神居古潭

ゴールデンカムイファンに人気!アイヌの人たちが恐れた「伝説が残る渓谷」

アイヌ語で「カムイ(神)コタン(集落)」と呼ばれ、古くからアイヌの聖地とされていた渓谷が旭川市にある『神居古潭(かむいこたん)』です。

『神居古潭』は、札幌市方面から国道12号線で旭川市街地に入る手前、石狩川が上川盆地から石狩平野に流れる境となる場所にあります。渓谷を形成する岩石は、長い年月をかけ石狩川によって浸食され、アイヌ伝説に登場する奇岩や『神居古潭おう穴群』になりました。

アイヌの伝承(ユーカラ)に登場するアイヌの聖地

アイヌの人たちにとって舟が唯一の交通手段だったその昔、急激に川幅が狭くなるため流れが激しくなるこの場所は、よく舟が転覆する難所だったそう。アイヌの人たちは、渓谷に棲む魔人(ニッネカムイ)の仕業と恐れ、祈りを捧げて通ったということです。

アイヌ伝説では、川に大きな岩を投げ込んでアイヌの村に洪水が起こるようにしたニッネカムイを、英雄神サマイクルがここで倒したとされています。

サマイクルによって追い詰められたニッネカムイが、川に飛び込んだ際に足をとられた跡が『おう穴群』で、すぐ上流の岩にはサマイクルが切りつけた“刀跡”もあります。首をはねられたニッネカムイは岩になってしまい、首は川に落ちて「魔人の頭(ニッネカムイ・サパ)」に、胴体は立ち尽くしたまま「魔人の胴体(ニッネカムイ・ネトパケ)」となったということです。

周囲には北海道や旭川市が指定する文化財

ニッネカムイが足をとられた跡と伝えられる『おう穴群』は、神居大橋(吊り橋)の上流と下流1.2kmの範囲に7か所見られます。おう穴とは、川床の岩石の窪みに小石が入り込んで浸食してできた穴のことです。『神居古潭おう穴群』は地質学的に大変重要なもので、旭川市の指定文化財(天然記念物)になっています。

吊り橋から1.5kmほど下流には、北海道指定文化財の『神居古潭竪穴住居跡』があります。奈良時代末期から平安時代にかけて使用されていたと考えられていて、擦文式土器などが出土しています。

対岸の神居山中腹には、『神居古潭ストーンサークル遺跡』があります。発掘された土器は文様から縄文時代後期中頃のものとされ、ストーンサークルも同じ時代に使用されていたと考えられています。

旧神居古潭駅舎とSL

吊り橋を渡ると、明治43(1910)年建設当時の姿そのままの『旧神居古潭駅舎』やホームが残されています。神居古潭駅は、函館本線の納内~伊納駅間がトンネル化され昭和44(1969)年に廃駅となりましたが、数少ない明治期の駅舎建築として貴重なことから復元され、旭川市の有形文化財(建造物)として登録されています。

また、大正から昭和時代に北海道の輸送を支えたSL蒸気機関車『D51』『C57』『29638』の3台も展示されています。

 

昨年、白老に『民族共生象徴空間(ウポポイ)』がオープンして、アイヌ文化に注目が集まっています。『神居古潭』は、アイヌの少女がヒロインの人気コミック『ゴールデンカムイ』にも登場した場所として、たくさんのゴールデンカムイファンも訪れています。ぜひ、アイヌ伝説の舞台となった場所を訪れてみませんか。

<スポット概要>
■スポット名:神居古潭
■所在地:北海道旭川市神居町神居古潭
■駐車場:無料駐車場あり

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