北海道民なら必ず知っておきたい!専門家に聞いた「ヒグマ対策グッズ」3選と心構え
入学式や新生活が始まり、はや1か月。いよいよ北海道にも桜前線が北上してきました。ポカポカとした陽気のいい春は、外に出たくなるもの。近くの山にハイキングへ、なんて方もいるかもしれませんね。
でも、ちょっと待った! 外に出て活動したくなるのは人間だけではありません。ヒグマも同じです。昨今は住宅街でも目撃されるヒグマ。
今回は、日頃から考えておきたい”ヒグマ対策グッズ”について、以前もご協力いただいた『知床財団』の方に教えていただきました。
1:よく聞く「クマ鈴」
写真をご覧ください。いい景色、そしていい天気です(笑)
この楽しい時間を楽しいままで終わらせるために、欠かせないアイテムのひとつが“クマ鈴”。これは聞いたことがある人も多いかもしれませんね。“クマ鈴”を鳴らすことで、ヒグマに自分たちの存在を早めに知らせることができるそうです。常に身につけ、見通しの悪い場所では音を出すことが肝心になります。
2:意外と忘れがち「双眼鏡」
続いては“双眼鏡”です。「え、ヒグマ対策に双眼鏡?」と思う人もいるかもしれません。そんなあなたに質問です。以下の写真から何秒でヒグマを見つけられるでしょうか?
いかがでしたか? すぐ見つかったという人もいれば、意外と時間のかかった人もいるのではないでしょうか。今回は限られた範囲の写真ですし、事前に筆者がヒグマを見つけるようにとお伝えました。しかし、想像してみてください。自分が広大な山の中にいて、どこにヒグマがいるのか見当もつかない状況だとしたら……遠目で動物だとはわかっても、ヒグマだとは案外気づかないかもしれません。
もっと近くで見たいけれど、遊歩道を外れることもできないし、動物たちも驚いて逃げてしまうかもしれない。そんな時に役立つのが、コンパクトな“双眼鏡”なのです。
3:最後の頼みの綱「クマスプレー」
3つ目は“クマスプレー”です。これもよく耳にするヒグマ対策グッズのひとつかもしれません。しかし、この“クマスプレー”はむやみやたらに使うものではありません。
なぜか。それは、“ヒグマから攻撃を受けたとき”に使うアイテムだからです。攻撃を受けると想像するだけでぞっとしますね。筆者は、吉村昭の『羆嵐』を(深夜に)読んだときの恐怖感を思い出します。
名を馳せているだけあって、その威力は折り紙付き。北米では90%以上の確率でヒグマの攻撃を止めた効果が実証されているのだそうです。
この強力スプレーは、唐辛子の辛味であるカプサイシンを主成分としており、顔にかかるとヒグマはもちろんのこと、人にも強力な刺激と痛みが襲いますから取扱いには注意が必要です。『知床自然センター』では、500mlのペットボトルサイズで貸出しているそう。山へ入る前には周辺の自然センター等の情報を確認してみてください。
できることなら出会いたくない
ヒグマは大きなもので体長2m、体重およそ300kgにもなるのだそう。そんな巨体でありながら足が速く、時速50kmほどで走ると言われているのだとか。どんなアスリートでも逃げ切ることは不可能です。
さらに、走るとかえってヒグマを興奮させてしまい危険なのだそう。ヒグマは積極的に人間を襲う動物ではないものの、いったん出会ってしまえば、大変危険な状態に陥ってしまうこともありうるのです。絶対に安全な対処方法はありません。したがって、ヒグマに出会わないことの方が大切なのです。
最後に『知床財団』が提唱する、いわば‟ヒグマ版・いかのおすし”をどうぞ。
ヒグマと会わないために
①声や音を出す
②まわりをよく見る
③まわりの音をよく聞く
④食べ物は密閉する
ヒグマと出会ってしまったら
①騒がない
②走らない
③落ち着くことが肝心
④ゆっくり引き返す
つい先日も、札幌市北区でヒグマの目撃情報があったばかり。日頃から正しい情報を入手し、落ち着いた行動を心掛けていきましょう。
【取材協力・画像提供】公益財団法人 知床財団
【画像】Michele Aldeghi / Shutterstock
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