アイキャッチ わっぱ定食

お寺の一角でいただく定食。住職の妻が腕を振るう「知る人ぞ知るカフェ」(札幌市東区)

札幌市東区にある「寺カフェSOU」は、お寺の中にあるカフェです。

厳かで落ち着いた雰囲気の中で楽しむ食事は、レストランとは異なる趣があります。住職の奥様が腕をふるってくれた、美味しい料理をいただきました。

東区の住宅街に佇む「蒼龍山瑞芳寺」

「寺カフェSOU」は、地下鉄東豊線・栄町駅から約1kmの場所にある「蒼龍山瑞芳寺(そうりゅうざんずいほうじ)」という禅宗のお寺の中にあります。

まずはご本尊にお参りします。祭壇の中心に如意輪観音様(にょいりんかんのんさま)、左手には勧請開山歴住妙心隆芳昭禅師大和尚(かんじょうかいさんれきじゅうみょうしんりゅうほうしょうぜんずだいおしょう)、右手には子安観音様(こやすかんのんさま)がお祀りされています。

本堂に設置されている“シンギングボール”は、約3,000年前からチベットのラマ教の高僧が神に捧げる儀式に使っている仏具。波動が心と身体に直接働きかけ、固くなった心身をリラックスさせてくれるのだとか。

「美味しい」という声に背中を押されて寺カフェをオープン

「寺カフェSOU」は信仰する宗教を問わず誰でも利用できます。住職の妻・相沢多恵子さんが、ほぼ一人で料理を担当し、長女が手伝っています。写真をお願いしたところ、「私は裏方なので、表に出ることは慎みたい」とのこと。

ズラリと飾られたミニ四駆は住職のご趣味。親しみやすいお人柄が感じられます。

多恵子さんは住職の妻として檀家さんなどに料理をふるまうことが多く、その腕を活かして飲食店を経営していたこともありました。年齢や体調などの問題もあり、しばらくお店の経営から離れていましたが、もてなしの気持ちがウズウズしていたそうです。

2021年に、人材派遣関係の仕事をしていた長女から「お寺を新型コロナウイルスのワクチン接種会場の案内スタッフの休憩所として利用したい」と相談を受けました。

カフェを開くための予行練習と考えた多恵子さんは、契約期間の60日間、毎日異なるメニューを提供し続けました。いずれも「美味しい」「また食べたい」と大好評。自信は確信となり、その後「寺カフェSOU」をオープンしました。

「寺カフェSOU」自慢の4つのメニュー

現在は4つのメニューを提供しています。『煮込みハンバーグ定食』は牛7割・豚3割の合挽ハンバーグをデミグラスソースで煮込んだもの。

「このハンバーグを食べたお子様から“今まで食べたハンバーグの中で一番美味しい”と褒められました」と、多恵子さんは目を細めます。

多恵子さんの出身地である仙台の名物“牛タン”もメニューに加えました。

仙台名物の『牛タン焼き』は、昭和20年代に焼き鳥中心の飲食店を経営していた故・佐野啓四郎氏が、洋食屋で食べたタンシチューの美味しさに驚いて考案したといわれています。

「寺カフェSOU」の『牛タンシチュー定食』はデミグラスソースでじっくり煮込まれています。

オリジナルの味付けながら、沖縄料理の『タコライス』もメニューに加えられるなど、多恵子さんのレパートリーは無限大。

『わっぱ定食』は五感で味わえる料理です。“わっぱ”とは、スギやヒノキなどの薄い木板を曲げて縁を作った木製の箱のこと。

2つのわっばには、10種類のさまざまな料理がセンス良くまとめられており、見ているだけで食欲をそそられます。

一つひとつの料理にしっかりと味付けがされ、いずれも笑顔になる美味しさ。今回はたけのこご飯でしたが、初夏はさくらご飯を提供するなど、四季の味覚を取り入れています。この内容でワンドリンク付き1,500円とお手頃。「寺カフェSOU」でしか食べることができない逸品です。

 

美味しい料理と心からのおもてなしの「寺カフェSOU」。住宅街の入り組んだ場所にあるので、ナビなどを使って訪れてください。

提供できる料理は数が限られているので。利用の際は予約することをおすすめします。

<店舗情報>
■寺カフェSOU
■住所:北海道札幌市東区北45条東10丁目6-5
■電話番号:011-753-0026
⇒営業時間など詳細はこちら

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