北海道教育大あそびプロジェクトにて

「全てはワクワクする未来のために」〜スポーツチームが地域にある意義は?

こんにちは!HOKKAIDO IWAMIZAWA FUライターチームの栗林千奈美です。年が明け、2023年を迎えましたね。今回は、3×3プロバスケットボールチームを昨年1年追いかけてみて、地域づくりのさまざまな活動を行なっているいち地域住民として、プロチームが地域にある意義について考えてみたいと思います。

昨年を振り返って

昨年を振り返ってみれば、平野歩夢さんやロコ・ソラーレのみなさんなど北京での活躍で、たくさんの涙と笑顔で包まれた幕開け。コロナで蔓延した厭世的な空気が清涼化し、スポーツの力を感じたのも束の間、その後の戦争で世界が一変。戦争をしないためのオリンピック、のはずが、その意義さえもあやうい事態に。国内では政治不信が続き経済も安定せず、不穏なニュースが途切れることは今もありません。そんな中のサッカーワールド杯。日本チームの快進撃、メッシの物語や偉業に、スポーツとともに生きていくことの希望をまた感じられたという1年でもありました。

HOKKAIDO IWAMIZAWA FUは、わが岩見沢市に2021年に創設された3×3のプロバスケットボールチームとして昨年初リーグ参戦を果たし、日本各地で試合を行っていきました。地元で観戦している側としては、3×3という新しいスポーツに慣れることもおぼつかないままシーズンが終わりましたが、それでも、1試合終わるごとに結果に一喜一憂する楽しみも増えました。まさに、FUのキャッチコピーである「全てはワクワクする未来のために」の初年度だったかと思います。FUの戦績については、別のコラムにまとめていますのでご参照ください。

地域貢献

リーグの試合と並行して、FUの選手は地域活動にも熱心に参加。地元のお祭りやレバンガ北海道のイベントなどを通して、岩見沢市、そして北海道のチームであるという存在感が少しずつ浸透してきたのではないでしょうか。また最近では、公立中学校の運動系部活動の地域移行という大きな課題にも一緒に取り組んでいて、地域住民がバスケットボールを楽しむチャンスが増える期待もあります。FUや他のプロチームのエキシビジョンマッチを観た後で、彼らとともに行うフリスローチャレンジなどのイベントや、彼らから受けるバスケットボールの指導が、地域住民に与える夢と希望のなんと大きなことか。子どもたちの笑顔を見たら一目瞭然でした。

スポーツの力

そう。スポーツチームが地域にあると、いろんな良いことがあります。スポーツ人口が増える、スポーツスキルがアップする、プロへの夢が広がる、健康度が増す、交流が広がる、笑顔も増える、世界で戦争が起こっても社会が暗くても地域には明るい希望が見える、地域に愛着も生まれる、各人が幸せと感じる時間が多くなる……。挙げればキリがありません。バスケットボールが専門じゃない人だって、体験してみると夢中になって社会人チームを作るまでになるかもしれないし、そのおかげで住民が使える体育館が増えるかもしれない。はたまた推しの選手が見つかってファンクラブを独自で立ち上げる学生がいるかもしれないし、さらには、思春期を迎え家族とぎくしゃくしている子どもがFUをきっかけに父の本棚にある『スラムダンク』を貪るように読み始めバスケットボールを一緒に買いに行く、などなど、サブストーリーもたくさん浮かんできます。ワクワクする未来しか見えません。

現実的な課題

しかし、地域でプロチームを継続させてもらうには課題もあります。一番は、現実的なお金と経営面が最も大きいのではないでしょうか。お金を集めるためにも勝っていかねばならない。良い選手を集め、練習を重ね、素晴らしいパフォーマンスで感動を生み、さらには地域住民への貢献を並行して行っていくことで、企業や地域からの応援も増え、またさらに……という螺旋の上昇が必要です。勝ち負けに関しては、選手のみなさんにはシビアな側面も出てくることでしょう。いつだって笑顔でいられないこともあるかもしれません。さて、いつも彼らから元気をいただいている地域住民として、私たちはどうやって彼らを支えればいいのでしょう。

ワクワクする未来のために地域ができること

前述した通り、「地域にFUが存在することは価値があることだ」ということは明白なのですが、では継続していくことでその価値をいかに大きなものにしていけるのか?については、地域の課題でもあると思うのです。私たち地域住民は、現実的な問題にも目を逸らさず、本音で一つ一つ考え各人が行動していく。2023年は、FUをきっかけにそんなまちづくりができると良いなと思っています。一人一人が腑に落ちるワクワクした未来図を描きたいし共有したい! こう思えることこそが、スポーツクラブが地域にある意義なのかもしれません。

 

さて、HOKKAIDO IWAMIZAWA FUライターとして立場を戻します。昨年1年間、たくさんの応援をありがとうございました。2023年もFUの活躍をご期待ください!

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