Fragrant orange-colorer olive, Osmanthus fragrans, Japanese Kinmokusei

北海道民はほとんど知らない?本州ではおなじみらしい「秋の香り」の秘密

2021.09.21

9月に入り一気に気温が下がる日もみられ、急に秋の訪れを感じる今日この頃。

あなたは何に秋を感じるでしょうか? 旬の食べものやひんやりとした夜風など、いろいろ考えられそうです。

そんななか筆者は最近、テレビやラジオの番組で「キンモクセイの香りに秋を感じます」という視聴者からのメッセージが紹介されているのを見聞きしたのです。アナウンサーや出演者は当たり前のごとく「キンモクセイ、いいですよねえ~」などと言っているではありませんか。

……ちょっと待て! キンモクセイの香りってなんだ? そんなに世間一般では共通認識なのか?

今回は道民にはなじみの薄いキンモクセイについてご紹介します。

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「キンモクセイ」とはどんな植物?

キンモクセイという名前は知っているし、“金木犀”という漢字も読める。でも、詳しくは知らない。多くの北海道民にとってはこのような認識ではないでしょうか? 筆者は花や植物に疎いこともあり、これまで本当にこの域を出ることはありませんでした。

キンモクセイは、中国原産の常緑広葉樹。夏の暑さが落ち着いてきた9~10月にかけて、オレンジ色のとても小さな花を咲かせ、芳醇な香りをただよわせます。庭木として親しまれているため、住宅街や街路樹の多い場所ではどこからともなく甘い香りがただよってくるのだとか。

ところが寒さに弱いため、北海道のような北国では越冬が難しいそう。そうした理由から、北海道民にはあまりなじみがないものと思われます。

それでも、香りを知るチャンスはありそうです。その香りの良さから、香水にも引っ張りだこ。さまざまな商品が売り出されています。また、胃炎、低血圧症、不眠症などに薬効があるとして薬用にも使われるそうです。体の調子を整える役割も果たせるなんて、万能な植物ですね!

「キンモクセイ」の名前の由来

秋の到来を告げるだけではないキンモクセイ。そもそも、このキンモクセイという名前はどのような由来を持っているのでしょうか。

公益社団法人日本薬学会のホームページには以下のような紹介がありました。

和名のキンモクセイは、ギンモクセイO. fragrans Lour. var. fragransの花が白であることに対し、橙色の花を金に例えたことから名付けられたそうです。また、樹皮の様子が犀(サイ)の皮膚に似ている事と、金色の花を咲かせることから金木犀となったとも言われています。

(中略)

属名の学名「Osmanthus(オスマンサス)」は、ギリシア語の「osme(香り)」と「anthos(花)」が語源です。

引用:公益社団法人日本薬学会「キンモクセイ」

諸説あるようですが、納得のいく由来ですね! サイの皮膚に似ているとは驚きです。

ちなみにギンモクセイにも芳香はありますが、キンモクセイほど顕著ではないのだそう。

北海道ではお目にかかれない?

調べていけばいくほど、魅力的なキンモクセイ。やはり北海道では見られないのでしょうか?

実は北海道でも、香りのみならず、実際に目の前で花を愛でられる場所があります。それは、札幌市北区の百合が原公園内にある、“百合が原緑のセンターの大温室”です!

ここではキンモクセイがギンモクセイと並んで植栽されており、甘い香りに包まれながらひと時を過ごせます。百合が原公園のホームページでは、キンモクセイに限らず開花情報を掲載しており、キンモクセイについても情報が更新されるかもしれません(ちなみに昨年2020年は10月4日に掲載されています)。ぜひチェックしてみてくださいね! 北海道では当たり前の存在ではないですが、その分じっくりと楽しみたいですね。

 

筆者は現在本州にいるのですから、きっと知っているはずなのです、キンモクセイの香りを。この香りか!と気づける日が待ち遠しいです。

【参考】札幌百合が原公園、公益社団法人日本薬学会

札幌百合が原公園
キンモクセイ / 公益社団法人日本薬学会
キンモクセイの仲間の基本情報 / みんなの趣味の園芸(NHK出版)

【画像】eedology、traction、pullia / shutterstock