【北海道に住んで驚いた】北海道の赤飯はスイーツ?入っているのは小豆じゃなかった
道外出身の人々からすれば赤飯が甘いなんて考えられませんよね。
ところが北海道の赤飯は甘いのです。なぜなら“甘納豆”を使用しているから。
今回は北海道独自の赤飯文化に迫っていきましょう!
赤飯だけど、おやつにしたい
多くの方が赤飯=小豆をイメージするでしょう。ゴマ塩を振りかけて、もちもち食感と塩味を楽しむ。
実をいうと筆者は小豆のボソボソ感があまり好みではありません。
道外出身の筆者は、赤飯を食べながら「これが小豆じゃなくて甘納豆だったらなぁ」と思っていたところ、ありました! 甘納豆の赤飯が!
北海道の赤飯は小豆ではなく“甘納豆”を使うそうで、なんとコンビニエンスストアやスーパーマーケットでも赤飯といえば甘納豆。
パッケージにもでかでかと“甘納豆の赤飯”の文字。人生初のカルチャーショックです。
さっそく食べてみます。親切にもパッケージに「温めておいしい」と書かれていたのでレンジでチン。もち米のモチモチ感に拍車がかかります。
それにしても甘納豆の存在感がすごい。小豆のサイズ感に慣れていたので違和感しかありません。ご飯は慣れ親しんだ赤飯。中心部の甘納豆エリアを食べ進めます。
「……うまい!」。甘納豆の程よい甘さと赤飯の塩味が絶妙なバランス。チョコレート×ポテトチップスの組み合わせに似た心地よさ。味の黒船来航、味の文明開化、味の北海道新幹線……。それっぽい言葉をいくつ並べても足りません。
道民はこれを主食におかずを食べると聞きましたが、私としては3時のおやつにいただきたい。そんな、スイーツとしても成立するご当地グルメです。
もちろん、小豆の赤飯が苦手な人にもおすすめの逸品。
母の愛情から生まれたアイデアレシピ
いったいなぜ北海道では赤飯に甘納豆を使用するのか。
そこには母の愛情がありました。
時は昭和20年代後半、札幌にある学校法人光塩学園の創設者南部明子氏により「忙しいお母さんが手軽に赤飯を作れるように」と調理に手間のかかる小豆ではなく既に調理済みの甘納豆を使用することが考案されました。そこには自身も働く母であったため、「子どもたちの喜ぶものを食べさせてあげたい」という想いもありました。
その後、南部氏は道内各地で講演会を行い、その際に甘納豆の赤飯レシピを紹介したところ人気を博し、全道へと広まり現在まで食文化として定着したのです。
母の愛情と時短レシピ。意外な出自に驚きですが、なんだか温かい気持ちになりますね。
北海道を訪れた際は朝食にも、夕食にもそしておやつでも“甘納豆の赤飯”はいかがでしょうか。
【画像】kuro3 / PIXTA(ピクスタ)