函館山雲海夜景

初夏に楽しめるレアな絶景。6~7月の北海道で見られるこの現象、なんと呼ぶ?

2023.06.19

梅雨がなく、暑さも厳しくない北海道の初夏は過ごしやすく、観光や旅行を存分に楽しめる時期です。そんな6~7月ごろの北海道で見られる、とある気象現象があります。

道外の人でも知っている有名なスポットで見られるものなのですが……。まずは、写真をご覧ください。

この現象、なんと呼ぶ?

函館のくびれた地形がくっきりと出るのが特徴の、函館山の夜景です。ただ、はっきりと見えず、ぼんやりとくもっていますよね。加工ではなく、気象現象によるものです。きらめく夜景がより幻想的でロマンチックに見えますよね。

さて、この現象をなんと呼ぶでしょうか?

正解は『霧夜景』

くもっているように見えるのは“霧”で、夜景に重なることから『霧夜景』と呼ばれています。とても美しいですよね。

初夏の函館は街にも霧が広がります。霧が立ちこめて視界が悪く、夜景が見られないこともあるほど。霧がかかりながら夜景も見られるのはレアな光景なのです。

美しい夜景が見られる函館山の展望台へは、ロープウェイが運行しています。「函館山ロープウェイ」の公式サイトでは、函館山山頂の視界状況をライブカメラで配信。霧夜景を見たいときは、ライブカメラで霧の状況を確認してから向かうとよいでしょう。

函館山の海霧や雲海も美しい

函館では夜だけでなく、昼間にも霧の美しい光景が見られます。朝や昼間は南からのあたたかい空気が北海道付近の海水で冷やされて、海の上を雲のようにおおう“海霧”が発生。海面近くに霧がとどまり、夢想的な光景を作ります。

海霧が山影にたまると“雲海”になります。函館山から見ると、雲海で覆われた街が隠れてしまい、おとぎ話の世界に紛れ込んだように。雲海は初夏だけでなく4~8月ごろに発生しますが、それでも見られるのはレアです。

夜景が見られる函館山の山頂からは、夕日の染まる雲海も見られます。夕日が沈むのは、夜景で見る市街地とは反対側の函館湾の方角。海の上に雲海が立ちこめて、晴れた日は雲海を赤く染めながら夕日が沈んでいきます。運がよければ、そのまま「霧夜景」が見られることも。

霧で見えないときは「裏夜景」

タイミングが合えば見られるかもしれない『霧夜景』ですが、霧で夜景そのものが見られないともったいないですよね。そういうときは「裏夜景」を見にいきましょう。霧が発生しにくく、定番とは違った夜景を見られます。

函館山から市街地を眺めるのが、一般的にもよく知られている 『表夜景』。 『裏夜景』は、向かいの山々から函館山のほうを見ます。

函館市内で『裏夜景』が見られるスポットは、「北海道立 道南四季の杜公園」。津軽海峡や函館市街地が見えます。7月や8月には『裏夜景』を臨む花火大会も催されているようです。

函館から車で30分ほどの距離にある『裏夜景』スポットが、七飯町の「城岱(しろたい)牧場」。牧場とだけあって、昼間は放牧されている牛がのんびりしている姿を見られます。南側に函館山が見える「城岱牧場」の夜景は『七つ星夜景』とも呼ばれており、知る人ぞ知るスポットです。

函館から車で約50分、JRの新函館北斗駅からは車で15分ほどにある『裏夜景』スポットが、北斗市の「きじひき高原」。津軽海峡や函館山、大沼、駒ヶ岳などの絶景を一望できます。多くの『裏夜景』スポットは冬季休業していることが多いため、ぜひ夏の間に見にいってみてください。

 

自然から生まれる霧と、人が作り出した夜景の美しいコラボレーションである「霧夜景」。初夏に函館を訪れる機会があれば、ぜひ見られるチャンスを狙ってみてくださいね。

<スポット情報>
■函館山ロープウェイ
■住所:北海道函館市元町19-7
■運賃:
【普通運賃】大人(中学生以上):往復1,800円・片道1,200円、小人:往復900円・片道600円
【団体運賃(15人様以上)】大人:往復1,650円・片道1,100円、小人:往復850円・片道550円
【身体・知的・精神障がい者運賃(手帳提示・現金購入時)】大人:往復1,000円・片道700円、小人:往復500円・片道350円
■アクセス:函館駅から車で約10分

■北海道立 道南四季の杜公園
■住所:北海道函館市亀田中野町199-2
■開園時間:9~17時(野原の丘のみ10~16時)
■定休日:年末年始
■駐車場:約700台(無料)
■アクセス:函館駅からバスで約50分

■城岱牧場
■住所:北海道亀田郡七飯町上藤城564
■営業時間:10~16時(5月中旬~10月中旬)
■定休日:10月下旬~5月上旬
■駐車場:約30台(無料)
■アクセス:函館駅から車で約30分

■きじひき高原(パノラマ展望台)
■住所:北海道北斗市村山174
■営業時間:8時30分~20時
■定休日:11月上旬~4月下旬
■駐車場:30台(無料)
■アクセス:函館駅から車で約50分

【参考】函館市観光部観光誘致課、函館山ロープウェイ株式会社、函館新聞、北海道立道南四季の杜公園、北海道七飯町、北海道北斗市、国土交通省 北海道開発局、公益社団法人日本都市計画学会
函館山の初夏の楽しみ 幻想的な「霧夜景」 / 函館市観光部観光誘致課 函館市公式観光情報 はこぶら
函館山ロープウェイ株式会社
街を覆う初夏の絶景、函館山の「雲海」 / 函館市観光部観光誘致課 函館市公式観光情報 はこぶら
初夏の道南の風物詩「海霧」西部地区を覆う / 函館新聞
公園のご案内 / 北海道立道南四季の杜公園
イベント情報(予定) / 北海道立道南四季の杜公園
公園へのアクセス / 北海道立道南四季の杜公園
城岱牧場・城岱スカイライン / 北海道七飯町
城岱牧場(管理棟展望台) / 函館市観光部観光誘致課 函館市公式観光情報 はこぶら
きじひき高原 / 北海道北斗市
きじひき高原パノラマ眺望台駐車場(北斗市) / 国土交通省 北海道開発局
街灯りと函館山の競演 「裏夜景」を楽しむ / 函館市観光部観光誘致課 函館市公式観光情報 はこぶら
32. 都市夜景の俯瞰景に関する計量分析 – 函館市を対象として – / (社)日本都市計画学会 都市計画論文集 No. 39-3 2004年10月 渋谷敬一・小林隆史・大澤義明

【画像】makorige、Road17、chrono_chrono、snowlemon、higuyan、mayu-dama、kotaRo、Den_chan / PIXTA(ピクスタ)

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