北海道民が本州で驚きがち!? 北海道に「竹林」がほとんどない理由
突然ですが、みなさんの身近に竹林はありますか?
タケノコを食べることを毎春楽しみにしている筆者ですが、成長したあの緑色の竹を触ったのは、竹でご飯を炊いた小学生の頃が最後です。
多くの人にとっては身近な存在とはいいがたい竹ですが、実は北海道ではほとんど見られないとご存じでしたか?
竹ってどんな植物?
竹は温帯からモンスーン地帯に多く分布する、常緑性の多年生植物です。
日本に生育している代表的な種は、マダケ、モウソウチク、ハチクの3種類で、マダケとハチクは古くから日本に自生していたと考えられています。モウソウチクは、1736年ごろに中国から鹿児島に入り、株分けされて全国に広がったという説があります。
そして、どれも成長がとても速いことが知られていて、なんと24時間にマダケで121cm、モウソウチクで119cm伸びたという記録があるようです。筆者は豆苗を育てているときに、豆苗って一日でこんなに伸びるんだと驚きましたが、その比ではないですね(笑)
竹の分布
先ほども述べたように、竹は比較的暖かいところで生育し、ほとんどが亜寒帯気候に属する北海道ではほとんど見ることができません。
林野庁が平成11年~25年度に行った『森林⽣態系多様性基礎調査』によると、北海道にはタケ類が出現した林分がなかったようです。たしかに札幌には『円山原生林』をはじめとして自然がそのまま残っている場所が多いですが、筆者は竹を見かけたことがないような気がします。
ちなみに、竹がほとんどないのでもちろんタケノコもほぼ獲れません。北海道民が食べるのは“姫竹(根曲がり竹・笹竹ともいう)”が一般的。
北海道で竹林を見るならここ!
竹の生育に適していない北海道ですが、実は竹林を見られる場所が少ないながらもあるんです。
たとえば、道南の松前町にはモウソウダケの林があります。広さは、約0.3ヘクタール。安政年間に、松前藩の重臣・新井田氏が佐渡から移植したものといわれています。北海道で竹林を見られるのは貴重ですので、ぜひ行ってみたいですね。
今回は、北海道では珍しい竹についてご紹介しました。みなさんが北海道と植物に興味を持つきっかけになればうれしいです!
【参考】
竹のはなし / 林野庁
タケの分布状況(第1期・第2期・第3期) / 林野庁
学術自然保護地区 / 渡島総合振興局保健環境部環境生活課
身近で不思議なタケの生態に迫る! / 農林水産省
特集1 竹のおはなし(2) / 農林水産省
【画像】株式会社キタデザ(北村笑店)、磯崎輝彦 、サム、mogyu / PIXTA(ピクスタ)