雪が降ってからでは手遅れ!? 北海道の「起こりがちな冬のトラブル」3選

全国的にみても初冬期が早く訪れる北海道。これから日が進むにつれて豪雪や極寒などの厳しい気象条件が約半年間も続き、凍結や雪による視界不良など車の運転にも厳しい季節がやってきます。

今回は、そんな冬の北海道でのドライブを安全に楽しむために知っておきたい“起こりがちな冬のトラブル”とそれに対するアドバイスを、高速道路の安全を守るプロ・NEXCO東日本の『交通管理隊』に教えてもらいました!

事故やトラブルに巻き込まれないよう、ぜひチェックしてみてくださいね。

NEXCO東日本の「交通管理隊」とは

今回は、NEXCO東日本交通管理隊のみなさんに聞いた“起こりがちな冬のトラブルと対策”を一足早く3つご紹介します!

今回ご紹介してくれるのは……

NEXCO東日本交通管理隊のみなさん
高速道路を巡回し、渋滞発生の有無などの交通状況、落下物の有無などの道路状況、気象状況などの情報を収集する組織。
異常事態が発生したときには現場へ急行し、落下物の排除や、交通警察や消防機関とともに事故対応、故障車への支援などを行います。

冬のトラブル1:ハンドル・ブレーキ操作ミスに注意!

冬 ハンドル

画像:arda savasciogullari/Shutterstock

令和5年度のデータによると、道内高速道路の事故件数は11月から1月がピークとなっており、特にハンドル操作・ブレーキ操作のミスを原因とした事故が多くなっています。

冬の始まり時期は、北国のドライバーであっても凍結路面などの冬道走行に慣れる前なので、危うくスリップ事故につながることも……。

冬の初めの道路では、日中に降った雨が乾ききらず、夜に急激な気温低下で凍結路面(ブラックアイスバーン)になることがあります。冷たい風が吹く橋やトンネルの出入口、昼に太陽の光が届かない道路の日陰部分は路面温度が低いため凍結しやすい場所です。

ブラックアイスバーンは、道路が濡れているのか凍っているのか見分けがつきにくいので特に注意が必要です。冬の路面ではブレーキの効きが非常に悪くなることを念頭に置いたうえで、車間距離をいつも以上に確保して慎重に走行してください。

また、雪による視界不良・路面悪化などが原因で車両の走行速度が下がる傾向にあるため、高速道路も含め渋滞が頻発します。前後車両の動向も常にしっかりと確認し、追突防止に努めましょう。動き始めや加速・減速を“ゆるやか”、“ゆっくり”がキーワードです。

交通管理隊のアドバイスPOINT
・急ハンドル・急ブレーキ・急発進など「急」の付く操作は行わない。
・冬の路面ではブレーキの効きが非常に悪くなることを忘れない
・車間距離をいつも以上にとってスピードを出し過ぎない
・冬は雪による視界不良・路面悪化等で渋滞が頻発。追突防止に努めましょう
・動き始めや加速・減速も“ゆるやか”、“ゆっくり”をキーワードに慎重な操作をしましょう

冬のトラブル2:冬装備の準備不足に注意!

スノーブラシ

画像:Natali55522/Shutterstock

北海道では大体11月上旬から雪が降り出しますが、冬の初めの雪道では冬用タイヤの装着率が低く、積雪路面でのスリップ事故などが多く発生する傾向にあります。そのため、雪道を走る前に装着しましょう。

また、でかける時にあまり雪が降っていないからとスコップやスノーブラシを持っていかないと、おでかけ先で駐車している間に大雪となってしまい、車を出せないなどのトラブルになることもあります。さらには、屋根に雪を積んだまま走行してしまうと、落下した雪に後続車が乗り上げてしまい事故に繋がる可能性も……。意外と忘れがちな”冬用ワイパー”への交換も含めて、冬装備の準備をタイヤ交換とあわせて行うことをおすすめします。

バッテリーの消費も注意したほうがよいポイントです。ワイパーの頻繁な使用やヒーターの連続稼動などによりバッテリーの消耗が激しくなりがちなので、突然のバッテリー上がりに備え、バッテリーが上がった車と正常な車を繋ぐブースターケーブルや、車のエンジンを始動させるためのモバイルバッテリーのようなものであるジャンプスターターを用意しておくとよいでしょう。

交通管理隊のアドバイスPOINT
・雪道を走る前に冬用タイヤを装着しておく
・スコップやスノーブラシを車に搭載する
・冬用ワイパーを装備する
・ブースターケーブル・ジャンプスターターを車に搭載する

その他雪道を走る前に搭載しておくとよいもの
・解氷剤:カギ穴が凍る、ワイパーが固まって動かなくなるなど、危機的状況の強い味方
・ロープ:スタック(雪にはまって動けなくなること)した場合に使用する
・ゴム手袋(軍手)・長靴・懐中電灯や防寒具:車が動かなくなったときなど、もしもに備えてあると安心

冬のトラブル3:おでかけ前、おでかけ中の気候急変に注意!

