11月の注目重賞&2歳新星が激突!馬券と観戦が10倍面白くなる秋決戦のディープな見方【ばん馬の見方、プロが教えます。#7】

「ばんえい競馬に興味はあるけれど、どこから観戦や予想を始めればいいかわからない……」「秋から冬にかけての注目の見どころを知りたい!」そんな初心者やライトファンの皆さん、お待たせしました!

11月の帯広競馬場は、まさに“今が旬”の超激熱シーズン。世代戦を含む4つの重賞競走が続くほか、未来のヒーローたちがしのぎを削る2歳馬の地区別予選『産駒特別競走(ばんえい甲子園)』が毎週開催されるなど、過密かつ見どころ満載のスケジュールが組まれています。

今回は、ばんえい競馬のプロフェッショナルである専門紙『競馬ブック』の定政紀宏さんに11月の熱い勝負の裏側から、冬競馬に向けた予想のコツまでたっぷりと伺いました。

画像:ばんえい十勝

定政 紀宏(さだまさ のりひろ)
1971年生まれ、北海道出身。競馬専門紙『競馬ブック』ばんえい競馬・本紙担当。入社以来33年間、ばんえい競馬一筋。ばんえい競馬の特徴である障害を重視した、的中率の高い予想が人気。

「世代」がテーマ。11 月の注目重賞へのディープな分析

11月は重賞が4本も開催されるそうですが、プロの視点から見た11月開催の一番の魅力や見どころを教えてください。

画像:ばんえい十勝

11月は、世代ごとの実力や成長を感じられる重賞競走が続き、ばんえい競馬がますます熱く盛り上がる1か月です。3 歳重賞三冠路線の第2戦『ばんえい菊花賞』や4歳牝馬の激闘が繰り広げられる『クインカップ』、各世代の強豪が激突する『ドリームエイジカップ』、そして、3歳牝馬の頂点を争う『ばんえいオークス』という4つの重賞が立て続けに開催されます。

それに加えて、12月29日に行われる2歳馬の頂上決戦『ヤングチャンピオンシップ』に向けた5つの産駒特別競走『ばんえい甲子園』も毎週実施されます。世代ごとの激闘と未来のスターホースたちの戦いが凝縮された、競馬ファンにとって目が離せない最高の開催月となっています。

「ばんえい菊花賞」と「クインカップ」の注目馬や見どころはいかがでしょうか?

ホクセイイワキヤマ
画像:ばんえい十勝

11月1日に開催される『ばんえい菊花賞』の本命として注目しているのは『ホクセイイワキヤマ』です。前回のレースでの敗戦は馬体重の増加による太め残り※が原因であり、今回はしっかりと調整し絞って臨んでくると思います。馬体重が適正に戻れば、軽馬場であれ重馬場であれ地力は世代トップクラスですので、巻き返しは十分期待できます。混戦模様でもあるため、高配当の魅力も秘めた非常に楽しみなレースです。

※太め残り…休養明けなどで目標や適性体重まで体重を絞り切れていない状態。

ホクセイヒラリ
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11月8日に行われる『クインカップ』は、秋に急成長を見せる 4 歳牝馬たちの熱い戦いです。ここでは本命候補である『ホクセイヒラリ』の戦略的な動きに注目してください。前哨戦の『紅バラ賞』で敗れましたが、これは本番からの逆算調整によるものだと思います。今年開業し騎手時代にデビュー勝ちの記録を持つ名手・藤本匠調教師の初重賞・初 V 挑戦という話題性もあるので楽しみです。

フジエース
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一方で前哨戦を制した『フジエース』は、若手の中村太陽騎手が練習コースで障害克服の特訓を何度も重ねて課題を克服させた思い入れの強い相棒であり、10kg の斤量増があっても期待十分だと思います。そのほか、急成長を遂げている『クリスタルスペリオ』も好走が期待できそうです。

「ドリームエイジカップ」と「ばんえいオークス」でのプロならではの注目ポイントや戦略を教えてください。

スターイチバン
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11月22日の『ドリームエイジカップ』は、絶対王者である『メムロボブサップ』が不在の見込みという中で、現4歳世代という黄金世代のスター候補『スターイチバン』が最有力だと見ています。『グランプリ』や『オッズパーク杯』でも2着、3着に入るほどの実力を備えており、将来的に『メムロボブサップ』に続くトップホースになり得る存在です。『クリスタルコルド』など他世代の強豪との勝負は、世代間バトルの醍醐味を存分に味わえる一戦になります。

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11月29日に行われる『ばんえいオークス』は3歳牝馬のナンバーワンを決定する一戦ですが、こちらは飛び抜けた能力を持つ馬が不在で、実力が非常に拮抗しています。最後のゴール前まで誰が勝つかわからない、激しい叩き合いが展開される混戦必至の見応えあるレースになるでしょう。

2歳馬の登竜門「ばんえい甲子園」とプロが教える予想のコツ

毎週開催される2歳馬の『ばんえい甲子園(産駒特別競走)』はどのように楽しめばよいでしょうか?

