発射

大樹町から今夏2度目のロケット発射成功!「TENGAロケット」打上げに密着

2021.08.02

2021年7月31日(土)、インターテクノロジズ株式会社(以下、IST株式会社)と、株式会社TENGAが共同開発した『TENGAロケット』の打ち上げが成功しました! 国内民間初、ペイロード(=荷物、今回は『TENGAロボ』)放出と回収のミッションもクリア! 筆者は、その準備作業から成功に至るまで密着しました。

「TENGAロケット」前日の機体移動作業

まずは、打ち上げ前日“機体移動作業”。整備庫から発射地点までロケットを運ぶ貴重なシーンです。整備庫のシャッターがゆっくりと開く様子に緊張が走ります。

いよいよ機体のお披露目! 色鮮やかな赤い機体に、つい見惚れてしまいます。

フォークリフトが全長10.1メートルの機体を、10分ほどかけて発射地点まで運びます。

移動作業で難しいのは、フォークリフトが機体を定位置まで押す作業とのこと。数センチのくるいもなく移動式発射台に乗せるのは至難のわざなのです。

打ち上げ実施責任者は、『TENGAロケット』打ち上げの意気込みについて、次のように語ります。

「今回はペイロードというミッションが加わり、細々とした最終調整まで気を抜けませんでした。技術的には問題なくテストもクリアし、成功する自信があります。あとは天候次第ですね。ペイロード(の放出と回収)を成功させるためには、上空の天候条件に加えて“海の状態”が非常に重要です。31日の夕方以外は天候がよくない予報なので、ピンポイントで絶対に打ち上げたいです」

「TENGAロケット」当日の機体立ち上げ作業

いよいよロケット打ち上げ当日。“機体立ち上げ作業”を取材しました。帯広は悪天候が続いていましたが、久々の晴天。運が味方してくれたのでしょう!

ゆっくりと『TENGAロケット』の機体が立ち上がります。

太陽の光が艶やかな機体を照らし「愛と自由とTENGA」の文字の白さを一層引き立てます。

その様子を、株式会社TENGA代表・松本光一さんは真剣な眼差しで見つめます。おそらく「最高の打上げにしたい」という興奮と緊張からでしょう、肩にグッと力が入り、こぶしを握り締める姿を見ました。

『TENGAロケット』の周りを囲むように設置されているのは射場看板。そこには、大樹町小学校の生徒らからの寄せ書きがありました。いかにIST株式会社は地域に密着し、愛されているかがわかりますね。

稲川さん、松本さんインタビュー

肩を組むTENGA株式会社 松本さん(写真左)とIST株式会社 稲川さん 出典: 北海道Likers

IST社代表・稲川さん、株式会社TENGA代表・松本光一さんは、『TENGAロケット』への想いを語りました。

「今回は、お客様の荷物を運ぶ“商業ベース”と、ペイロード(の放出と回収)という“技術的な進化”を合わせた機体です。機体の準備状況はバッチリです。上空の天候状態を慎重に確認しながらベストなタイミングで打ち上げたいですね」と稲川さん。

松本さんは「僕はロケットが大好きです! ものをつくる繊細さ、ものに対する情熱、チームワーク。思っていたより10倍以上準備が大変でしたが、『TENGAロケット』は美しさのかたまりだと思います」と今までの準備を振り返りました。

今夏2機目「TENGAロケット」打ち上げ成功!

2021年7月31日(土)17時『TENGAロケット』は打ち上げ成功しました!

どこまでも広がる大地に青い空。機体は離昇後、轟音とともにゆっくり上昇。どんどん小さくなっていく炎をずっと目で追うと、白煙を残して消えていきました。打ち上げ成功が伝わると、見守っていた関係者からは大きな歓声があがり感無量!

翌日8月1日(日)打ち上げ予備日は雨でした。もし前日17時に打ち上がらなかったらと考えると心配になります。そして7月31日は松本さんのお誕生日。持って生まれた強運の持ち主ですね!

「TENGAロケット」3つのミッション結果

今回の『TENGAロケット』には3つのミッションがありました。

1つ目は、1,000人の想いをこめたTENGA型メッセージポッドの放出ミッション、2つ目は、ロケットに搭乗した『TENGAロボ』の放出と回収ミッション、そして3つ目は『宇宙用TENGA』の開発に向けたデータ計測です。

以下の通り、そのミッションはすべて成功!

①1,000人の想いが宇宙に届きました!

②ペイロードの放出・回収が成功しました!

③『宇宙用TENGA』開発用のデータを計測できました!

 

今夏2機同時に打ち上げが成功したことで、IST株式会社は、“量産化”の土台と、“信頼性”を確かなものにしたようです。

筆者は、打上げ実施後記者会見で松本さんが述べられていた「想いがものを作り、想いが現実を作り、想いが未来を作ります」という言葉に、大人になって忘れていた冒険心をくすぐられました。

【画像】インターテクノロジズ株式会社

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