車 雪が積もっている

画像:Natallia Ploskaya/Shutterstock

冬の北海道は天気が変わりやすく、吹雪や地吹雪、霧などが原因で視界が悪くなる場合が多くあります。急な大雪で慌てたり、早く抜け出そうと急いだりして、無理な運転をしてしまいがち。周りが見えづらいと感じ始めたら、路面状態が良好でより安全なルートを選択したり、速度を落として慎重に運転したりするなど、これから天気が悪化する可能性を考えて注意しておくことが大切です。

また、吹雪等の悪天候では、前方の車両が雪で見えなくなる“ホワイトアウト”にも注意が必要です。ヘッドライトを点灯させるだけでなく、ハザードランプも点滅させて周りの車に位置を知らせると事故の防止につながります。

そして、早めに出発する、走行時間を多めに見積もるなど、時間に充分な余裕を持ったプランを立てることも大切です。高速道路の情報はSNSなどでも常に更新されていたり、インターチェンジの入口、料金所ブース、本線の各情報板でチェックしたりすることができるので、活用してみてくださいね。

交通管理隊のアドバイスPOINT
・周りが見えづらいと感じ始めたら、速度を落として慎重に運転する
・たとえ近道でも雪が積もりそうなルートは避け、路面状態が良好で、より安全なルートを選択する
・吹雪や地吹雪などの視界不良(ホワイトアウト)の時は、ヘッドライトを点灯させるだけでなく、ハザードランプも点滅させて周りの車に位置を知らせる
・焦らず安全に走行できるよう、早めに出発する、走行時間を多めに見積もるなど、時間に充分な余裕を持ったプランを立てることが大切
・おでかけの数日前からこまめに天気予報、交通情報などで、道路状況についての事前情報をチェックしておきましょう

「交通管理隊」の走行距離は、おおよそ地球何周分…?

NEXCO東日本北海道支社は、令和6年10月16日(水)から令和7年4月30日(水)までを『雪氷(せっぴょう)対策期間』として、24時間体制で気象・道路状況の把握と雪氷対策作業を行い、安全な交通確保に努めています。

素材:Nganhaycuoi/Shutterstock
画像:北海道Likers

24時間体制で監視や作業を行っているNEXCO東日本の北海道の交通管理隊が1日に走行する距離はなんと、約9,300km! 年間走行距離にすると、約3,400,000kmです! これは、おおよそ“地球85週分”にあたるのだそう。

交通管理隊は高速道路の安全を守るべく、巡回や監視を年間を通して行っています。このようにして高速道路の安全は守られているのです!

北海道Likersの読者に聞いた「北海道の高速道路あるある」

ガソリン給油中

画像:Lee waranyu/Shutterstock

北海道LikersのInstagramで“北海道の高速道路あるある”を聞いてみたところ、「ガソリンをあらかじめ満タンにしておく」、「お手洗いもこまめに行っておく」などの声が集まりました。

また、移住者の視点で「片側一車線の高速道路があることを初めて知った」といった意見があがりましたが、北海道内の高速道路では一車線のみの場合もあるため、冬季に脱輪などで事故が起こってしまうと渋滞になりかねないなんてことも……。

だからこそ、冬用タイヤも装着するだけではなく交換後にしっかりとネジ(ナット)をしめることや、空気圧点検なども、重要なポイントになってくるのだそう。ネジのゆるみは、脱輪事故にもつながるため、しっかり装着されているかをチェックするようにしましょう。

NEXCO東日本交通管理隊&北海道Likers読者のアドバイスPOINT
・冬用タイヤも準備だけではなく、ネジのゆるみなどの確認も怠らないように
・ガソリンをあらかじめ満タンにしておく
・お手洗いもこまめに行っておく

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北海道Likers編集部のひとこと
今回は初冬期に気を付けたいトラブルとその対策をご紹介しました。
車はもちろん、ドライバーも準備“満タン”で安全な運転を心がけましょう!

文/北海道Likers

【画像・参考】東日本高速道路株式会社

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