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函館で愛されるローカルマガジン「peeps」。函館愛を伝え続けること100冊、編集長の想いとは

2022.03.12

2013年に創刊した函館のローカルマガジン、『peeps hakodate(ピープス函館)』。2022年3月には創刊100号を迎えます。1号発刊から9年の時が経ち、今や函館では知らない人はいないであろう大人気の雑誌となりました。

無料とは思えないようなディープな記事やユニークなトピックなど、読み応えのある充実した内容が人気の秘密です。今回は編集長の吉田智士さんに『peeps hakodate』への想いや“函館”という場所への想いについて、お話を伺いました。

多くの函館人に愛されるローカルマガジン「peeps hakodate」。その魅力は徹底した深堀力

毎月10日に発行される月刊誌『peeps hakodate』。函館の街がつくりあげる文化を題材にし、その背景にいる人々へスポットをあてたローカルマガジンです。

“読み物であること”にとにかくこだわっているため、大変読みごたえがあり多くの地元読者から愛されています。

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peeps hakodate vol.91 出典: 北海道Likers

『peeps hakodate』は、毎月のテーマに沿った読者の投稿や取材記事で構成されています。毎月のテーマは大変ユニークで、思わず手に取ってしまう魅力があります。例えば、「酒と函館の歴史」をテーマにした91号では、“酒”というキーワードをフックに、函館が築き上げてきた歴史や文化を振り返りました。懐かしい時代へのプレイバックに、ノスタルジーを感じた方がどれだけいたことでしょう。

『peeps hakodate』に欠かせないのが、人にフォーカスを当てた記事。誌面作りの要となる人物取材が吉田編集長の腕の見せ所です。インタビュイーの人となりまで深掘りするために、取材の延長と称して呑みの場に誘うことも。「ざっくばらんな雰囲気だからこそ、取材の場では聞くことができなかった、本音を引き出せたこともありました」

”取材する側”と”取材される側”の距離の近さを肌で感じるような、濃密な文章の所以に納得がいきます。

吉田編集長の函館愛!それは幼少期の経験がもとに

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『peeps hakodate』編集長の吉田智士さん 出典: 北海道Likers

生まれも育ちも函館、という“生粋の函館人”の吉田編集長。子どものころから映画館や喫茶店のある函館の歓楽街、”大門地区”で遊ぶのが好きだったそう。なんと小学校低学年の頃から1人で大門地区に足繁く通っていたそうで驚きました。

大門地区に惚れ込んだきっかけは、正月にお父さんと見に行った映画『男はつらいよ』。当時2本立ての上映だったそうで、映画と映画の間に行われた舞台での正月イベントが大変盛り上がり、その雰囲気の虜に。そこからは、たびたび1人バスに乗り、大門地区に通うようになったそうです。

幼い頃から、人と接することが大好きで、物怖じしない性格だったという吉田編集長。「大門地区での小さな”おひとり様“は、いい意味で浮いた存在。喫茶店などでは大人たちに大変かわいがられて、お菓子をごちそうになったり、いろいろな話を聞かせてもらったりと貴重な経験でした」と語ります。

当時を振り返ると、そのときの大門地区にはさまざまなタイプの人や文化が集まっていたといいます。「幼いながらも背伸びしてそのなかに溶け込もうとしていくことで、どんどん愛着がわいていきました」

幼少期の大冒険から育まれた函館、そして大門地区への郷土愛が現在の『peeps hakodate』の誌面にも反映されているのでしょう。

ちなみに現在も映画好きで、有料動画配信サービスをおよそ6つを契約しているほど。「一度はまるととことんはまる、“B型男子”」だそうです。

これからの「peeps hakodate」と函館へかける想いとは

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peeps hakodate vol.99 出典: 北海道Likers

「函館人を一言で表すと“おせっかい“」と表現した吉田編集長。ここにネガティブな意味はほとんどなく、“函館人は世話好き”という意味だそう。「普段の何気ない瞬間にも、そんな世話好きな一面を見せてくれる函館人はとても魅力的」と語ります。

ある日の吉田編集長ご贔屓の某立ち飲み屋さんでのこと。函館在住の常連のお客さんでにぎわうなか、観光客の方が来店すると常連さんたちが率先して地元民ならではのおすすめ情報を紹介しあうことがあったそう。また、あるときは、道外に住む吉田編集長のお知り合いが函館を訪れ、カメラ片手に撮影スポットを探していると、近くを通りがかった老夫婦から話しかけられ事情を話すと、なんと車に乗せておすすめの場所まで連れて行ってくれたというエピソードも。多くの函館人が深い郷土愛を持っていることが伝わってきます。

それは「函館人ではない人にも、“函館を楽しんでほしい”という気持ちが強く表れている証」だと話す吉田編集長。印象的だったのは「函館を訪れた際は、人と人とのつながりから見えてくる函館の本当の魅力を知るためにも、有名観光スポットだけではなく、函館のなにげない街並みを歩いて感じてほしいです」という言葉。

現在、函館では人口の流出が問題になるなど、メディアでよく話題に上がる”魅力度ランキング“とはかけ離れた現実があることも事実です。

それでも『peeps hakodate』を発刊し続けるのは、吉田編集長の強い想いがあるからこそ。こだわりぬいた制作と函館への愛情がたくさん詰まったローカルマガジンは函館内外へ、函館の魅力が伝わるかけはしとなるのかもしれません。

 

『peeps hakodate』を読んだことがある方なら誰もが感じる、作り手からの“函館愛”。今回編集長にお会いして、改めてその愛情の深さをうかがい知ることができました。

『peeps hakodate』は、函館のローカルマガジンですが、函館以外にお住まいの方でも年間購読が可能です。また、バックナンバーも購入可能。函館へ訪れる機会がある方は、ぜひ『peeps hakodate』片手に街を歩いてみてくださいね!

<詳細情報>
■『peeps hakodate(ピープス函館)』
■HP:https://www.hakodate-t.com/peeps (バックナンバーの購入はこちらから)
■facebook:https://www.facebook.com/peeps-hakodate-524169094346350

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