宇宙サミット

北海道知事も登壇!北海道宇宙サミット・カンファレンス【Opening・Greeting 全文】

2021年11月4~5日で行われた、北海道発の宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット2021」。2日目に行われたカンファレンスでは、日本で宇宙に携わるキーパーソンが一堂に会し、さまざまな熱い議論が交わされました。

今回は、カンファレンスの冒頭、Greeting「主催者挨拶」とOpening「北海道、開港!北海道スペースポート、爆誕!」の内容をお届けします。

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登壇者:

大樹町長 酒森正人氏

北海道知事 鈴木直道氏

SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切義憲氏

デロイトトーマツシニアコンサルタント 脇本拓哉氏

Opening・主催者挨拶

司会:みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。ただいまより、北海道発宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット2021」2日目を開催いたします。

本日司会を努めます 帯広のラジオ局JAGAのmihoと申します。本日はよろしくお願いします。

夢追う人が集まる場所へ。北海道にスペースポートが誕生しました。それは、宇宙へとつながる港。夢や憧れではありません。ロケットとは、宇宙へと向かう輸送業です。データ収集する人工衛星を当たり前のように宇宙へと運べたら。地球上のネット回線が、防災や気象観測がテクノロジーを利用した農業が、私たちの暮らしが発展します。

北海道大樹町には、東と南が太平洋に面する立地と十勝晴れと呼ばれる高い晴天率がある。つまり、ロケットの射場として、世界に誇れる環境があります。宇宙を目指す全ての人に開かれたスペースポートが動き出したら、ロケットや人工衛星の開発企業が技術をもったエンジニアが夢を追いかける人々が集結します。その時、この場所はどんな姿になっているだろう? 想像するだけでワクワクしてきませんか。未来の話をしよう。明るいニュースを飛ばそう。北海道が開港します。

日本の宇宙産業のカギを握る北海道スペースポートの本格始動。これに際して北海道宇宙サミットを開催し、日本の宇宙産業やコミュニティに関する豪華トップランナーのみなさんが北海道に集まりました。本日は、6つのセッションに分けて世界の宇宙産業の同行、宇宙開発の要となるスペースポートの未来、北海道スペースポートがもたらす宇宙観シリコンバレーと宇宙がもたらす北海道の基礎産業の進化について熱く語っていただきます。

ご視聴いただいているみな様にも、ぜひご自身の仕事や生活に宇宙産業がもたらす地域の雇用や観光の増加がどのようなメリット生み出すか人工衛星データを使えばどんなに便利になるか想像しながらお聞きいただきたいと考えております。

イベントのご意見やご感想など共通のハッシュタグを入れて、SNSで発信していただけると幸いです。ハッシュタグは「#北海道宇宙サミット」、「#北海道開港」、「#明るいニュース」を飛ばそうの3つです。気になる発言、ご感想などたくさんの投稿をお願いいたします。

それでは、プログラムへと移りたいと思います。初めに、主催者を代表し、大樹町長 酒森正人よりご挨拶申し上げます。

酒森町長

©北海道宇宙サミット2021

 

酒森正人氏:おはようございます。大変多くのみなさまに早朝からお集まりをいただきました。「北海道宇宙サミット2021」にご参加をいただき、誠にありがとうございます。また、インターネットでも多くの方にご視聴をいただいており、重ねてお礼を申し上げたいと思います。

大樹町では、35年前から宇宙のまちづくりを推進しており、本年4月からは北海道スペースポートを本格的に稼働させ、世界に開かれたスペースポートとして新たな射場の整備や滑走路の延伸などに向け取り組みを進めております。将来的には北海道スペースポートを起点として、北海道内に航空関連産業が集積し、宇宙版シリコンバレーが形成されることで北海道全体が活性化することを目指しています。

本サミットでは、北海道スペースポートより多くの方々に知っていただく機会とするほか、参加者のみなさまに宇宙を身近に感じていただき、北海道内での宇宙産業の機運醸成を図ることを大きな目的としています。本日は、宇宙分野のビジネスカンファレンスで各分野でご活躍されている23名の方にご登壇を頂き、6つのテーマに沿ったトークセッションを行って頂きます。

