アイキャッチ ジンギスカン

「安く、美味しい生ラムを」父親の味を継ぐ!娘夫妻のジンギスカン店(ニセコ町)

ニセコの大平原のなかに、羊蹄山をバックに佇むドームがあります。プラネタリウムのような建物は、なんとジンギスカン屋さん。若いご夫妻がお店を切り盛りし、店内は活気に溢れています。

生ラムにこだわる「ニセコジンギスカン」を味わいました。

父親の遺志を受け継ぎ「ニセコジンギスカン」の店主に

「ニセコジンギスカン」は、2002年にオーナー・齊藤景子さんの父親が「自分が美味しいと思うジンギスカンを提供したい」との想いでオープンしました。大阪に家族を残し、単身、北海道の地で事業を開始。倶知安町のスキー場近くに店を構えていました。

しかし、志半ばで他界。父親の知人が2代目店主を継承し、約10年前に現在の場所に移転しましたが、諸事情により数年後に店を閉じることになりました。

2代目から閉店する話を聞き、景子さんは「父親が残してくれたものをなくしたくない」と、店を引き継ぐことを決心。

「そのころの私は会社を辞め、何か新しいことをしたかったんです。父も、同じ年齢のころに私と同じような境遇だったので、運命的なものを感じました」

お店を継ぐことは決めたものの、雪国での生活も飲食店経営も初めてのこと。ひとまず倶知安町内の知り合いの居酒屋で感覚を得ることにしました。

そこで、のちに旦那さんとなる浩史さんと運命的な出会いを果たします。「きっと父が心配して彼を引き合わせてくれたんだと思います」と、景子さんははにかみます。

2020年7月に“ふたりの店”がオープンしました。

オープン前から困難の連続!

「ニセコジンギスカン」は開業から一貫して生ラム*を提供することがポリシーであり、2代目もそれを守り続けてきました。しかし、景子さんが店を継いだ時期は世界中が新型コロナウイルスの影響を受けて、生ラムの入荷が困難になっていました。

生肉から冷凍肉に変える店が増えるなか、「父から受け継いだことを変えたくない」と、片っ端から精肉業者に連絡を取り、お肉を確保。その後も原油高などにより、ラム肉の値段が高騰。景子さんが引き継いだころから生ラムの仕入れ値は倍近くまで上がり、今もなお上がり続けています。

それでも地元や常連の方々が変わらず来られるようにと、価格は低めに設定されています。困難が続くなかでもなんとかお店を続けることができているのは、「うちのジンギスカンを好きでいてくれるお客さんたちのおかげです」と、感謝しているそう。

*生ラム・・・調理されるまでの流通のなかで、一度も冷凍されていないラム肉のこと。

さあ、食べましょう!

ラム肉の種類は、シンプルに肩ロースとショルダー(赤身)の2種類。肩ロース・もやし・玉ねぎがセットになった『ニセコジンギスカンセット』をいただきました。ショルダー・もやし・玉ねぎがセットの『ジンギスカンセット』や、両方のラム肉が入った『ハーフ&ハーフセット』も人気です。

羊蹄山麓は日本有数の農業地帯です。サイドメニューの『じゃがバター』もおすすめ。いかの塩辛の塩味と、ジャガイモの甘さが一つになり、もう一皿注文したくなる美味しさです。

ジンギスカンの美味しい食べ方を伝授

最初に脂を鍋にまんべんなく塗ります。次に野菜を敷き詰め、ほどよく火が通ったところで鍋のふちに寄せます。

肉を真ん中に置き、肉のふちに焼き色が付くまで焼きます。早すぎても遅すぎてもダメ。何度もひっくり返さず、裏表ほどよく焼きます。生ラムなのでレアでも美味しくいただけますよ。

「ニセコジンギスカン」の鍋にはスリットが入っており、余分な脂が落ちるので、さっぱりとした味わいになります。

最後に、1日かけて仕込まれる自家製ダレにくぐらせて食べれば、羊のように「んめえぇぇぇぇ」と笑顔になること間違いないでしょう。

 

絶品ジンギスカンを味わいたいのなら、予約が確実。月曜日が定休日のほか、4〜6月と10〜11月は休業になります(今冬の営業は2023年4月9日まで)。SNSなどで営業日を確認してください。

<店舗情報>
■ニセコジンギスカン
住所:北海道虻田郡ニセコ町曽我476-14
■電話番号:080-8167-6754
⇒営業時間など詳細はこちら

【画像】ニセコジンギスカン

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