エゾバフンウニ

「蝦夷馬糞海胆」読める?北海道全域で獲れる濃厚な高級食材【難読漢字クイズ】

2022.08.03

北海道にはいろんな味覚があって、どれもおいしいものばかりです。夏が旬のおいしい食材もありますよ。なかには読むのが難しい難読食材もあるようで……。今回はそんな読めたらすごい“夏が旬の北海道の高級食材”をご紹介します。

「蝦夷馬糞海胆」なんて読む?

北海道で夏に食べられる、絶品の高級食材「蝦夷馬糞海胆」は、なんと読むでしょうか? インパクトの強い漢字が使われていますが、正体を知ると納得のはず。ヒントは“海”という漢字が使われていること。濃厚な味と、とろけるような食感がたまらない、あの食材です。

正解は「エゾバフンウニ」

「蝦夷」は「エゾ」という読み方で、“北海道”の昔の呼び名です。「馬糞」も「バフン」とそのままの読み方ですが、食材とはあまり結びつきませんよね。そして「海胆」が「ウニ」。「雲丹」や「海栗」とも書きますが、「エゾバフンウニ」の場合は「海胆」を用いるそうです。また漁業者の間では蝦夷馬糞海胆を「ガンゼ」や「ガゼ」と呼ぶこともあるのだとか。

【もっと詳しく】「海栗」読める?答えは文字そのまま。栗のような北海道名産の海産物【難読漢字クイズ】

北海道全域で獲れる!キタムラサキウニとの違いは?

北海道の海では、ほぼ全域で蝦夷馬糞海胆が獲れます。漁獲時期は渡島で12~9月、石狩・後志で5~8月、宗谷で4~9月、根室で12~6月と、禁漁期を除き一年中、東西南北のどこかで旬のウニが獲れます。

蝦夷馬糞海胆の見た目は、短いトゲに覆われたこんもりとした丸い形をしており、たわしのようです。身は色鮮やかなオレンジ色で、味わいは濃厚。獲れる海にもよりますが、苦みや臭みも少なく食べやすいです。

同じウニでもキタムラサキウニ(北紫海胆)はトゲが長く、いわゆるウニと聞いて想像されやすいのはこちらでしょう。身は蝦夷馬糞海胆と比べると白っぽく、あっさりとした味わいです。

どちらもおいしく、贅沢に食べ比べてみてもいいでしょう。ちなみにキタムラサキウニは漁業者に「ノナ」とも呼ばれています。

昆布を食べた蝦夷馬糞海胆は味が濃厚!

ウニは雑食で、どんなエサを食べるかによって味が変わります。蝦夷馬糞海胆のなかでも、利尻昆布や羅臼昆布を食べて育つものは高級品とされ、格別においしいのだとか。利尻昆布や羅臼昆布は、高級な日本料亭で出汁を取るのにも使われるほど美味なので、ウニもおいしくなるのは納得です。

蝦夷馬糞海胆が獲れる地域のお店でウニ丼を食べられたり、缶詰や塩水パックなどの加工品が販売されたりしています。新鮮な蝦夷馬糞海胆を味わいたいなら直接足を運ぶことをおすすめします。

 

漢字のインパクトの強さと同じくらい、うまみが強くて濃厚な蝦夷馬糞海胆。食べる機会があれば、ぜひじっくり味わってくださいね。

【参考】北海道、公益財団法人知床財団、利尻町
エゾバフンウニ[蝦夷馬糞海胆] / 北海道 水産林務部水産局水産経営課
エゾバフンウニ / 知床世界自然遺産・知床国立公園 知床羅臼ビジターセンター
利尻昆布を食べて育つウニ / 利尻町
利尻漁業協同組合 / 北海道 水産林務部水産局水産経営課
リシリコンブ[利尻昆布] / 北海道 水産林務部水産局水産経営課
キタムラサキウニ[北紫海胆] / 北海道 水産林務部水産局水産経営課

【画像】
bj_sozai、リーボン、yukimco / PIXTA(ピクスタ)
cocone / shutterstock