また、別会場では事業者同士のマッチアップの場の提供など目的としたビジネスサロンも開催いたします。参加者のみなさまには、宇宙を身近に感じてもらい、自分のお仕事を進める中でどのよう宇宙産業にかかわれるのかといったことをお考えいただき、宇宙産業に参画して頂くきっかけとしていただければ、幸いと思っています。

本日が北海道宇宙版シリコンバレーを形成する動きが加速するその記念の日となることを願い、私からご挨拶とさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

司会:ここで、北海道知事鈴木直道様よりビデオメッセージが届いております。みなさまスクリーンにご注目ください。

鈴木知事

©北海道宇宙サミット2021

鈴木直道氏:北海道知事の鈴木直道です。「北海道宇宙サミット2021」が開催されますことを心から喜びを申し上げます。開催にご尽力された実行委員会をはじめ、関係のみなさまに深く敬意を表します。

本年4月北海道スペースポートが本格稼働に向けた新たな一歩を踏み出しました。北海道十勝を起点として、ロケットの製造や打ち上げ、映像データを使用したあらたなサービスなど、宇宙産業の発展が大いに期待されています。こうした中、国内外の方々がオンラインなどで参加され、北海道開港、宇宙とつながる、未来が始まるをテーマに、地方創成・投資・衛星利用といったさまざまな切り口から宇宙に関する熱い議論が交わされることは大変意義深いことです。本サミットを契機として、参加するみなさまにとって宇宙がより身近な存在になると共に、国の成長戦略にも示されている宇宙産業の発展に向けて宇宙ビジネスの新たなチャレンジが数多く生まれ、本道の活性化につながることを期待しております。

北海道では産学官の連携会議において、機運醸成に向けたセミナーや人材育成のための技術講座の開催、販路拡大のためのマッチングに取り組んでいるほか、今後においても道内企業の技術力やスペースポートの整備状況といった多様な取り組みを情報発信するなど、引き続きオール北海道で宇宙産業の集積、活性化に取り組んでまいります。みなさまの一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びに、本サミットの成功と、限りない可能性を秘めた宇宙産業が北海道・大樹町から大きく飛躍していくことを心から祈念し、私からのメッセージとさせていただきます。

司会:鈴木知事、ありがとうございました。

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Opening・北海道、開港!北海道スペースポート、爆誕!

司会:続きまして、オープニング・北海道、開港!北海道スペースポート、爆誕!SPACE COTAN株式会社代表取締役社長兼CEO小田切義憲様、デロイトトーマツコンサルティングシニアコンサルタント脇本拓哉様、よろしくお願いいたします。

小田切氏

©北海道宇宙サミット2021

小田切義憲氏:みなさんおはようございます、SPACE COTAN株式会社代表の小田切でございます。

本日はみなさま、朝早くから遠路はるばるこの会場にお越しいただきまして誠にありがとうございます。深く感謝いたします。

先ほども町長からお話がありました通り、ここ大樹町では35年ほど前から宇宙への取り組みを始めてまいりました。そして35年たって始めて、今回今年第1回の北海道宇宙サミットをこの場所で開けることになりました。それには大変厳しい道のりがあったと思っています。ここまで続けてこられた先人の方の努力・忍耐に深く感謝しております。

私共SPACE COTANは、今年の春・4月に会社を創設いたしました。それまでは先ほどお話にもありましたように、大樹町さんが全ての宇宙に関する取り組みを中心に進めてまいりました。それをいよいよ今年・本年度から本格化をして事業として進めていくと、加速していくことで会社を立ち上げるところでございます。

