章魚

「鱆」読める?魚へんでも魚ではない北海道名産の生き物【難読漢字クイズ】

2022.04.26

季節は巡って年度が替わり、筆者もめでたくライター活動1周年を迎えました。いつも記事を読んでいただいている読者の皆様、本当にありがとうございます。

さて、年度が替わりましても平常運転。北海道名産の難読漢字シリーズをお届けします。今回は少しひねくれているかも?

魚へんだけど魚じゃない?「鱆」

今回の問題はこちら。

魚へんの漢字ですが、分類上は魚ではありません。とはいえ水中に生息する生物なので、候補は絞れるかもしれませんね。追加でヒントを出すならば、“軟体動物”です!

分かりましたか? 正解は……

「タコ」でした。

一般的には「蛸」ですが、他にも「鮹」や「章魚」とも表記することがあるそうです。魚へんなのに実は魚ではないだなんで、面白いですよね。

北海道における「鱆」

北海道はタコの水揚量日本一で、とくに“ミズダコ”という種類のタコが、オホーツク・日本海に多く生息しています。ミズダコは道内のタコの水揚量の70%ほどを占めています。

このミズダコというのは、タコ類の中では世界最大級のもので、大きなものだと3m・40kgほどになります。兵庫県明石などで獲られるマダコに比べると、甘みがあってやわらかいのが特徴なんだとか。年間通じて漁獲されているそうです。

最近では鹿部町産のミズダコが有名になってきっており、同町ではふるさと納税の返礼品にもなっています。

北海道の食品としての「鱆」

ミズダコの肉質は水っぽく柔らかいため、生食向けに市場へ出ることは極めて少ないらしく、その大部分は煮ダコや酢ダコに加工されているそうです。

最近では、生のミズダコを冷凍してからスライスし、しゃぶしゃぶで食べる“タコしゃぶ”が人気を集めています。

 

今回は「鱆」を紹介しました。欧米では「Devil Fish」と呼ばれ、タコを食べる文化は意外と少数派だそうです。

たこ焼きやおでんの具としてなじみのある「鱆」。今回ご紹介したもの以外にも様々な食べ方があるそうなので、ぜひ皆様の好きな食べ方を模索してみてくださいね。

【参考】明鏡国語辞典、室蘭市、環境省_せとうちネット、北海道ぎょれん、北海道庁水産林務部水産局水産経営課
明鏡国語辞典「たこ」
室蘭市/魚辺の漢字(解答編)
環境省_せとうちネット:タコ
北海道のたこ / 北海道の魚 / 北海道ぎょれん
ミズダコ[水蛸] – 北海道庁水産林務部水産局水産経営課
【画像】MTV1983、ペイレスイメージズ 2 / PIXTA(ピクスタ)