画像:ばんえい十勝

11月に毎週開催される『ばんえい甲子園』は、北央、十勝、北見、釧路、南北海道という地区別の対抗戦の熱気が一番の魅力です。地元ゆかりの若駒たちが12月29日の『ヤングチャンピオンシップ』への出場権をかけて火花を散らします。2歳馬ならではの走りの軽快さがあり、1分10秒台という非常にハイスピードな競馬が展開されるのも大きな見どころです。若駒たちの成長スピードを感じながら、お気に入りの地区や馬を応援するのがおすすめの楽しみ方です。

ばんえい甲子園 WEB キャンペーン:https://banei-keiba.or.jp/ed_detail.php?id=1689

11月の馬場状態の特徴や、初心者におすすめの予想のコツを教えてください。

雪が本格的に降らない限り、秋雨で馬場が湿り気温が下がる11月は、年間を通しても最も馬場が軽くなりスピードが出やすい傾向にあります。

鈴木恵介騎手
画像:ばんえい十勝

初心者の方で馬同士の能力比較がまだ難しいと感じる場合は、勝利数が数値として明確に表れているトップジョッキーの手綱捌きから馬券を買ってみるのが予想の近道でありセオリーです。鈴木恵介騎手、阿部武臣騎手、西謙一騎手、西将太騎手、金田利貴騎手、今井千尋騎手といった実績十分の騎手を軸に選ぶことで、的中へのハードルがぐっと下がると思います。

冬競馬へ向けたプロの着眼点と騎手の手綱捌き

冬場になると走りが一変する馬がいると聞きました。プロはどこに注目しているのでしょうか?

冬場になると帯広競馬場では馬場保護のためにロードヒーティングが稼働します。これにより、ゴール前30mから10m付近にある砂障害の登り勾配が撤去されてコースが平坦化される仕組みになっています。

画像:ばんえい十勝

このコース変化によって「スピードと障害の越え方は良いけれど最後の砂障害で脚が止まってしまう」というタイプの馬が一変します。砂障害で止まっていた馬が、平坦な馬場になって一気にゴールへ駆け抜けるダイナミックな変化が見られるのです。例えば、昨年のこの時期から活躍した『スーパーハリアー』のようなスピードのある馬が、平坦化したゴール前を押し切れるようになって大覚醒することがあります。

また、気候が涼しくなると馬の食欲が大きく増し、わずか2週間で10kgから30kgも馬体が増えて急激に肉体が仕上がることがあります。こうした環境変化や肉体面の成長度を見極めるのがプロの着眼点です。

冬場のパドックの見方や、注目すべきジョッキーの技について教えてください。

冬場のパドックでは寒さも手伝って全馬が元気に周回するため、単に元気なだけでなく“飛び抜けて活気がありテンションが高い馬”を見つけることがポイントです。そうした馬は体調が極めて良く、状態の良さがはっきりと現れています。

画像:ばんえい十勝

また騎手の技術としては、第1障害を越えてから第2障害手前までの約150mの区間において、馬をどのようにめて息を入れさせ、ハミ遣いでの操作や巧みな手綱捌きにぜひ注目してください。

さらに、金田利貴騎手、今井千尋騎手、中村太陽騎手、中原蓮騎手といった伸び盛りの若手ジョッキーたちの成長ぶりと積極的な騎乗からも目が離せません。

最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

ばんえい競馬は、かつて北海道の厳しい開拓期を人間とともに支えてきた歴史と深い愛着を持っています。命を繋ぎながら家族のように大切に育てられてきた文化的な背景があります。

レース中に重いソリを引いて障害で動けなくなってしまっても、懸命に越えようとするばん馬たちの姿には胸を打たれますし、その瞬間、会場全体から「よいしょー!」という温かい声援が自然と湧き起こります。これこそがばんえい競馬ならではの最大の魅力です。

ぜひ自分だけのお気に入りの“推し馬”や“推し騎手”を見つけていただき、帯広競馬場の現地でその圧倒的な熱気と感動を体感してみてください。

北海道Likers編集部

プロの視点による11月開催の分析や冬場に向けたコースの変化など、非常にディープでためになるお話ばかりでした! 世代4重賞に加えて2歳馬の『ばんえい甲子園』と、見どころがぎゅっと詰まった11月は、まさにばんえい競馬観戦をスタートするのに最高のタイミングです。 帯広競馬場での熱い秋決戦を思い切り楽しみましょう!

文・取材/北海道Likers編集部 写真/ばんえい十勝

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