奇しくも本年2021年は世界中でいろいろな宇宙のイベントが進んでいます。みなさんご案内のようにアメリカでは有人宇宙旅行がいよいよ始まりました。

日本からもまもなく、12月8日に予定されておりますけども、前澤友作さんがロシアのソユーズでISS国際宇宙ステーションに飛び立とうとしています。

私いつも思っているんですけれども、恐らく将来航空宇宙年表を見た時に、この2021年はエポックメイキングな1年として記憶に残る、そんな年だと思っております。

そんな年にこういった形で第1回の宇宙サミットを開かせていただいて、みなさまにもご参加いただいていることについては非常に光栄に思っております。

では今日各セッションでもいろんなお話をさせていただきますけれども、簡単に私共事業の概要をすこしお話をしたいと思います。

私共は4月に会社を立ち上げまして「宇宙版シリコンバレーを北海道につくっていこう」ということを標語にして進めております。弊社SPACE COTANの「COTAN」はアイヌ語に由来し、「集落」という意味ですが、英語に直すと「クラスター」という言葉が的確かと思っています。ここ大樹から始まって十勝・北海道全域にこのクラスターを広げていこう、航空宇宙産業のクラスターを広げていくことを目標にしております。私共はまず、この宇宙の国内外のロケット業者さんをこちらに誘致する、ロケットあるいは人工衛星をつくるメーカーのみなさん・製造者のみなさんをお呼びすることを計画しております。

それと宇宙は観光やSTEM教育等に親和性が高いので、例えば打ち上げの時にお客様に来ていただく、あるいは科学を学ぶために学校ができていったりということを進めていきたいとに思っております。ですので、従来30数年かけて大樹町さんが進めてきたこの事業をより、同心円的に大きくしていきまして宇宙のビジネスを北海道各地、例えば釧路・室蘭・旭川・苫小牧とありますけれども各地で成長させていくことを考えております。

現実的に少し世界を見ますと、従来はいわゆる大型のロケットを使って大型の衛星をあげるという、どちらかというと国の事業でした。私共日本の場合で言うとJAXAさんが鹿児島、内之浦、あるいは種子島など大型のロケットで比較的大きい人工衛星を上げるのが従来のビジネスモデルとなっております。この先、ここ数年既に人工衛星の小型化が進んでいます。サイズで言いますとマイクロバスやキャンピングカーを縦にしたようなかなり大きい人工衛星をあげています。

それに対して、この小型の部分は50cm四方、あるいは10cm四方の手のひらに乗るような小型衛星を宇宙にあげると、それをひとつではなくてたくさん上げることによっていわゆる撮像、写真を撮るタイミングを短くしていく。従来の周回衛星ですと大体一周して同じ場所をもう一度撮影するのには2週間から16日くらいかかります。それを個数を増やしていくことによって撮影のタイミングが増えていってより正確な・精緻なデータが取れるとなりますので、まさに小型化をすることによってどんどん小型の衛星があげられる。そのためには小型の衛星が上げられる小型のロケットが必要になりますのでロケットも必要になりますし、当然そのロケットを上げるための射場・打ち上げ場所の確保も大きな課題になってきます。

最初に申し上げたように、従来は国の射場や国のロケットを上げる場所は世界にありませけれども、今後こういったところは民間を使っていく流れになっていますのでその中で場所を確保していくことが重要になっています。そんな中で北海道スペースポートは地理的に非常に恵まれていると感じています。

実は私はこの仕事、4月からやっていますのでまだ半年強くらいの経験しかないですが、学んでいく中でこの北海道の大樹町、十勝にこのスペースポートをつくろうと考えた方が凄く先見の明があったと思っています。まさに東と南に海があいているというところがとても大きなメリットになっています。人工衛星を打ち上げるときには、東側に自転していますので自転の力を借りてあげるので東向き。あるいは太陽動機軌道で南北に打ち上げる場合もあるので、南側に太平洋があいているので東と南に両方に障害物がなく、打ち上げられる場所は世界にもあまりありません。イギリスやオーストラリア、カナダにもありますけれども、大体どちらか一方にしか上げられないとなっていますので、その観点からすると非常にメリットがあると。

あと、奇しくもこのあたり航空航路・船舶航路もあまりありませんので、打ち上げる際の障害も少ないのも大きなメリットです。あとは私共、国の射場ではなくて民間の射場になりますので、国内あるいは海外、特に東南アジアも打ち上げる場所の確保が非常に難しくなっていますので、東南アジアですとかあるいは打ち上げ場所のないヨーロッパとかのマーケットを取り込みたいと考えています。

