帯広競馬場内に展示されているソリ 重量450㎏

サラブレッドの競馬とはここが違う!ばんえい重量から知る「ばんえい競馬」の楽しみ方

2021.12.18

日本ダービーなら2,400m、ばんえい記念なら1トン。

競馬にくわしい方なら、日本ダービーで馬が走る距離は2,400mであることはご存知のことと思いますが、ばんえい記念の1トンとはなんの数字かわかりますか? 答えはばんえい重量、つまり、ばんえい競馬でばん馬の曳くソリの重量なのです。

今回は、ばんえい重量のことを知っているとちょっと楽しく、少しお役に立つかもしれない情報をお伝えします。

毎月ノルマが増えていく!? ばん馬は何kg曳いているの?

ばん馬の曳くソリの重量は、馬の年齢、性別、開催時期、普通競走、特別競走によって異なります。実は毎月のように曳く重さが増えていくんです。

2歳馬は5月のデビュー時にはばんえい重量480kgで出走しますが、開催回数に応じて増量していき、翌年3月の最終開催時には550~580kgを曳きます。3歳、4歳馬も同じように増量して、3月の最終開催時にはばんえい重量660~670kg。

5歳以上の馬や3歳、4歳馬の賞金上位馬は、クラスや開催時期によりばんえい重量600~740kgの間。

特別競走および準重賞競走は、それぞれの重量に20~30kgを増量します。重賞は、重量などについて別に発表があります。

詳細は『帯広市ばんえい競馬番組編成要領』でチェック(ばんえい十勝公式ホームページで見ることができます)!

エベレスト登頂みたいなもの!? ばん馬が登る山の高さ

そして、ばんえい競馬とサラブレッドの競馬の違いといえば、障害ですよね。みなさんは、運動会の障害物競走でどんな競技をしましたか? 網くぐり、平均台などさまざまありますが、ばんえい競馬では、砂におおわれた高さ1.6mの山を越えていきます。そしてこれは、レースの行方を左右する山場でもあります。

ばんえい競馬のレースのなかで最もヘビーなレースをご紹介しましょう。

ばんえい競馬最高峰レース、『ばんえい記念』でばん馬が曳く重量はなんと1トン。過去10年間のなかで勝馬の平均馬齢は約9歳、平均タイムは3分40秒(時速約3.27km)です。2歳でデビューし、7年間歩み、栄光にたどり着くわけです。

プロスキーヤーで登山家の三浦雄一郎氏は、70歳でエベレストに登頂するために、数年、毎日数時間「ヘビーウォーキング」と名付けたトレーニング(背中に10~15kgのウエイトを背負い、左右の足首に1~7kgのウエイトを付けて歩く)をしていました。「この1歩はエベレスト登頂という大きな夢につながる1歩なのだ」三浦氏はこのように考えながら歩いたそうです。

ばんえい重量の増量という課題に対して、馬と関係者は毎日ソリを曳き、わずかな成果を積み重ねる。ばんえい競馬は、いわばエベレスト登頂を目指すような競技ではないでしょうか。

 

ばんえい競馬は、競走年数も長く、出走数も多いことから、お気に入りの馬を見つけて、その馬の少年期、青年期、壮年期と追いかけてみてはいかがでしょうか。たくさんの驚きと成長に出会えるかもしれません。

馬たちが帯広競馬場で待っています。

<施設情報>
■施設名:ばんえい十勝(帯広競馬場)
■住所:北海道帯広市西13条南9丁目
■電話番号: 0155-34-0825
■開催日:土曜・日曜・月曜(年末年始など変則日程もあります)
※レース開催時間などは公式HPをご確認ください
■公式HP:https://banei-keiba.or.jp/

【参考】
令和3年度 帯広市ばんえい競馬番組編成要領 /  ばんえい十勝
『人生はいつも「今から」』三浦雄一郎著(KKロングセラーズ)

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