部屋のベッド

村上春樹作品の舞台で幻想的なステイを。草原に佇むセンスあふれる小さなホテル

2021.03.15

北海道北部の静かな町、美深町。言わずと知れたこの町は、村上春樹の小説『羊をめぐる冒険』の舞台のモデルとされています。

その草原の真ん中にぽつんと佇む小さなホテル、その名も『TOURIST HOME & LIBRARY 青い星通信社』。石レンガ積みの外観と、青い壁につつまれた内装、そしてオーナーさんとの心の通ったおしゃべり。あふれる魅力に、きっと心躍るはずです。

洗練された内装に目が釘付け

重みのある木の扉を開けて中に入ると、広々とした空間が広がります。エントランス兼書斎兼ダイニングルームのような場所です。目を引く青い壁と、スタイリッシュな木製の家具、そしてたくさんの書籍に囲まれて、「こんな家に住んでみたい」というまさにそれ。

ゲストルームは3室で、お部屋には「水脈(みお)」「火影(ほかげ)」「風笛(かざぶえ)」という名前が付いています。それぞれ間取りやインテリアが異なり、シーンに合わせて選択できます。

筆者が泊ったのは「水脈」というツインのお部屋。ベッド2つとソファ、シャワーユニット、トイレ、洗面台が備えられています。もちろん、テレビはありません。

ベッド上の読書灯が魅力的で、部屋の灯りを消した後も、思う存分読書を楽しむことができます。持参した本を読むもよし、書斎で借りた本を読むもよし。何もせずもの思いにふけるのもよしです。「せっかく美深まで来て!?」と思う方もいるかもしれませんが、「何もやることがない」という極上の贅沢は、ここに来たからこそ味わえるもの。ぜひ堪能してください。

その土地の食材を生かした、飾らない美味しさ

広々とした空間で、一品一品運ばれてくるお料理は、丁寧で贅沢で特別な家庭料理といったところでしょうか。美深町の蜂蜜を使ったお料理や、玉ねぎをまるごと煮込んだスープなど、工夫されたメニューがそれも絶品。この日のメインディッシュは、細かなメンチの食べ応えたっぷりなハンバーグでした。

朝は、夜の食事とはまた違った魅力がありました。テーブル横の大きな窓から入る朝の光と、自家製パンの良い香りにつつまれた空間で食べる朝ごはんは想像を絶する美味しさ。オーナーさんとのゆったりしたおしゃべりも、どれも本当に心地良かったです。

 

静けさの中で、ゆったりと本を読み、もの思いにふける。幻想的でありながら、どこか日常を感じる、そんな宿泊体験を少しでも感じていただけたら幸いです。

気軽に足を運べる場所ではありませんが、北海道の奥深さを肌で感じられる場所です。「美深町」という名前が、この土地の雰囲気や魅力を物語っているのではないでしょうか。

<施設詳細>

■名称:TOURIST HOME & LIBRARY 青い星通信社
■住所:北海道中川郡美深町紋穂内108番地
■公式HP:http://aoihoshi.co.jp/

【参考】青い星通信社公式ホームページ