明治30年代に建てられた鰊御殿を改装!歴史ある空間でいただく「絶品幌加内そば」(寿都町字歌棄町)
寿都(すっつ)湾に面した寿都町は、カキやアワビ、ウニ、ホッケ、シラスなどの漁業がさかんな町です。かつてはニシン漁で栄え、現在も当時の町の繁栄を忍ばせる“鰊御殿(にしんごてん)”などの歴史的な建物が残されています。
そんな鰊御殿の土蔵を改修した趣のある店内で、本格的な手打ちそばを味わえるのが、「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店(にしんごてん まさのや)」です。
ニシン漁繁栄の歴史を感じさせる「橋本家(旧鰊御殿)」
“鰊御殿”といえば、一般的には網元の住宅兼番屋を指しますが、この建物は、仕込み屋として商売をしていた橋本与作が建てたといわれています。建てられたのは明治30年代。当時としては最高級の建物で、建材を用意するのに3年、建築に4年もの歳月を費やしたといわれています。
この『橋本家(旧鰊御殿)』の土蔵をリノベーションした店舗で営業するのが「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店」です。
店内はジャズが流れる落ち着いた空間「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店(にしんごてん まさのや)」
『橋本家(旧鰊御殿)』では、以前別のそば店『鰊御殿』が営業していました。しかし、2018年に惜しまれつつも閉店。そのあとを引き継いだのが、札幌の平岸に本店を構える「昌の屋」で、2020年7月にリニューアルオープンしました。
店内は、かつて土蔵だったことを感じさせないようなおしゃれで落ち着いた雰囲気で、BGMにはジャズが流れています。
北海道にこだわった二八そば
「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店」のそばは、北海道にこだわった“二八そば”。
使っているのは作付面積、生産量ともに日本一を誇る幌加内産のそば粉。幌加内産のそば粉8割に北海道産の小麦粉を2割合わせて手打ちしています。
キリリと角が立ったそばを一口すすると、口のなかにふんわりとそばの香りが広がります。また、添えられているそば湯には、そばのゆで汁にそば粉が加えられているので、そばの風味をたっぷり味わえます。
向かい側には江差追分の一節を刻んだ「追分記念碑」
追分ソーランラインと呼ばれる国道229号線を挟み、「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店」の向かい側に広がるのが「歌棄(うたすつ)海岸」です。この歌棄海岸に建てられているのが『追分記念碑』。
記念碑には、江差追分の有名な一節「忍路高島およびもないがせめて歌棄磯谷まで」が刻まれています。これは、ニシン漁がさかんだったころ、女人禁制だった積丹半島の神威岬に出漁した男に対する切々とした想いを歌ったもの。
また、『追分記念碑』の横には、網にかかった恵比須様の形をした石を橋本家が御神体として祀ったとされる『恵比須神社』があります。
歌棄海岸からは、寿都湾やその海岸線沿いに並び立つ風力発電の風車の美しい景色が一望できます。「そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店」で絶品の手打ちそばを味わったあとには、ぜひ景色も楽しんでください。
<店舗情報>
■そば処 鰊御殿 昌の屋 寿都店
■住所:北海道寿都郡寿都町字歌棄町有戸14
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