それともう一つよく言われますように「十勝晴れ」という言葉がありますが、晴天率が非常に高いことも大きなメリットとなっています。あと、国内にいるとなかなか分かりませんけれども実はアクセスの良さも大きなメリットです。ここまで東京から約3時間取れますし、射場にも空港から約1時間弱で到達できるのは大きなメリットになっています。そういった30数年の取り組みの中で、2年前の2019年4月に初めて民間のロケットであるISTさんの「MOMO」が宇宙に到達しました。今年も7月に2回連続成功で、すでに実証段階を終えている状況になります。

現状はこのような1,000メーターの滑走路があってMOMOをあげるための射場があります。これに対して今後LC-1で「ZERO」という次世代のISTさんのロケットを打ち上げる場所の準備をしていますし、あわせて「LC-2」というロケットの射場も25年に完成させる予定をしています。

私たちは申し上げましたように、射場の運営会社ですが、決して射場ビジネスだけをするのではなく、これを通じて北海道全体にいろいろなシナジーを発揮したいと思っています。まず北海道ですので、一次データを活用して、農業・漁業・林業等のみなさんに衛星データを活用していただくとか、観光といったところにも使っていきます。そしてメーカーのみなさん、衛星をつかってロケットをつくるみなさんをこの地に呼び込んでまさにクラスターをつくっていく。それに雇用が生まれ人口が増えていくと考えています。

こういったことを進めていくにあたりまして、先ほど知事からもご挨拶のメッセージをいただきましたけれども、まさにオール北海道・オールジャパンで進んでいくことを考えておりまして、鈴木知事、道経連真弓会長含め、帯広市長、あとは旭川ご出身の今津先生、JAXAOBの上杉先生にもご協力をいただいている形になります。こういった形で産官学を組んで事業を加速していくことを考えております。

私たちは、この十勝の場を天然の良港と言わせていただいています。将来宇宙港として開けていくということで、まさに今年を北海道開港の年としたいと思っています。今日この後各セッションがございますのでいろいろな方と交流していただければと思いますし、別途ワーキングの場もありますのでぜひみなさんでいろいろな取り組みを、可能性を考えていただければと思います。

本日はよろしくお願いいたします、ありがとうございました。

司会:続いて脇本様、お願いいたします。

脇本氏

©北海道宇宙サミット2021

脇本拓哉氏:みなさまおはようございます。デロイトトーマツコンサルティング合同会社より参りました脇本拓哉と申します。弊社はさまざまな企業様や自治体様向けの経営や事業のアドバイザーサービス、名の通りコンサルティング会社を営んでおりますが、そのなかで私は宇宙領域を専門として活動させていただいております。本日このような貴重な場にお招きいただいて誠にありがとうございます。

今日私からお伝えできることは大きく分けて2つかなと思っております。ひとつは伝統な宇宙系企業でない我々がなぜ宇宙に関して関心をもっているのか。もう一つは僭越ではございますけれども、我々なりにこの宇宙港の価値について少し考えがございますのでお伝えさせていただければと思います。ぜひウォーミングアップがてらぜひ気軽に聞いていただければと思います。

さて1点目についてです。我々がなぜ宇宙に関心をもっているのか、それは一言でいうとわくわくが止まらないというのが正直なところです。こちら最近デロイトトーマツとして出さしていただいている「スペースビジョン2040」という絵になっております。これを考えるだけで私はわくわくが止まらないんです。恐らく、これから20年後くらいには持続的な社会・経済活動は月面で行われるようになることを我々は信じて疑いません。

もちろん、さすがに植生、木々が生い茂っているのはなかなかないかなと思っていますけれども、少なくともいくつかの都市あるいは小さなコミュニティは月面に存在していて、そこでいろいろな経済活動が行われている、そんな未来があると思っております。またもう少し地球に目をむけると、まさにISTさんのように小型衛星の打ち上げメーカーさんがご尽力されているロンチャーのお陰様もありまして、恐らく今まで以上に小型衛星の運用と実際に小型衛星のデータを使って身近なガジェットで遊んでいる世界が間違いなく存在すると思います。

また、いま国際宇宙ステーションがありますが、民間主導の宇宙ステーションが5つも6つも7つも常態的に運用されている世界があると思っています。我々がこういった世界を見る中で何を考えるかというと、宇宙は今後ますます、なにをするかという目的が多様化する世界があると思っております。こんなことを考えていると通常の業務より非常にわくわくが止まらないのが正直なところです。

