記者会見

堀江貴文氏「数えきれない努力があった」TENGAロケット成功のIST、ロケット商業化へ

インターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道大樹町。以下、IST株式会社)は2021年7月31日(土)17時、株式会社TENGA(本社:東京都港区。以下、TENGA)と共同プロジェクトとして進めてきた『TENGAロケット』の打上げに成功しました。打上げから3分後の17時3分に最高高度92km(速報値)に到達。IST株式会社としては2021年7月3日(土)に打ち上げられた『ねじのロケット』に続き3度目の宇宙到達、ひと月に2度の打上げ成功となりました。

今回はTENGAが初の単独スポンサーとなり、国内の民間初となる“宇宙空間へのペイロード(荷物)放出と回収”、機体内部からのライブ配信にも挑戦し成功しました。

⇒記者会見全文はこちら

「実力を発揮できた」TENGAロケットミッション成功

今回『TENGAロケット』が掲げたミッションは3つ。「MISSION①1000人の想い、愛と自由の願いを宇宙へ」にてメッセージPODの放出ミッション、「MISSION②TENGAロボの宇宙到達と地球への帰還」にて『TENGAロボ』の放出と回収ミッション、「MISSION③宇宙用TENGAの開発」では、データ計測用のTENGAの宇宙空間における、TENGA内部の温度や圧力などのデータ収集ミッションです。

コックピット内

コックピット内の『TENGAロボ』 出典: インターステラテクノロジズ株式会社

さらに国内民間初となる機内の映像データのライブ配信も行いました。機体はIST株式会社が独自で開発・製造を行いMOMOシリーズの改良型『MOMO v1』。『ねじのロケット』に続く打ち上げに期待が寄せられていました。

ペイロード放出

『TENGAロボ』放出の様子 出典: インターステラテクノロジズ株式会社

今回の打上げでは、3つすべてのミッションに成功。IST株式会社 代表取締役社長 稲川貴大氏は、「今回のミッションはMOMOロケットとしても非常に大きなチャレンジだった。宇宙空間でモノを動かし、データを送受信するということは非常に難しいこと。回収のミッションは、航空機や船など多方面の協力が必要なので、人を動かすという面でもチャレンジングだったがうまくいった」とミッションの難易度に言及。「ほかの観測ロケットが課題としている映像のような大容量データ活用の実証ができたという意味で『MOMO v1』の実力を発揮できた」と胸を張りました。

宇宙から帰還したTENGAロボ

回収された『TENGAロボ』 出典: インターステラテクノロジズ株式会社

『宇宙用TENGA』のデータ収集ミッションについて株式会社TENGA 代表取締役社長 松本光一氏は、「いつかTENGAをNASAで採用してほしいと考えていた。貴重なデータをとることができたのでこれからの『宇宙用TENGA』の開発にしっかり生かしていきたい」と今後を見据えました。

ものづくりに共鳴した堀江氏と松本氏

IST株式会社ファウンダーの堀江貴文氏は「ロンドンブーツ1号2号の(田村)淳さんの番組で松本さんと共演したときに『ロケット飛ばしませんか?』というお話をして、ものづくりに想いがある同士とんとん拍子に話が進んだ」とプロジェクト発足時を振り返るとともに、「松本さんが非常にこだわりをもってつくられているので内心ドキドキしていたが成功してよかった。数えきれないくらいの努力の積み重ねがこの結果を生んだ」と心境を語りました。

松本氏は「想いがモノをつくって、想いが現実をつくって、想いが未来をつくります。想いを持つこと、好きなことをつづけること、本当に大切だと思っています。これからもTENGAは愛と自由へのチャレンジを続けていきます」とものづくりへの熱い想いを語りました。

成功率100%!ロケット商業化に向けて

今年の夏に打ち上げられた『ねじのロケット』『TENGAロケット』2機の連続成功は、IST株式会社の観測ロケット『MOMO v1』シリーズの成功率100%を意味しています。宇宙空間に到達した国内民間唯一のロケットとして、高い信頼を得たといえるでしょう。

稲川氏は今回の成功をうけ、「ロケット打上げ実験・実証という段階からロケット活用の時代に大きく変わっていく」、「観測ロケットとして科学利用、広告PR、そしてブランディングなど新たな市場を開拓できる」と本格的な商業利用に向けて動き出すことを明らかにしました。

今夏の打ち上げにむけて、改良を重ねてきたIST株式会社。商業化にむけた新工場の設立や組み立て作業の効率化、射場のレベルアップが結果に表れているといいます。稲川氏は、2021年4月から本格始動している「北海道スペースポート(HOSPO)」について、「2度目の打ち上げ成功ということで『HOSPO』の計画も大きく前進する」と述べています。

⇒記者会見全文はこちら

 

北海道の宇宙産業における大きな一歩となった『TENGAロケット』の打上げ。今後もIST株式会社の挑戦に要注目です。

【画像】インターステラテクノロジズ株式会社

⇒こんな記事も読まれています

大樹町から今夏2度目のロケット発射成功!「TENGAロケット」打上げに密着

インターステラテクノロジズ株式会社「TENGAロケット」成功!打上げ実施後記者会見(全文)

キーマンが数々登壇!宇宙産業を熱く語る「北海道宇宙サミット2021」8月開催決定