豚丼 ぶた丼 ぱんちょう

何も知らずに食べてない?明日話したくなる「北海道のご当地グルメ」豆知識5つ

“食の宝庫”とも呼ばれている北海道。道内各地にご当地グルメが存在し、それぞれに魅力を放っています。

数多くある北海道のご当地グルメですが、特徴や発祥を知らずに食べている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、北海道のご当地グルメをより楽しめる豆知識をご紹介します。どれも「へえ!」となるものばかりで、誰かに話したくなること間違いなしですよ。

1:家族みんなで楽しめる!「ジンギスカン」の豆知識

やわらかな羊肉の食感と、ジューシーなタレのコンビが最高な“ジンギスカン”。観光客や地元民にも愛されていて、北海道を代表するご当地グルメのひとつにもなっています。そんな“ジンギスカン”がなぜ北海道で広まったのかみなさんはご存じでしょうか? ただおいしいからだけでなく、その裏には意外な歴史的背景が隠されているんです!

海の幸にも山の幸にも恵まれている北海道では、毛を取ったあとの羊を食べる習慣がなかったのですが、昭和に入ってから“羊を食べる”という概念が浸透するように。余ってしまう羊肉を「どうにかして有効活用できないか」と考えた政府が補助金を出すなどして羊肉食の普及に努めたり、滝川のとある羊牧場が札幌のデパートに羊肉を送ったりするなどして宣伝活動に勤しんでいたそう。

戦後になると家庭でも羊料理を作るようになり、簡単な調理で、なおかつ家族みんなで楽しめる料理として“ジンギスカン”の認知度は上がっていきました。その後、北海道のめん羊飼養頭数が急激に減少するときもありましたが、農村地域に浸透した“ジンギスカン”を一部の食堂がメニューに取り入れたことで、都市部でそのおいしさが注目されるように。今では、家庭やレストラン、季節の行事など、さまざまな場面で活躍するようになりました。

“ジンギスカン”の飲食方法は、生の羊肉をジンギスカン鍋のうえで焼いてタレにつけて食べる方法と、あらかじめ特製タレに付け込まれた羊肉を焼くという方法の2種類があります。一緒に焼く野菜はとくに決まりはないですが、玉ねぎやもやし、ピーマンなどが多いです。焼いた羊肉と野菜は相性抜群! ご飯がどんどん進むおいしさです。

【もっと詳しく】
「ジンギスカン」に関する詳しい情報はこちら

2:駅弁で大人気!「いかめし」の豆知識

北海道の函館地方や渡島(おしま)地方の郷土料理“いかめし”。そんな“いかめし”の発祥をみなさんはご存じでしょうか?

第二次世界大戦中で食料統制における米不足が深刻化するなか、函館本線森駅の駅弁として考案されたのがはじまりといわれています。「お米を少しでも節約できる料理があってほしい」という想いを叶えた“いかめし”は、手軽に食べられるうえに、お腹にたまっておいしいと評判になったとか。今では多くのお客さんからも愛され、人気を集めています。

“いかめし”は水に浸しておいたもち米をいかの胴体に詰めて爪楊枝で止め、だし汁と調味料を加えて煮込んで仕上げられています。煮込むのに50分程度かかりますが、家庭でも調理することができますよ。味付けは醤油、酒、砂糖、みりんと、一般家庭にあるような調味料で十分なので、チャレンジしやすい料理でもあるんです!

家庭でも作れますが、本場の味も味わっておきたいところ。“いかめし”を販売しているお店はいくつかありますが、たとえば人気駅弁の「いかめし阿部商店」の『いかめし』は森駅構内や森駅近くのお店で購入できますよ。全国の百貨店で開催される北海道物産展でも販売されることがあるので、ぜひ近所にある百貨店の情報をチェックしてみてください!

【もっと詳しく】
「いかめし」に関する詳しい情報はこちら

3:豚肉なのにやきとり!? 「室蘭やきとり」の豆知識

ご当地グルメとしてだけではなく、日本遺産「炭鉄港」に関する食文化をまとめた『炭鉄港めし』にも認定されている“室蘭やきとり”。最近では全国放送のテレビ番組で取り上げられる機会が増えてきたこともあり、全国的に認知度が上がってきています。

そんな“室蘭やきとり”は、昭和初期、日本製鉄がある室蘭市・輪西地区、日本製鋼所のある母恋地区に出ていた屋台が発祥といわれています。後々、周辺の工場で働く労働者のスタミナをつける食べ物、疲れた身体を癒してお腹がいっぱいなる食べ物として注目を集めるように。その後、屋台からお店へと形を変えていき、室蘭市内の多くのお店で“室蘭やきとり”が提供されるようになりました。

