札幌のどまんなかにあるIT企業の屋上で、はちみつが採れる理由
大通公園からほど近く、多くのオフィスワーカーが行き来する中央区役所エリア。その中心にそびえるIT企業の屋上で蜂がせっせと蜂蜜を作っていることは、なかなか(いや、まったく…)知られていません。一体どうして、何のために…?
圧巻!屋上に並ぶ養蜂箱と元気なミツバチ
株式会社恵和ビジネスの本社。プリンスホテルを望むビルの屋上のドアを開けると、目の前に広がる養蜂箱と、元気に飛び回るミツバチ。「え?ここはどこだっけ…」と一瞬驚く光景が広がります。
恵和ビジネスは、札幌で創業60年を迎える企業。システム開発、ビジネスフォーム印刷をはじめ、データ処理に関するサービスをワンストップで提供しています。そんな会社とミツバチ、一体どんな関係があるのでしょうか。
みつばちが飛ぶのは、豊かな街である証拠?
札幌に本社を置き、事業を営むこと60年の恵和ビジネス。長い時間を札幌と歩んでいるだけに、よりよい街づくりに積極的に貢献したいと常々考えていました。
そんな私たちと数年前にご縁があったのが、北海道みつばちプロジェクト 。みつばちの飼育を通じて、街・地域の生態系を考え、自然との共生を考える団体で、都市型養蜂のお手伝いをされています。
「都市型養蜂」。聞き慣れない言葉でしたが、どうやら海外では「ミツバチの飛ぶ街はよい街である」という一説があると知った社長の渡辺。会社として、愛する札幌の街づくりに貢献したいと考えていたこと、そして株主の皆様にお配りするお土産のアイディアを探していたということから「恵和ビジネスの屋上で都市型養蜂を行い、オリジナルのお土産をつくる」プロジェクトはまさに、やらない理由がない状態に。
早速、北海道みつばちプロジェクトのメンバーである有限会社アイズさん(現在は株式会社盤渓ネイチャーズさん)とミツバチの力を借りて、恵和ビジネスの本社屋上での蜂蜜づくりが始まりました。現在は、春から秋にかけて蜂蜜を採取しています。
子どもから大人まで。札幌のいろんな人を巻き込む優しいプロジェクト
色々な方(とミツバチ)の力を借りて採取した蜂蜜。ここから先は、札幌のいろいろな方にバトンを渡して「届ける」工程に移ります。
まず、株主の方や社員に配る瓶の蜂蜜。色鮮やかでぱっと目を引くこのラベルデザインは、発達障がいのあるお子さんに対してアートで発達支援を行うペングアートの皆さんに依頼しています。
カラフルで大胆なデザイン、魅力的ですよね。恵和ビジネスの各会議室にも絵を展示しています。また、近年始めたのは蜂蜜を使ったオリジナルのクラフトビールづくりです。
濃厚で華やかな味わいが特徴の蜂蜜ですが、家での使い方は限られるなあ…と考えていた渡辺に突如降ってきた「ハニーエール」のアイディア。思い立ったが吉日、ということで知り合いの月と太陽ブルーイングの森谷社長に相談したところ、とんとん拍子で話は進み、無事に商品化が決まりました。
樽から注ぐ生ビールは、札幌のお店で一般の方に楽しんでいただくだけではなく、社員総会で全員に振る舞いたいと考えていたのですが、コロナ禍で残念ながら中止に。そのため、保存がきく缶ビールも作りました。
これからも、札幌とともに。
札幌のどまんなかで育つ蜂蜜のお話、いかがでしたか?札幌で長く事業を運営しているとはいえ、BtoB領域がメインであることからなかなか知ってもらえる機会のない私たちですが、実は住みよいまちづくりについて真剣に考え続けています。
これからの連載では、もっと身近に恵和ビジネスを感じていただけるよう、様々な角度からお見せしていきたいと思います。どうぞお付き合いくださいね。
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