ただし、多くの方々からすると「夢を語っても実際に手足が動くわけではないよね」ということだと思いますので、仮にこの世界を構成するためにつかう宇宙輸送システム、いわゆるロケットのサービス市場ってどれくらいなのってところなんでが、我々が試しに試算をしてみました。我々の見立てではこの宇宙輸送システムの規模が15兆円規模くらいに拡大すると思っております。多くの業界関係者の方からするとさすがに行き過ぎているとか、なんでこうなっているの、などいろいろ疑問がわくと思います。我々が今回この15兆円という数字を出したのは、決して過去のこれまでがこうだったからこうなんじゃないかっている推察ではないということだけ申し伝えておきます。

我々は先ほどお見せしたような世界を描いて、こんな世界だったらうれしいよね、多分そうなっていくよね、まずそういう前提をおいてそこにこれを実現するために必要な機能やシステムってなんだろうと1個1個考えて、じゃあそれを使う人って誰なんだ、どんなタイミングでどんな人たちなんだろう、それぞれのユースケースとして整理をし、それぞれのユースケースごとに市場っていうのはどれくらいの規模なんだろうと考えた結果15兆円になりました。この輸送システムのマーケットというのは飛行機で言うとチケット代だけのカウントにしております。

あるいは国際貨物で言うとキログラム単価みたいなものを積算しておりますので、この宇宙輸送システムのマーケットだけでももし日本に、15兆円のうちの5%だけでも日本で打ち上げることができればそれでも1兆円規模に近いものになります。また、それによって生まれる他の産業のひろがりを考えれば雄に1兆円を超える市場になるのかな、そんな期待感をもっております。ここでの宇宙産業システムを開発するためには間違いなく必要になってくるのが、個々の多くの方々が実際に行われているこの宇宙港・スペースポートというインフラが確実に必要になります。しかし、我々が見ているのは宇宙港という単なる打ち上げインフラだけではない、と見ております。

我々がお伝えしたいのは、宇宙港が単なる打ち上げインフラではなく、この世の中を変えるような、地域を変えるような新しい産業を生み出す力を持っている、まさにキラーコンテンツであると我々は信じております。ものを打ち上げるための衛星の場所として、かりに有人宇宙船が来たときはここから打ち上げることによって宇宙旅行であるとか新しいエンターテイメントができる、また遠方まで10時間かかって飛行するような地点間を結ぶようなBtoBとよばれるようなシステムのハブ空港になったりとか、また新しい産業がここから生まれるだろうと。

もう少しだけ説明させてください。仮に宇宙港というものがあったときに、横軸に波及効果を受ける産業、縦軸に産業規模の拡大、と書かせていただきました。下が産業数・企業数、上が円と思っていただければいいのですが、この宇宙港を中心にまず宇宙港の利活用がもちろん増えます。その周辺に、この宇宙港へのサービスを提供する支える人たちがどんどんできています。まさに人工衛星・ロケットをつくる・整備する・組み立てるといった人たちも出てきますし、宇宙港に行くまでのモビリティーサービスももちろんでてきます。有人船が始まるのであれば、このトレーニング施設であったりとかビジターセンター宿泊施設など多様な産業がここに入ってきます。

また、宇宙のために集まった人たちの有能な技術や人材が周辺産業にもスピンオフする形で地域全体が盛り上がる、そんな期待感を我々は持っております。このように我々デロイトとしては夢物語を語っていると思っている方も多いのかもしれませんが、少なくとも我々としては宇宙港は地域を変える力を持っている、宇宙港を核とした地域振興ができる、そんなキラーコンテンツであると信じております。そしてその結果的には実際に企業で働く以外の、実際に地場で生活している人たちの生活の利便性の向上であったりとかもっと楽しいことができる、楽しみを増やす機会になると思っております。

我々デロイトができることは限られておりますが、少しでもみなさまの熱い思いにこたえて、少しでもなにかアドバイスができるように日々研鑽しておりますので、ぜひこれからのみなさんの活動を陰ながら支えさせていただければと思っております。

以上で私の話は終わりたいと思います、ありがとうございました。

※本記事はカンファレンスでの発言を文字に起こしたものです。言い回し等編集の都合上変更している場合がございます。

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