ごんべえアイキャッチ

時間無制限で贅沢すぎる食べ放題!? 石狩の農園にしかない「幻のさくらんぼ」とは

「さくらんぼをお腹いっぱい食べたい。できれば安くて、さまざまな品種が味わえるなら言うことなし!」

石狩市浜益地区にある「さくらんぼの善盛園(ぜんせいえん、以下、善盛園)」は、そんなワガママを叶えてくれる農園です。

スーパーなどで販売されていない品種が多いほか、ここでしか味わえない幻のさくらんぼも味わうことができます。時間無制限のさくらんぼ食べ放題を楽しんできました。

約140年の歴史を持つ「善盛園」

「善盛園」は、石狩市浜益地区(旧浜益村)にある農園です。浜益村では、かつて開拓使が明治10年にりんごやすもも、さくらんぼなどの苗木を無償で配るなど、古くから果実などの栽培が行われていました。

「善盛園」は、初代が140年以上前に秋田県から浜益に入植し、半農半漁から果実づくりを始めました。

現在は5代目となる渡辺善之さんがオーナーで、6代目が父親と共に汗を流して働いています。渡辺家は、男子が生まれると名前に「善」の字を取り入れるのが習わしだそう。6代目にもしっかりと「善」の字が受け継がれています。

時間無制限さくらんぼ食べ放題「善盛園」

「善盛園」のさくらんぼ狩りは、時間無制限で1,000円ポッキリという神価格。6月下旬~8月上旬にかけて5種類以上の品種を味わえます。さくらんぼの種類は世界中で1,000種類以上と言われ、国内だけでも100種類を数えるとか。

しかし、スーパーなどで販売されているのは『佐藤錦』や『水門』、『南陽』くらい。それだけ種類がありながら市場に出回らないのは、実が柔らかく輸送中に傷んでしまうなどの理由で、産地でしか消費されない品種も多いからです。

ここでしか食べられない幻の品種「ごんべえ」

「善盛園」の代名詞と呼べる『ごんべえ』は、そんな幻の品種の一つです。小粒ながら甘みが強く、どれだけ食べても飽きが来ません。しかも「善盛園」でしか栽培していない品種だというから驚きです。

『佐藤錦』が佐藤栄助翁の情熱によって誕生したように、『ごんべえ』もまた、渡辺家の誰かによって品種開発されたのかと思いきや、習わしである「善」の字が入っていません。

「『ごんべえ』は、3代目がどこからか苗木を手に入れて、ひっそりと育てられていました。4代目が“このさくらんぼはなんだ”と存在に気づき、いろいろと調べましたが、入手経路や品種が分からず、名無しの権兵衛から『ごんべえ』と呼ばれるようになりました」と、渡辺さん。

見た目や味は『佐藤錦』に近いですが、『ごんべえ』のほうが実が柔らかく、甘さが強いのが特徴です。

その後もルーツが調べられましたが、詳しいことは分からず。“ミステリアスなさくらんぼ”として扱われています。

スーパーでは見かけない希少な品種がいっぱい

園内には、スーパーでは見かけない品種もたくさん。訪問した時に食べごろを迎えていた、あまり市場に出回らない品種を紹介します。

紅秀峰

平成3年に登録された新しい品種です。『佐藤錦』に比べて大粒で、果肉が硬く歯応えがあり、酸味が少なく糖度が高いのが特徴。「善盛園」には数本だけ植えられています。

紅てまり

大粒で果汁が豊富。甘味と適度な酸味が味わえます。果皮、果肉ともに硬めでしっかりしているので、持ち帰りに選ぶとよいでしょう。こちらも数本だけ植えられています。

その名の通り、スイーツのように甘味が濃い品種です。皮が柔らかく、持ち帰りにはあまり適していません。園内で食べるのがおすすめです。

「善盛園」をまるごと楽しもう!

自称“「善盛園」を知り尽くしている男”が、「善盛園」の楽しみ方をお教えします。

さくらんぼは、陽あたりのいい場所から熟します。日光が当たりやすい場所や、脚立を使っててっぺん近くのさくらんぼを食べてください。また同じ品種でも、木によって味が異なります。園内を歩きながら、美味しい木を見つけてください。

「善盛園」では、木に品種名を記しています。さまざまな品種があるので、まんべんなく味わいましょう。あまり知られていなかったり、品種名がついていなかったりする木も要チェックです。思わぬ発見があるかもしれませんよ。

高級なさくらんぼをお腹いっぱい食べられるチャンスは、そう多くありません。気に入った品種は、10粒くらい豪快に口に入れるのが食べ放題の醍醐味。果汁が口いっぱいに広がり、至福の時が訪れます。

食べ飽きた時は、ブレンドに挑戦してください。さくらんぼは“メチャクチャ甘い”、“ほどよく甘い”、“甘さのなかに酸味を感じる”など、品種によって味が異なります。

肉厚な『南陽』と柔らかくて甘い『蜜』を一緒に食べると、それぞれのよさがミックスされます。品種や分量など組み合わせによってテイストは無限大。理想の味を求めて食べ続けてしまうことでしょう。

 

さくらんぼの時期は8月上旬まで。ビニールハウスに覆われている木もあるので、雨天でも楽しめます。天候によっては早く時期が終わることもあります。

さあ、美味しいさくらんぼを求めて、すぐに出かけましょう。

<施設情報>
■さくらんぼの善盛園
■住所:北海道石狩市浜益区幌403-1
■電話番号:0133-79-3210
■営業時間:8~17時 ※開園期間は公式SNSをご確認ください
■ホームページ:http://www13.plala.or.jp/zenseien/index.html
■Facebook:https://ja-jp.facebook.com/Sakuranbonozenseien

【参考】浜益の果樹栽培|石狩ファイル / 石狩市さくらんぼ「佐藤錦」誕生秘話 / 有限会社 佐藤錦

*2023.07.18・・・記事内容に一部誤りがありましたので、修正いたしました。

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