canty ハンバーグ

最後は自分で完成させて。研究熱心な店主が「自家製ハンバーグ」に込めたこだわり(帯広市白樺)

帯広市内にはハンバーグがメインのお店は意外と多くありません。そこにビジネスチャンスを感じ、3年前にオープンしたお店があります。今回は、おしゃれなハンバーグ屋さん「CAFE THE CANTY(カフェ・ザ・キャンティ)」をご紹介。

同じく帯広市で飲食店を経営している筆者が、店主の佐藤さんにお店へのこだわりを取材しました。

「ハンバーグの店」というイメージを作りたかった

「CAFE THE CANTY」は、帯広駅から車で10分ほどの住宅街にあります。自家製のハンバーグをメインに提供するカフェで、ハンバーグ以外にもパスタやカレー、スイーツがいただけます。

店主の佐藤さんは大のハンバーグ好き。飲食店をやろうと考える前から、ご自宅でいかに美味しいハンバーグを作れるかを研究していたそうです。お友達にふるまったり、ご家族にふるまったりしながらできあがっていった自分の味は、今では多くの人の舌を喜ばせています。

決め手はスパイスでした。ハンバーグのなかにご自身で調合したスパイスを数種類混ぜ込んで、その美味しさを最大限に引き出します。この調合はもちろん企業秘密ですが、開店以来ずっと同じというわけではなく、都度微調整を繰り返しながらより美味しい配合を求めて研究しているそう。

オープンから1年半は徹底して“食事をする店”として展開していました。その理由としては、いわゆる“カフェ飯”という手軽なものではなく、しっかりとしたお料理を楽しめる店として定着させたかったからだそうです。

その手ごたえを実感しはじめた2年目の中盤ごろ、満を持してスイーツや本格的なラテマシンを導入し、カフェ営業をスタートさせました。それでも“ハンバーグの店”としての定着度は変わらず高く、いまでもほとんどの方がお食事メインだそうです。

美味しさは押し付けない。余白を大切に

ハンバーグへのこだわりをうかがうと、「未完成であること」という意外なご回答。「美味しさは人によって違うため、店主の美味しいと感じるものを押しつけるのではなく、お客様自身の“美味しい”を見つけてほしい」という想いからだそうです。

確かに「CAFE THE CANTY」のメニューには、付け合わせが存在していて、自分の好みのスタイルでいただける余白が設けられています。

実際、ハンバーグを付け合わせの調味料と組み合わせながらいただくと、塩で食べたとき、ソースで食べたとき、ワサビで食べたときでお肉の味わいが少しずつ変わるのがわかります。自分の気に入る食べ方でいただけるのは嬉しい限りですよね!

その想いはスイーツにも表れていて、『ハニートースト』をいただいた際は、はちみつのあとがけをおすすめされました。

家族総出で手作りした店内

住宅街にある「CAFE THE CANTY」は表通りにも看板はなく、最初は見つけづらい人も多いかもしれません。それもそのはず、もともとは親戚が住んでいたという建物を、大工のお父様をはじめご家族総出で改装したそうです。

店内の装飾には、かつてのアパレルのお仕事や都会で培ったセンスが光り、ドライフラワーや照明、壁の落書き風デザインなど、どこを見てもインテリアの参考になりそうなおしゃれな空間が広がります。

コンセプトは“新しいけど懐かしいもの”。佐藤さんの温かいおもてなしの心が店内にも表現されています。

一緒に「創り」上げるというスタンス

同じ飲食店経営の筆者としてはちょっと気になる、人材教育の部分。スタッフのみなさんとはどのように想いを共有しているのかうかがうと、「一緒に“創る”ことを大切にしている」と教えてくださいました。

内装からメニューに至るまで、ベースにある佐藤さんの想いは伝えつつ、スタッフ個人個人の感覚や意見を吸い上げ、採用しているそう。そしてスタッフに限らず、お客様の声も大切にしてお店に反映されているとも。「みんなで“創る”お店はみんなに愛される」、クールな印象の佐藤さんの温かい心の内が覗けた気がしました。

 

佐藤さんが手間ひまかけて提供するハンバーグ。次回はより一層美味しく感じられるだろうなと今から楽しみな筆者でした。

<店舗情報>
■CAFE THE CANTY(カフェ・ザ・キャンティ)
■住所:北海道帯広市白樺16条西16丁目16番地
■電話番号:0155-40-7139
■営業時間:11~21時30分(L.O.21時)
■定休日:火曜(祝日の際は翌日定休)
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