ローカル線だらけの北海道、ICカードは使える?電車に乗る前に知っておきたいこと
JR東日本の『Suica』、JR東海の『TOICA』、JR西日本の『ICOCA』、『SUGOCA』のJR九州。JR各社が交通系ICカードを導入していますが、JR北海道のものはご存知でしょうか? キュートなエゾモモンガがマスコットの、そう『Kitaca』ですよね。
今回は、道内なのに使えるエリアが限られているという不思議なICカード『Kitaca』で札幌からどこまで行けるのかご紹介します。
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「Kitaca」持ってますか?
みなさん、切符は使っていますか? 全国の鉄道事業者などで交通系ICカードが導入されている昨今、切符を利用する機会もめっきり減ってしまいました。とくに、同じ都府県内の移動など比較的近距離な場合、特別な理由がなければほとんどの場合、ICカードを利用するのではないでしょうか。最近ではICカードのみで新幹線に乗車できてしまうサービスが開始されるなど、我々現代人の生活に交通系ICカードは欠かせないものとなっています。
もちろん北海道でも『Kitaca』と呼ばれる交通系ICカードが運用されており、『Suica』や『ICOCA』といった他社のICカードを相互利用することも可能です。ということで早速、筆者が居住している北海道の網走市からお隣の北見市まで『Kitaca』を利用して行ってみたいと思います!
……早速駅に到着しましたが、『Kitaca』をタッチできる自動改札機がありません。そうなんです、網走駅では『Kitaca』をはじめとする交通系ICカードを使用できません。それじゃあ『Kitaca』はどこで使えるのかというと、北海道では札幌圏の限られた区間でのみ使用できるのです。
札幌圏だけでも意外と困らない?
こちらがJR北海道の交通系ICカード使用可能エリアです。札幌圏に住んでいる方にとっては意外と不便ではなさそうです。札幌一極集中が加速度的に進む北海道で、このエリア内から日常的に出る方はなかなかいないのが現実でしょうし、札幌圏の主要エリアはあらかたカバーされています。
普段、東京や大阪などで暮らしている方にとっては「同じ都道府県内なのにICカードが使えない場所があるなんて不便!」と思ってしまうかもしれませんが、北海道ほどの面積になるとそうは言っていられません。たとえば網走駅から札幌駅まで鉄道で移動する場合、東海道本線の東京~名古屋間(約366km)と同じくらいの距離です。
鉄道利用者が多くはない北海道で、前述したような広大なエリアに交通系ICカード対応の改札機を導入するのは相当のコストがかかりそうです。広大な北海道に暮らしている筆者としては、札幌から網走までの鉄道路線があるだけでも素晴らしいことだと感じています。
観光の場合は要注意!
ここで注意したいのが、観光で北海道を訪れた場合です。新千歳空港駅は交通系ICカードに対応しているので問題ありませんが、そこから寄り道せず対応エリア外に向かってしまうこともあり得ますよね。旭川駅に直行したり小樽をスルーして余市駅に向かったり……基本的にエリア外の駅には交通系ICカードに対応した改札機が設置されていないので、駅から出場できません。未然に防ぐべきことではありますが、起こってしまったら駅員さんに相談しましょう。また、札幌駅からエリア外へ向かう際にいつもの癖でカードを“ピッ”としないように気を付けましょうね。
北海道の鉄道は、無人駅やワンマン列車、交通系ICカードのエリアなどイレギュラーな状況が多々あります。最初は少し不安ですが、そんな非日常を体験してみるのも旅の醍醐味ですよ。
【参考】きっぷのご案内 / JR北海道
【画像】GlobeDesign、GlobeDesign / PIXTA(ピクスタ)