日本旅行、大樹町、SPACE COTANによるパートナーシップ協定

北海道旅行の定番ルートに!? 宇宙港を中核にした「宇宙の観光振興」ついに動き出す

2022年7月19日、「株式会社日本旅行(以下、日本旅行)」、「SPACE COTAN株式会社(以下、SPACE COTAN)」と大樹町の三者で、アジア初の商業宇宙港である「北海道スペースポート(以下、HOSPO)」を中核とした宇宙による観光振興とまちづくりに関するパートナーシップ協定を締結しました。

宇宙と旅行?「日本旅行」とは

「日本旅行」は、1905年創業と国内で最も長い歴史を持つ総合旅行会社です。

同社はこれまで、大樹町における民間ロケット打ち上げに関連したツアーやイベントの運営、2021年に開催された「北海道宇宙サミット2021」でのオンラインツアーの提供を行ってきました。また、宇宙を通した学びを提供する中学高校向けプログラム「ミライ塾」なども展開しており、宇宙体験プログラムは2015年以降で既に2万人が利用している実績があります。

大樹町へ社員を派遣!? 本パートナーシップ協定の内容とは

日本旅行、大樹町、SPACE COTANによるパートナーシップ協定

左からSPACE COTAN社長・小田切さん、大樹町長・酒森さん、日本旅行社長・小谷野さん 出典: 大樹町

今回のパートナーシップ協定の目的は、「HOSPO」を活用することによる観光振興(スペースツーリズム)と、宇宙を活用したまちづくりへの連携による地域活性化と「宇宙版シリコンバレー」の早期実現です。具体的には観光、教育、地方創生と3つの軸で事業を展開していくとのこと。

観光においては、「HOSPO」やロケット開発、打ち上げを軸として、北海道十勝の食や自然を掛け合わせたユニークな観光コンテンツを開発。宇宙を軸にした、北海道を満喫できる新たな魅力づくりが期待されます。

教育については宇宙産業を通したキャリア教育やSTEAM教育*の要素を備えた最先端の学びの場を目指すとのこと。今後、道内外問わず、学校の修学旅行や社会科見学の行先として大樹町が選ばれることもあるかもしれません。

加えて宇宙関連施設(ロケット打ち上げ見学場、宇宙ミュージアム等)の整備やガイド育成、滞在環境整備(宿泊、食事処、多言語対応等)を進めることでビジネスや観光で大樹町を訪れる人を受け入れる体制を整え、まちづくりにも貢献していくそうです。

締結に当たって開かれた会見では、まず協定締結の第一弾の取り組みとして、総務省の制度*を活用して「日本旅行」の社員が大樹町に派遣され、教育旅行の企画やガイドの育成を進めていくことが発表されました。

*STEAM教育・・・STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、⽂化のみならず、⽣活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲(Liberal Arts)を加えた教科等横断的な学習のこと(文部科学省ホームページより)
*地域活性化起業人制度(企業人材派遣制度)・・・地方自治体が、三大都市圏に所在する民間企業等の社員を一定期間受け入れ、そのノウハウを活かしながら地域の魅力や価値向上などにつながる業務に従事してもらう制度 (総務省ホームページより)

日本旅行、大樹町、SPACE COTANによるパートナーシップ協定

出典: 大樹町

大樹町長・酒森さんからは「この度の日本旅行様とのパートナーシップ協定により、HOSPOを活用した航空宇宙関連の観光や教育旅行の事業を本格的にスタートさせます」とのコメントも。

 

これから成長が期待される宇宙産業ですが、まだまだ身近に感じていない方もいらっしゃるかと思います。今回の観光や教育といった暮らしにつながる部分での進展で、ますます多くの方にとって宇宙を身近に感じることができる機会が増えるのではないでしょうか。

【参考・画像】日本旅行、大樹町、SPACE COTAN宇宙による観光振興・宇宙のまちづくりで協定 / SPACE COTAN株式会社

【参考】株式会社日本旅行

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