遊水池カード

北海道好きなら集めてみて!新たに誕生した「遊水地カード」とは

2022.02.26

『ダムカード』や『マンホールカード』など、近年は公共物のカードが次々と発行されています。この度、北海道開発局 札幌開発建設部は、千歳川遊水地群の整備が完成したのを記念して、道内ではじめてとなる『遊水地カード』を新たに制作。

令和4年1月から配布が始まり、筆者も早速カードをもらってきました。一体どんなカードなのか紐解いていきましょう!

千歳川遊水地群とはどんなもの?

“遊水地”というのは洪水時の河川の流水を一時的に氾濫させる土地のことをいいます。今回は、整備された千歳川遊水地群について、北海道開発局 札幌開発建設部 千歳川河川事務所の吉野副所長にお聞きしました。

「石狩川の背水の影響を大きく受ける千歳川では、過去に幾度も洪水被害を受けました。その洪水対策のひとつとして、千歳川流域の4市2町に洪水調節容量がおよそ5千万立方メートルとなる遊水地群『千歳川遊水地群』を整備することになり、平成20年度に工事に着手、令和元年度に完成しました」

千歳川は、北海道千歳市南西部にある支笏湖から始まり、江別市で石狩川に合流する流域面積が1,244平方キロメートルの一級河川です。現在のおだやかな流れからは想像できないですが、豪雨や台風などによって氾濫や洪水が起こり、流域の農地だけでなく家屋などにも大きな被害をもたらすことが多い河川でした。

昭和50年には、台風6号と前線による大雨で記録的な大洪水となり、石狩川のほか各支川で氾濫が起き、氾濫面積292平方キロメートルという大きな被害に。そのうち千歳川においては浸水面積81平方キロメートル、総被害額は36億円となったそう。昭和56年8月には台風と前線の影響でまたしても大きな被害を受け、8月上旬の洪水では総被害額1,152億円、8月下旬の氾濫では総被害額60億円に及びました。

そんな歴史をもつ千歳川に整備された遊水地群の特徴を吉野副所長は次のように語りました。「千歳川流域は、中下流部に広大な低平地が広がっているので、洪水が起きたときに石狩川本川の高い水位の影響を長い区間にわたり長時間受けます。これは全国的にも類を見ないものです。このため、6つの遊水地を各自治体に整備し、洪水被害の抑制を図っているのがこの遊水地群の特徴です」

カードから「遊水地」を知るきっかけに

こちらは恵庭市で配布されているカード。白い線で囲まれている場所が「北島(きたしま)遊水地」、その下に見えているくねくねと曲がっている川が千歳川です。

『遊水地カード』の裏には遊水地の情報などが掲載されていて、QRコードから千歳川の治水対策や川の防災情報を見ることができます。

カードを発行することになった理由は、『ダムカード』と同様にカードを集めて楽しみながら千歳川遊水地群を知ってもらいたいという想いから。「河川の整備などを行う『治水事業』というのは、整備が進むことによって洪水の頻度が少なくなり、整備の効果が忘れられてしまうという課題があります。そのため、千歳川では遊水地群で治水対策を行っているということをたくさんの方に知ってもらおうとカードを制作・配布しています」と吉野副所長。

令和4年1月15日(土)には千歳川遊水地群完成を記念した式典を恵庭市で開催し、2月28日(月)までは千歳川流域の各市町でパネル展を行うなど、カード以外でも遊水地について知れる機会が作られています。

「遊水地カード」をGETしよう!

『遊水地カード』は千歳川流域の4市2町(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市、長沼町、南幌町)で配布されています(2月8日現在、江別市での配布は休止中)。

恵庭市で配布している2箇所(恵庭市郷土資料館、花の拠点『はなふる』センターハウス)では、1月末時点で約70枚配布され、すでに人気となっているようです。

配布場所が市役所や町役場が多いものの、複数の配布場所が設定されている自治体もあるので、事前に配布場所に確認してから受け取りに行かれることをおすすめします!

 

私たちが安全に暮らせるように支えてくれている遊水地。千歳周辺のドライブついでにカード集めをしてみてはいかがでしょうか?

【画像】国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部

【参考】
河川整備計画の概要/北海道開発局札幌開発建設部千歳川河川事務所
千歳川の洪水の特徴/北海道開発局札幌開発建設部千歳川河川事務所

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