花の湯温泉

湯上がりのジェラートも!36年の歴史を継ぎながら進化する「24時間営業の温泉」

2023.06.05

札幌市内から車で1時間15分ほどの海沿いの町、白老町。人口は1万5千人ほど。2020年7月に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」がオープンし、注目が高まっています。

そんな白老町には、1962年に開湯された虎杖浜温泉がありますよ。虎杖浜温泉は、お隣にある登別温泉より湯量が豊富。昔は30軒もの宿が賑っていたのですが、現在は6軒ほどまで減ってしまいました。

今回はその中から、日帰り温泉を楽しめる「花の湯温泉」をご紹介。「花の湯温泉」を経営する高橋さんご家族にお話を聞きました。

かつては自衛官!? 退官する前から継ぐことを決めていた「花の湯温泉」

「花の湯温泉」は、1987年に現オーナーの高橋いづみさんのご両親が開湯した温泉。現在は夫の高橋直保(たかはしなおやす)さん、いづみさんが経営しています。

「夫は自衛官でした。退官する2年くらい前から温泉を自分が継ぐと言ってくれていたんです。父と母はとても喜んでくれましたが、夫もわたしも温泉の経営をしたことがないのに本当にできるのかな?本気なの?という気持ちでした」と、いづみさん。

2022年、直保さんといづみさんが引き継いでから1年を迎えました。

家族みんなが初めての経験。メンテナンスの大変さを実感

「花の湯温泉」では、毎日お湯を入れ替えているほか、少しでもお湯が汚れたら入れ替えるようにしているのだとか。

「新しくオープンさせたわけではありませんので、建物も設備も当時のまま引き継いでいます。メンテナンスだけでも大変ですね。温泉のタンク清掃は、夜から朝まで一晩中かかる大変な作業です。洗い場の水圧、浴槽の温度管理も新しい設備がないので、すべて手と目がかかります」と、いづみさん。

筆者も入浴させていただきました。お湯はとろみがあり美容液のよう。肌がつるつるになるので何度も腕をさすってしまうほどです。とろみがあるからか温泉成分がしっかりと浸透していくような感覚で、短時間しか入浴しなくてもしっかりと温まりました。

浴槽の温度は、42度を超えるとお客さんが教えてくれるのだとか。お湯をゆっくり出したり、多く出したりしながら温度管理をします。

お客さんは地元の人や町外・隣町の常連さん、そして観光客の人たち。

「父と母の代は、お客さんが両親の人柄を愛してくださり、父と母に会いにくるように温泉へお越しくださいました。わたしと夫が受け継いで、そういったお客さんが来なくなってしまったらどうしようという心配はありましたね。館内は父と母のセンスのままにしています」

館内には昔ながらのカメラや日本画、手作りの飾りがそのままに置かれていますよ。昭和時代にタイムスリップしたような雰囲気と懐かしさにホッとします。

「父と母がオープンしたときからいらっしゃるお客さんが今日も来てくださいました。みなさん変わらず来てくださって本当に嬉しいですね。コロナ禍で大変な時期も、お客さんの方から楽しい話をしてくれて。とても救われました」

先代のお父さん・お母さんの雰囲気を直保さんもいづみさんもしっかりと引き継いでいるのでしょう。穏やかで優しいお人柄が伝わってきました。

新しい風を入れて。ジェラートショップ「ゆジェラート」とSNSの開設

温泉の敷地内はとっても広々。温泉の隣には小さなジェラートショップがありますよ。その名は「ゆジェラート」。長女の靜香さんと三女の鮎香さんのお二人で製造・販売、雨の日は温泉まで出前もしています。さらには「ゆジェラート」と「花の湯温泉」を、ツイッターやインスタグラムなどのSNSを使って多くの方に知らせているそう。

かわいいお店は手作り。「もともとあった小屋にペンキを塗って、目立つよう派手にしました!」と静香さん。

元保育士だった靜香さんは、ショップの横にある大きなビニールハウスに遊具を設置し、子連れファミリーが楽しめるように工夫したり、お子さんやママ向けのワークショップやイベントを企画したりしています。インスタライブなどを駆使し、動画配信もしているそうですよ。

さっそく「ゆジェラート」でジェラートをいただきました。おすすめは『ミルク』と『アスパラ』のミックス。両方ともとっても濃厚! 素材そのままの味わいは北海道の味覚そのものです。

「ゆジェラート」のロゴマークはシアトルのデザイナーがデザインしたのだとか。靜香さんはとっても気に入っているとお話しくださいました。

靜香さんと鮎香さんはお二人ともご結婚されていて、お子さんもいるお母さん。お忙しいお二人ですが、お父さん・お母さんと一緒に温泉を支え、白老町を盛り上げるために尽力されています。

コロナ禍を超え、家族で力を合わせ大切に守っていきたい

「花の湯温泉」は、きっと先代のお父さん、お母さんの気さくで家庭的な雰囲気を受け継いでいるのでしょう。ご家族が仲良く力を合わせている姿は、筆者にも強く伝わってきました。

 

白老町で唯一の24時間営業。とろりとしたかけ流しの温泉。休憩室での仮眠もOK! そして湯上がりにはおいしいジェラートもいただけます。ご家族で一緒に入浴したいときは「家族風呂」が利用できるのも嬉しいポイントです。

白老町を訪れた際は、ぜひ虎杖浜温泉「花の湯温泉」へ足をお運びください。

<店舗情報>
■花の湯温泉
■住所:北海道白老郡白老町虎杖浜40-2
■電話番号:0144-87-4035
⇒営業時間など詳細はこちら

⇒こんな記事も読まれています
【連載】意外とハマるかも…?北海道マンホール特集
一生に一度は見てみたい!神秘的な北海道の絶景

LINE友だち追加