「可愛すぎ!」かき氷や和菓子に行列も。昭和12年創業、老舗お茶屋3代目の新しい挑戦【旭川市】
旭川市4条通にあるJR旭川四条駅。高架下やその周辺には多くの商店があり、賑わいを見せていました。少しずつ旭川四条駅を利用する人も減ってしまい、当時のような賑わいは落ち着いていますが、今もまだ行列を作るお店があります。
そこは創業から85年の歴史を重ねたお茶の販売店「叶屋茶舗(かのうやちゃほ)」。2021年から販売をスタートした、お茶に合う串団子、かき氷、お茶を使ったスイーツドリンクなどが大変人気です。
とくに夏はかき氷が大人気! 行列がお店の外まで続く日も多いんです。オーナーさんにお店の経緯、今後の想いを聞きました。
新しい「叶屋茶舗(かのうやちゃほ)」はコロナ禍をきっかけにスタート
オーナーの岩本光弘(いわもと・みつひろ)さんは、「叶屋茶舗」の3代目。お茶の名産地である静岡県から、「叶屋茶舗」ならではの味わいのお茶を取り寄せ、店内でパッケージしています。
2021年4月から販売をスタートした“お茶うけ”のお団子などは、店頭のほかイベントでも販売していました。ですがコロナ禍となり、イベントはほとんど中止に。そこでコロナの補助金を受け、店内の事務所スペースをキッチンに改修し、本格的に店内販売を始めました。
お団子づくりは、独自に模索しながら進めてきました。お団子の上にきれいな色の餡を絞った串団子を作ってみたところ、その可愛らしい見た目から一気に人気に火が付きます。お団子やかき氷が「映える」「可愛らしい」とSNSで評判になりました。
「おかげさまで、たくさんの方々に来ていただけるようになって。はじめは技術や商品を仕上げるスピードが追いつかず、お客様をお待たせすることもありました。お待たせしてしまった末、帰られたお客様もいらっしゃって。ご迷惑をおかけしました」と岩本さん。
筆者も行列のできる日にかき氷を求めてお店へ伺ったことがあります。混雑するなか、一人で接客と調理をこなす岩本さん。
それでも、お客さんの並んでいる順番を把握していました。「ありがとうございました」とていねいなお礼の言葉を一人ひとりにかけたり、小さなお子さんに優しい言葉をかけたりしている様子を拝見し、お客さんをとても大切にしているお心配りを強く感じました。
かき氷は3種類!お団子ものった可愛らしさ
かき氷はすべてに白玉団子がのっています。また、練乳やソースもたっぷり! いちご・抹茶・レモンの3つのフレーバーがあり、すべてひとつ400円(税込)です。
筆者は『いちごミルクしらたま』をオーダーしてみました。
まあるくふんわりやわらかな白玉団子、果肉の入ったシロップ、たっぷりの練乳がおいしい! 冷たさが体に沁みわたるかき氷は夏にぴったりですね。
店内でいただくことはできませんが、店先に椅子が少しあるので、座っていただくこともできますよ。
コロナ禍で困っている人に寄り添いたい!「自分にできること」は何か?
岩本さんは自分のお店の経営もコロナの影響を受け、同じく辛い想いをしている飲食店の方々と関わるなか、自分に何かできることはないだろうか、と考えるようになりました。
「自営の方や飲食店の方など、さまざまな方の悲惨な状況を聞いていました。少しでもその痛みに寄り添いたいな、と……。自分にできることは何か考えた末、店先のスペースを無償で使っていただこうと思ったんです」
「叶屋茶舗」では、営業時間内であれば、どんな業種でも無償で入り口横のスペースを貸しているのだとか。これまでお弁当屋さんや、ハンドメイドショップ、似顔絵クリエイターなど、さまざまな人がこのスペースを利用しました。
「スペースの利用については、SNSでお知らせしたり、知人に声をかけたりしてご案内しています」
岩本さんの温かな想いが伝わってきました。
まずは3年、じっくりお店をやっていきたい
かき氷は夏の期間限定の販売ですが、寒い季節になるとお汁粉の販売も。
「かき氷ができあがるのを待つ間、お客さんは店内に並ぶお茶を見てお待ちになる方が多いんです。お茶のことを知っていただけるのもうれしいですね。かき氷や串団子などの販売をはじめて、リスタートしてまだ1年目です。まず3年は続けて、しっかりとした土台を作り、自信をつけたいですね。また、昨年はイベントをお断りしていましたが、今年は少し参加できればと思っています」と岩本さん。
店頭には本格的なお茶をはじめ、夏にうれしい水出し茶やフレーバーティーなど手軽にいただけるお茶もありました。かき氷で体を冷やしたら、風味豊かなお茶でリラックスできそうです。
<店舗情報>
■叶屋茶舗(かのうやちゃほ)
■住所:北海道旭川市4条通18丁目821番地
■電話番号: 0166-31-9319
⇒営業時間など詳細はこちら
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