学芸員

【学芸員と巡る】知れば知るほどおもしろい。北海道博物館の見どころを教えてもらってきた

「北海道博物館」は、北海道の自然・歴史・文化を紹介する総合博物館です。そこには“不思議”や“驚き”がいっぱい。

学芸員の三浦泰之さんに総合展示を案内してもらいました。夏休みの自由研究の題材に悩む小学生や、お子さんに“物知り”と思われたい親御さん必見です。

ナウマンゾウとマンモスゾウに迎えられる

グランドホールから総合展示室内に入るとナウマンゾウとマンモスゾウの全身骨格(模型)が迎えてくれます。ナウマンゾウの全身骨格は、十勝地方、現在の幕別町忠類で発掘された化石をもとに作られているそう。

「日本にゾウはいないのに、なぜ化石が見つかるの?」と不思議に思いませんか。

ナウマンゾウは主に東アジア、マンモスゾウはヨーロッパやシベリア、北アメリカなどに生息していました。かつて、気候変動の影響で、北海道がユーラシア大陸や本州と陸続きだった時代があり、ナウマンゾウは南から、マンモスゾウは北から北海道にやってきたと考えられています。

約1万数千年前に縄文文化が始まる

約1万数千年前に北海道でも土器が使われはじめます。この時代は、土器などに縄で模様が付けられていることから“縄文文化”と呼ばれています。

粘土質の土を焼くと硬化する性質を発見し、生活用具である土器や、宗教儀礼に用いられたと考えられる土偶を作り出すなど、それ以前の旧石器文化とは生活スタイルが大きく変わりました。誰がその技術を発見し、どうやって人々に広まっていったのか、疑問は尽きません。

縄文文化は2千数百年前に終わり、本州以南では教科書にも出てくる弥生文化の時代になりますが、当時の北海道の気候は稲作に向いていなかったために弥生文化は伝わらず、狩猟・漁労・採集を中心とした生活が続きました。

アイヌ民族と和人の交易

アイヌ民族と和人(大和民族)は古くから交易を行ってきました。アイヌ民族から動物の毛皮やサケ、和人からは米や酒、鉄製品や漆器などが交換されたのだとか。

両者は自由に交易していましたが、江戸時代のはじめごろ、江戸幕府は松前藩にアイヌ民族との交易を独占する権利を与えました。やがて松前藩は、交易の仕組みを松前藩が有利になるようなかたちに変えていきますが、そのなかでアイヌ民族の不満が爆発。1669年に『シャクシャインの戦い』と呼ばれる争いに発展しました。

屯田兵ってどんな人たち?

『戊辰戦争』で新政府軍が旧幕府軍に勝利し、明治時代が始まります。江戸時代が終わり、かつての武士たちのなかには生活に困る人々も多くいました。

そんな人々の生活を救い、北方警備と北海道開拓の両立を図ろうと、明治政府は『屯田兵』という制度をつくりました。その応募資格は、はじめはかつての武士たちに限られていましたが、やがて誰でも応募できるようになり、最終的に道内には37の屯田兵村が置かれたのだそう。

屯田兵村が置かれたことで開拓が進んだ地域もあるなど、屯田兵は、開拓のさきがけ的な役割を果たした部分もあったとのこと。そんな屯田兵たちのこと、そのほか多数を占めた一般の移住者たちのこと、また、先住民族であるアイヌの人々に開拓が与えた影響のことなど、開拓の歴史についてもっともっと学んでみてください。

過去から未来へ

ちょっと昔の生活用具が展示されているコーナーもあります。ある程度の年齢の人たちは懐かしさを覚えることでしょう。その一方で、小さな子どもたちにとってはとても不思議なものたちに見えるかもしれません。ご家族で展示を見ると、いろいろと話が弾むのではないでしょうか。

動物たちと共に生きる

北海道にはヒグマ、エゾシカなど、もともと棲んでいた固有種と、アライグマ、ミンクなど、人によって外国や本州から連れて来られた外来種がいます。外来種が棲みつくと自然のバランスが崩れ、固有種は棲む場所を追われ、数を減らしたり絶滅したりしてしまいます。

人による自然破壊や乱獲によって絶滅した動物や、絶滅しそうな生き物がたくさんいます。一度種が途絶えると復活することはありません。生き物は、いろいろなかたちで繋がりあい、人もその中で生きています。生き物や自然のことを知り、自分にできることを探してみてください。

「北海道博物館」では総合展示のほかに、さまざまな企画展示も行っています。子どもたちには、ぜひ博物館に足を運んでもらって、一つでもお気に入りの展示物を見つけてほしいと思います。そして、さらに興味を広げていってもらえると嬉しいですね。

当記事は「北海道博物館」学芸員・三浦泰之さんにご監修いただきました。

<施設概要>
■北海道博物館
■住所:北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
■電話:011-898-0466(総合案内)
⇒開館時間など詳細はこちら

【監修・取材協力】北海道博物館

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