旭岳ビジターセンター

遠くから眺めるだけじゃもったいない!初心者でも「北海道で最も高い山」を堪能できる情報拠点(東川町旭岳温泉)

2022.06.09

北海道の最高峰、大雪山系“旭岳”。上川郡東川町に位置する旭岳は、旭川空港から車で約45分(無雪期)の距離です。

標高2,291mの登山口であるロープウェイ乗り場のすぐ隣には、旭岳やその周辺の自然観光スポット情報を提供する「旭岳ビジターセンター」があります。老朽化に伴い、2019年6月にリニューアルオープンしました。

約650m2の施設スペースには、見どころがいっぱい! 今回は、大雪山系や東川町のエコツーリズムの拠点である「旭岳ビジターセンター」の魅力に迫ります。

「旭岳ビジターセンター」とは?

今回お話を聞いたのは、「旭岳ビジターセンター」職員の土井啓子(どいけいこ)さんと、韓国出身の宋東憲(ソンドンホン)さん。

土井さんは、スノーボードが趣味で旭岳の雪質に憧れ、滑りたい一心で奈良県から来道。地域おこし協力隊として「旭岳ビジターセンター」で勤務し4年目です。

宋さんは、スキーが趣味でやはり北海道に憧れて来道。東川町の日本語学校で学び、多文化多世代共生員、韓国語・日本語・英語の通訳としてエコツアーの企画・開催をしています。また、北海道アウトドアガイドの資格も取得し、エコツアーのガイドも担当しています。

「旭岳ビジターセンター」には所長とお二人を含め、総勢6名のスタッフが滞在しています。

「2022年度の旭岳山開きが6月18日、その後は繁忙期となり、1日に700名以上の来館の日もあります。エコツアーはバードウォッチングや散策路のご案内、登頂までさまざまな環境を考えるツアーを開催しています」と土井さん。

「旭岳ビジターセンター」に入ってすぐ目の前に広がるのは、大雪山系の1万5千分の1のジオラマ。ガイドをしてくれるARモニターがあり、タッチパネルで気軽に説明を聞くことができます。山の成り立ち、登山道の難易度、絶景ポイントなどがよくわかりました。

山や植物、自然に関する本や写真集もずらりと並び、自由に閲覧することができます。

旭岳に生息する動物や昆虫、植物も展示されていて、間近で観察できます。旭岳やその周辺で遭遇できたらうれしくなりそうですね。

ほかにも、その日の山の状況、通行止めの場所、ヒグマの出没情報などの最新情報が館内の地図に書き込まれ、一目でわかるようになっています。

実際の登山気分を味わえる!VRゴーグルで大雪山を上下360°バーチャル体験

登山客はもちろん、観光客、周辺の旭岳温泉に宿泊している方などさまざまな方が来館するそう。「よく悪天候時の過ごし方なども質問いただきますが、そんなときは、このビジターセンター館内でお過ごしいただくことをご提案しています」と土井さん。

悪天候の日や、ロープウェイが運休の日、登山してみたいけれど体力に自信がない方などにおすすめしたいというのが“VRゴーグル”です。

ゴーグルを覗くだけで、空から見下ろす旭岳など登山や散策では見られない絶景や、実際に登山道を歩いたり後ろを振り返って風景を自由に楽しんだりする体験ができ、その機能は圧巻! 登頂したけれど曇って周辺の景色が見られなかった方に、そして旭岳周辺をいつか歩いてみたいと思っている方に、ぜひ体験いただきたいです。

自然ガイドともに行く「エコツアー」で素晴らしい自然を体感!

「旭岳ビジターセンター」では、さまざまなエコツアーを開催しています。

5月には雪の残る旭岳の山麓をスノーシューでハイキングするツアー、旭岳の山麓でのバードウォッチング。そしていよいよ山開きとなる6月は旭岳登頂ツアー、お花の季節の到来を楽しむフラワーツアー。秋には日本一早い紅葉を楽しむ初秋ツアー。冬は夏ではなかなか近づけない噴気孔まで向かうスノーハイク、雪の結晶観察会など、さまざまなエコツアーが開催されています。

土井さんは「どのツアーも専門のガイドが案内しています。とはいえ、自然観察や登山初心者の方は価格の高いツアーには参加しにくいもの。登山客だけではなく、観光に来た方にも旭岳の自然を気軽に感じてほしいので、リーズナブルな価格にしています」とツアーに込めた想いを語ります。

「旭岳の天候は変わりやすく、雨も多いです。夏でも雨や寒さなどに対応できる服装や準備をお願いしています。ツアーでは初心者やお子さんがいる場合であっても、ゆっくりと進むので安心です。ケガや事故には十分気を付けているので、安心してご参加ください」と宋さん。興味のある方はぜひ、公式サイトをチェックしてみてくださいね。

今ある山の状態を100年後もそのままに…

旭岳の散策コースは、木道、手すりや階段、避難小屋などがあり、山道には登山客が歩きやすく使いやすいよう、ていねいに手作業での整備がされています。また、高山植物の保護や清掃活動も行われています。

「旭岳ビジターセンター」では協力金を募り、修復に役立てています。大切な大自然の姿を未来もそのままに残したい想いで、多くの方が作業に携わり尽力し、今の美しい旭岳が存在するのです。

協力するとお礼として、色鮮やかでありながら自然そのものの色合いが表現されたポストカードをいただけます。イラストは、旭岳に生息する野鳥『ギンザンマシコ』、『コケモモ』、そして『旭岳』の3種類。なかには芸術大学を卒業したという土井さんが描いたものもあるそう。

土井さんは、北海道のロケーションを素敵なイラストに描いたり、旭岳の看板を製作したりとさまざまなことを手がけているそう。今年度も新しいポストカードを作成中だそうです。

 

「旭岳ビジターセンター」は、自然を身近で楽しく学べる素晴らしい場所でした。この夏はぜひ足を運んでみませんか?

<スポット情報>
■旭岳ビジターセンター
■住所:北海道上川郡東川町旭岳温泉
■電話番号:0166-97-2153
⇒営業時間など詳細はこちら

【画像】旭岳ビジターセンター

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