鮭のちゃんちゃん焼き

【北海道の郷土料理】ちゃんちゃん焼きの「ちゃんちゃん」って何?

2022.10.06

北海道で獲れる鮭を使った郷土料理「ちゃんちゃん焼き」は、道産子にとってふるさとの味のひとつですよね。そんな道産子が一度は気になったことがあるはず……「ちゃんちゃん焼きの、“ちゃんちゃん”ってなに?」と。そんな「ちゃんちゃん焼き」の言葉の意味やルーツについてご紹介します。

「ちゃんちゃん焼き」ってどんな料理?

「ちゃんちゃん焼き」は北海道の郷土料理。鮭に季節の野菜を合わせてバターをのせ、鉄板で蒸し焼きにし、味噌や醤油、みりん、酒といった調味料で味つけして作られます。北海道の家庭でもよく食べられている料理です。

発祥は昭和初期の石狩地方。漁師たちが釣った鮭をドラム缶で作った鉄板で焼いて食べたのが始まりとされています。北海道で鮭が獲れるのは秋から冬ごろだったため、昔は寒い時期に食べられていました。

今では、北海道だけでなく全国で、そして季節を問わず食べられます。道産子である筆者が小学生のころ、学校の給食にも「ちゃんちゃん焼き」のメニューがありました。

そして、なぜ「ちゃんちゃん」という名前がつけられているのでしょうか。由来にはいくつか説があるようです。

「ちゃんちゃん」の由来1:ちゃちゃっと作れる

「ちゃんちゃん焼き」の作り方は説明したとおり、“鮭と野菜にバターをのせて蒸し焼きにして、調味料を合わせるだけ”といたって簡単。“ちゃちゃっと”作れるので、「ちゃんちゃん焼き」というのではないかという説があります。

「ちゃんちゃん」の由来2:お父ちゃんが作る

「ちゃんちゃん焼き」は“お父ちゃんが作る”から、という説も。先ほども解説したように、「ちゃんちゃん焼き」は漁師が作ったのが発祥とされており、「ちゃんちゃん焼き」を作る“お父ちゃん”は漁師を指しているのでしょう。

「ちゃんちゃん」の由来3:鉄板とヘラがちゃんちゃん

「ちゃんちゃん焼き」は鉄板とヘラを使って、豪快に焼きます。そんな鉄板とヘラがあたったときに「ちゃんちゃん」と音を立てるから「ちゃんちゃん焼き」という説も。

3つの説、あなたはどれにピンときましたか?

現代的なアレンジでもっとおいしく!

今や「ちゃんちゃん焼き」はいろんなアレンジが楽しまれています。基本的には鮭の3枚おろしで作りますが、家庭では切り身が調理しやすく、食べやすいです。

鮭ではなく、違う魚で作る「ちゃんちゃん焼き」もあります。たとえばアジやホッケなど。同じ野菜や調味料でも、魚が違うとまったく違うおいしさを味わえます。

野菜はキャベツや玉ねぎ、にんじん、ピーマン、もやしなどが一般的ですが、お好みで加えたり減らしたりするのもありです。パプリカを入れて彩りをよくしたり、秋ならきのこをふんだんに入れたり、冬なら根菜類を増やしたり。

味つけのアレンジも。バターの代わりに、牛乳とチーズを加えてミルク感をプラスすると、酪農王国である北海道らしい「ちゃんちゃん焼き」のできあがり。またマヨネーズをトッピングして、コクを加えるアレンジも人気です。

調理法も現代的にアレンジ! 鉄板の蒸し焼きではなくホイルに包んでフライパンで蒸し焼きにしたり、ホットプレートを使ったりすると、鉄板よりも手軽です。

 

鮭をおいしく食べるのにはもってこいの「ちゃんちゃん焼き」。ぜひ自己流アレンジも楽しみながら、北海道の郷土料理を味わってみてくださいね。

【参考】農林水産省、横浜市立北綱島特別支援学校、宗像市立日の里中学校、内閣府、香取市
鮭のチャンチャン焼き 北海道|うちの郷土料理 / 農林水産省
令和3年8・9月 献立使用材料予定表 / 横浜市立北綱島特別支援学校
アジのちゃんちゃん焼き / 宗像市立日の里中学校
ホッケちゃんちゃん焼き|利尻・礼文エリア / 内閣府 「日本の国境に行こう!!」
ミルクちゃんちゃん焼き / 香取市

【画像】kaka、Fast&Slow、keikyoto、keiphoto、neko、freeangle / PIXTA(ピクスタ)