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「祖父の味を受け継ぎたい」昔懐かしの醤油味がうまい!昭和30年から愛されるラーメン屋【岩見沢市】
岩見沢市街地と栗沢地区の中間に、レトロな雰囲気のラーメン店があります。その店の名は「醤油屋本店・別館 おとん食堂」。赤ちょうちんに誘われて店内に入ると、醤油の香りと懐かしい雰囲気に包まれます。祖父から子へ、そして孫に受け継がれる“炭鉱街の香りがするラーメン”をいただきました。
炭鉱景気に沸いた昭和30年に誕生
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出典: 北海道Likers
「醤油屋本店・別館 おとん食堂」の一番人気『小鳩ラーメン』は、オーナー店長を務める安彦早希(あびこさき)さんの祖父が考案したレシピにもとづいて作られています。かつて炭鉱街で経営していた食堂の名前にちなんで「小鳩」と名づけられました。
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出典: 北海道Likers
「小鳩食堂」は、1955(昭和30)年に栗沢町(現在の岩見沢市)万字炭山に開業しました。万字炭山は石狩炭田の炭鉱群の一つで、朝吹家が所有していましたが、1905(明治38)年に経営が「北炭」に変更された際に、朝吹家の家紋「卍」にちなんで「万字炭鉱」と命名されました。鉄道の開通は1914(大正3)年と早く、石炭採掘の最盛期となる昭和30年に万字地区に約5,000人もが住んでいました。
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出典: 北海道Likers
「小鳩食堂」は炭鉱で働く人たちや家族で賑わっていましたが、万字炭山の生産量が安定しないことや、石炭需要減少などにより街はさびれていきます。その影響を受けて「小鳩食堂」はわずか6年で幕を閉じることになりました。
長い時を経て父親の醤油ラーメンを復活
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出典: 北海道Likers
それから40年以上が過ぎた2000(平成12)年、札幌や岩見沢市内でラーメン店の経験を積んだ安彦孝法さんが父の意思を継いで「醤油屋本店」をオープンしました。
「もともとこの場所は、父が醤油タレを作るためにプレハブをたてて作業していましたが、“ラーメンを提供してほしい”という声が多く、『醤油屋本店』を開いて、祖父の味を復活させました」と早希さんはいいます。懐かしい味を求めて遠方からお客さんが訪れ、13席の店は大盛況。2004(平成16)年にその隣に「別館 おとん食堂」を新設しました。
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出典: 北海道Likers
店内に入ると、たちまち昭和30年代にタイムスリップ。学校・家族・炭鉱がテーマで、1990(平成2)年に閉校になった万字小学校で使っていた椅子や机が使われていたり、トタンの壁に「小鳩食堂」時代の写真が飾られたりするなど、すでに生まれていた人も、そうでない人も懐かしい感覚に陥ります。
親子3代にわたって受け継がれる一杯
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出典: 北海道Likers
看板メニューの『小鳩ラーメン』は、鶏ガラ、豚骨、野菜でとったスープに、水あめが加えられています。チャーシューは豚バラと豚ロース肉を特製醤油でじっくりと煮込んでいます。きっと炭鉱の仕事で疲れた身体に、塩分や糖分が染みわたったことでしょう。
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出典: 北海道Likers
自家製煮卵は、とろけるような半熟。ちょっと甘いラーメンのアクセントになっています。
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出典: 北海道Likers
「『小鳩食堂』の麺に近づけたい」と、「西山製麺」の協力を得て4年もかけて開発した細めの縮れ麺を使用。防腐剤を使わない非熟成麺で、数日のうちに使い切ってしまうそう。少し甘いスープによく絡み、一体感があります。創業者の味を再現するためのこだわりが伝わってきました。
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出典: 北海道Likers
「岩見沢は少し遠い」という方は、地下鉄東西線「新さっぽろ駅」下車徒歩0分、アクセス抜群の「サンピアザ店」をご利用ください。店内は「別館 おとん食堂」に負けず劣らずレトロな雰囲気。アッサリしたラーメンは、お子さんから高齢者の方まで人気です。約70年前から変わらない味を召し上がってくださいね。
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■店舗名:醤油屋本店・別館おとん食堂 岩見沢・栗沢総本店
■住所:岩見沢市栗沢町北幸穂81-4
■電話番号:0126-45-4818
■営業時間:11~15時 ※ラストオーダーは営業終了30分前
■定休日:月曜・火曜
■HP:https://shouyuya.com/■店舗名:醤油屋本店・別館おとん食堂 サンピアザ店
■住所:札幌市厚別区厚別中央2条5丁目 7-4 サンピアザ アークシティB3
■電話番号:011-890-2327
■営業時間:月~金 10時45分~21時、土日祝 11~21時 ※ラストオーダーは営業終了30分前
■定休日:なし
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