“室蘭やきとり”の最大の特徴は、“やきとり”という名前でありながら鶏肉を使わずに“豚肉”を使用しているということ。戦時中は養豚がさかんで、安く手に入る内臓を細かく切って串焼きにして提供していたのがはじまりなんだそう。野鳥も同じようにして焼いていたことがあり、串に刺して焼く食肉全般を“やきとり”と呼んでいたようです。

もうひとつの特徴は、お肉とお肉の間にはさむのは長ねぎではなく“玉ねぎ”ということ。北海道は玉ねぎの産地なので手に入りやすく、1個からたくさんの量が取れることから使用されていたそうです。

そのほかに、お皿に洋がらしが添えられていることや、甘辛い濃いめのタレで味付けされていることといった特徴も。しっかりした味付けなので、ご飯もしくはビールが欲しくなることでしょう。昔から引き継がれている味をこれからも残していってほしいですね。

【もっと詳しく】
「室蘭やきとり」に関する詳しい情報はこちら

4:魚介類・お肉・野菜の素材を楽しむ「炉端焼き」の豆知識

“炉端焼き”って名前だけは聞いたことがあるけれど、どんなものなのかはよくわからない……という方も多いのではないでしょうか?

“炉端焼き”とはホッケ、ホタテ、シシャモなどの新鮮な魚介類や、シカ肉や豚肉などのお肉、野菜を囲炉裏を使って炭火で焼く料理のこと。大きな囲炉裏でお店の人が焼いてくれる昔から変わらないスタイルと、各テーブルに小さな炉があり、そこでセルフサービスで焼くスタイルの2つがあります。

似たようなもので、“浜焼き”がありますよね。大辞泉によると、“浜焼き”は「とった魚介類をすぐ浜で焼くこと」、炉端焼きは「魚介類・肉・野菜などを、客の目の前で焼いて食べさせる料理」とのこと。“炉端焼き”は“浜焼き”とは違って海鮮のみならず肉や野菜も焼く、さらに、浜で焼くのではなく基本的にはお店で焼いてもらうといった点に違いがあるようです。

海鮮の“炉端焼き”の発祥地といわれているのは、釧路。市内中心部に“炉端焼き”を扱うお店が次から次へと増え、釧路から全国各地へ“炉端焼き”スタイルが広がっていきました。

【もっと詳しく】
「炉端焼き」に関する詳しい情報はこちら

5:長年愛され続ける「豚丼」の豆知識

十勝の郷土料理といえば、“豚丼”ですよね! 甘辛いタレをまとった豚肉が丼のうえで輝くその姿は見るだけでもお腹がすいてきます。そんな“豚丼”の発祥をご存じでしょうか?

十勝地方では明治時代末頃から養豚業がはじまり、豚肉が親しまれるようになりました。なかでもとくに養豚業がさかんだった帯広市が“豚丼”発祥の地といわれています。昭和初期になると、帯広市内にある食堂「ぱんちょう」の初代社長が農家や開拓者のためにスタミナがつく料理を提供しようと食材に鰻の使用を考案したそう。しかし、当初の鰻は高価で手に入りにくかったため、豚肉を代用。炭火で焼いた豚肉に鰻の蒲焼き風のタレをかけ、ご飯のうえにのせたのがはじまりなんだそうです。その奥行きのある味わいに長年多くの人が魅了され、やがて全国でも知られるようになりました。

“豚丼”に使用される食材は、豚肉、米、ねぎで、豚肉には基本的にはロースやバラ肉を使用します。焼いた厚切りの豚肉を砂糖・醤油・みりんで味付けしたタレでからめれば完成! 家庭でも簡単に作ることができますよ。

薬味以外の具材が入っておらずとてもシンプルな料理。地元民や観光客など多くの人々から愛され続けています。

【もっと詳しく】
「豚丼」に関する詳しい情報はこちら

 

それぞれに特徴や歴史的背景があっておもしろいですよね。今回ご紹介した豆知識を知ったうえで、北海道のご当地グルメを堪能してみてください。

【画像】Nishihama / Shutterstock、風子、TACHYON 、STUDIO EST / PIXTA(ピクスタ)

※こちら記事は北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。メニューや営業時間はお店の公式SNS等でご確認ください。

⇒こんな記事も読まれています
地元民こそ知っている!安くて美味しい海鮮グルメ

【北海道ラーメン】人気店から隠れた名店まで

LINE友だち追加