鱩

「鱩」読める?魚なのに鱗がない。冬が旬の北海道の名産魚

2022.02.20

もはやおなじみになりつつある、北海道名産の難読漢字シリーズ。今回も魚です。

一般的に魚を表す漢字は、魚偏が使われる漢字一字であることが多いですが(たとえば「鮭(さけ)」)、実はそのような魚・漢字は、筆者の記事では紹介していなかったんです。

というわけ、ではないのですが、今回はそのような“魚偏で一文字”の魚を紹介します。もしかしたら、過去一番の難問かも?

ヒントは「雷」

さて、今回の漢字はこちら。

今回は単純に、魚偏に「雷」、という漢字の構成。この「雷」という字が重要そうです。

ヒントは、魚類のなかでは比較的小さめの部類に入るであろう魚です。しかし、今回はさすがにヒントが少なすぎるので追加。かな4文字の魚です。

さて、そろそろ正解発表。

正解は「ハタハタ」でした。一般的には「鰰」、ほかに「雷魚」とも書くそうです。

なぜ「鱩」と表記するのかというと、秋田県におけるハタハタの漁獲時期が雷の多い11月ごろだから、という説があるようです。

また雷神を表す言葉の「霹靂神」は「はたたがみ」と読みますが、これが“ハタハタ”の名前の由来になっているとも。

ハタハタは雷に関係の深い名前といえそうです。

「ハタハタ」ってどんな魚?

ハタハタは、鱗がなく細長い身体で、背びれが2つある白身魚。ビタミンA・ビタミンE・カルシウム・タンパク質などが豊富だといいます。

主な漁獲時期は、北海道の沿岸域で11~12月、北海道の沖では9~10月がピークのようです。

近年では、日本全体の漁獲量の減少に伴って北海道でも大幅な減少傾向にありますが、漁業者自らの手による養殖事業や資源管理への取り組みが各地で行われ、現在では回復傾向が見られるそうです。

「ハタハタ」の主な食べ方

ハタハタは鱗がなく、小骨が少なく、脊椎が身から離れやすいため、一匹まるごとや頭を落とした状態で調理されることが多いです。

北海道ではとくに、大根や人参などの野菜、米、米麹とハタハタなどの魚を何層も重ねて漬ける『飯寿司(いずし)』と呼ばれる発酵食品が有名です。甘酸っぱい、クセのない味わいで、ご飯のおかずや酒の肴として食べられています。

 

というわけで、今回は「鱩」についての記事でした。『飯寿司』は既製品も売られているので、興味のある方はぜひ確認してみてください。

【参考】網走市、北海道日高振興局、地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 、北海道、北海道ぎょれん
海の魚の名前(上級)~回答編~ / 網走市
日高のさかなたち ハタハタ1 / 北海道日高振興局
ハタハタ:はたはた刺し網漁業(日本海) / マリンネット北海道
ハタハタ[鰰] / 北海道 水産林務部 水産経営課
はたはた|北海道のさかな / 北海道ぎょれん 

【画像】ドリームドリーム、rogue / PIXTA(ピクスタ)