「ぬさまいばし」

「幣舞(ぬさまい)」はこの地域の名前で、アイヌ語の「ヌサ・オ・マイ」が語源とされています。アイヌ語の意味は「幣場の・ある・ところ」。

幣場とは、神を祀るための“イナウ”を立てて並べてある、宗教的な儀式を行う場所のことです。“イナウ”は木の皮を削りかけた状態にして房のようにしたもので、日本語では「木幣(もくへい)」と訳されます。

木幣とは、神道でいうところの、神社で祀られていたり、厄払いするときに使われたりする、木と紙で作られた御幣のようなものです。

秋は夕日がきれい

秋は「幣舞橋」から見る、釧路川へと沈んでいく真っ赤な夕日が美しいです。秋は空気が乾燥していて、夕日がよりきれいに見えます。

さらに釧路市の夕日は“グリーンフラッシュ”が見られるのも特徴。グリーンフラッシュとは、日没のとき、太陽を包む光が緑色に見える現象です。秋の風物詩だけでなく、神秘的な情景が見られるのも「幣舞橋」の魅力といえるでしょう。

「幣舞橋」は釧路市を舞台にした小説や歌謡曲の歌詞に出てくるなど、釧路市の文化を彩る、街のシンボルでもあります。釧路市生まれの小説家・桜木紫乃さんの著作『ホテルローヤル』を原作とした映画では、「幣舞橋」もロケ地のひとつになりました。

秋の味覚、自然、温泉を楽しむ釧路・阿寒湖の秋

釧路市の見どころは「幣舞橋」だけではありません。漁業がさかんな釧路市では、秋にサンマや秋鮭、ししゃもなどの海産物が獲れます。

自然豊かな場所として知られているのは、ラムサール条約にも登録されている釧路湿原。季節が変わる秋には、渡り鳥が訪れます。そしてこちらも夕日が見事。あまりにも広大な湿原をオレンジ色に染める夕日も見ていただきたいものです。

そんな釧路湿原の夕日をトロッコ列車で眺める、『くしろ湿原ノロッコ号』もあります。

ドライブの休憩地に「道の駅 阿寒丹頂の里」を訪れてはいかが? さまざまな施設があるので、釧路港で獲れる魚介を食べる、お土産を買う、タンチョウを観察する、美術館で芸術に触れる……などいろんな楽しみ方ができますよ。

自然豊かな場所で、キャンプ場もあります。美しい紅葉と阿寒湖を眺めるのもいいでしょう。日帰りの足湯や温泉もあるので、ドライブで疲れた体を癒やすのにもおすすめです。

釧路市へのドライブでのアクセス

釧路市は北海道の東側に位置し、距離にして札幌市から約300kmもあります。高速道路を使っても4時間以上かかるので、ドライブするなら宿泊がベター。釧路空港まで飛行機で飛び、レンタカーを借りて釧路市内をドライブするのもひとつの手です。

「幣舞橋」は釧路空港から車で30分ほどの距離にあります。近くの駐車場に停めて、秋の夕日を眺めましょう。

 

秋の釧路市は「幣舞橋」だけでなく、味覚や自然など魅力がたくさんあります。秋を楽しみに、ドライブで釧路市を訪れてみてはいかがでしょうか。

【参考】釧路観光コンベンション協会、国土交通省、国立民族学博物館、釧路市、北海道、道の駅 阿寒丹頂の里、環境省、 JR北海道
幣舞橋 / 釧路・阿寒湖観光公式サイト SUPER FANTASTIC
人々を魅了し続けて-北海道三大名橋 / 北海道開発局 開局70年
イナウって何? / 国立民族学博物館 Archives
幣舞橋ライブラリー / 国土交通省 北海道開発局 釧路開発建設部
教えて、くしろ!子ども探検隊! / 広報くしろ11月号
くしろ魅力なび 四季のイチオシ 秋のイチオシ / 北海道 釧路総合振興局
釧路へ行く / 釧路・阿寒湖観光公式サイト SUPER FANTASTIC
道の駅 阿寒丹頂の里
釧路湿原~秋の訪れ~ / 環境省 北海道地方環境事務所 アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
くしろ湿原ノロッコ号 / JR北海道

【画像】りょうちん、genki、川村恵司、ken_aqua、ルートレス、keiphoto、tomoya、CRENTEAR / PIXTA(ピクスタ)