札幌市民でも意外と知らない?実は世界でも珍しい「札幌地下鉄のヒミツ」2つ
札幌市民の足として欠かせない札幌市営地下鉄。あなたにとって馴染みのある路線はどの線でしょうか? 筆者はなんといっても東西線。昔から一番使ってきた路線です。
さて、ずっと札幌にいると気づかないかもしれませんが、実は札幌の地下鉄には唯一無二の特徴がたくさん! 今回はその特徴を2つ見ていきます。
1:世界唯一の本格ゴムタイヤ方式
札幌市の地下鉄は、1972年の札幌オリンピック開催に合わせて南北線を開通させたのが最初です。国内では4番目の地下鉄でした。結構早いなという印象を受けますね。その後、延伸や東西線、東豊線の開通を果たし現在に至っています。
札幌の地下鉄で一番の特徴と言っても過言ではないものは、開通当時からありました。当時まだ世界で4例しかないゴムタイヤ式を導入したのです。しかもただゴムタイヤ式にしただけではありません。一般的な鉄道にあるような2本のレールがない形を取りました。操作のハンドルもありません。
代わりに、“案内軌条”と呼ばれる太い突起が真ん中に1本あるのです。これを走行用のゴムタイヤとは別の“案内輪”ではさみ、ガイドレールとして進行方向を決めているそう。
このような方式を“案内軌条方式”といい、走行輪と案内輪にゴムタイヤを使ったのが世界初で、“札幌方式”とも呼ばれているそうです(※南北線に関して)。すごいことですね!
なぜタイヤにした?
これにはもちろん理由があります。
まず、騒音を抑えられるというメリットがあるようです。たしかに、他都市の地下鉄だとカーブなどで結構うるさいイメージがあります。
次に、加速・減速がしやすいことが挙げられます。比較的駅と駅の距離が短いので、最適だったようですよ!
最後に、坂を上りやすいという特徴が挙げられます。坂なんてあるの?というそこのあなた! 忘れてはいけません、南北線は途中から地上に出ます! その上り坂に適していたことも決め手の一つとなったようです。
調べてみると奥が深いですね!
2:おっと危ない!荷物棚はありません
札幌市の地下鉄の特徴、続いてはこちら!
まず、以下の写真をご覧ください。
他都市ならあるはずのものがないですよね? ヒントは上の方です。……もう気づきましたよね? そうです、札幌市の地下鉄には荷物棚がありません。ボーっとして荷物を置こうとするものなら悲惨な事故が起きかねません。
なぜ、他都市の地下鉄にはあるのに札幌市の地下鉄にはないのでしょうか。要望も多いのか、札幌市交通局にこのような答えが掲載されていました。
「各線とも都心部までの乗車時間が比較的短いこと及び荷物棚上の忘れ物を防止する目的から荷物棚を設置しておりません。」
なるほど。たしかに、便利な反面忘れやすいのも確か。実はこれが乗務員さんにとっても利用者にとっても、ベストな選択なのかもしれませんね!
まだまだ札幌市の地下鉄をめぐるヒミツはあふれています。あなたのその目でも探してみてくださいね!
【参考】
札幌市交通局 よくあるご質問と回答
一般社団法人 日本地下鉄協会 チカテツ「100知りのすすめ」
【画像】 tkyszk、Mayuko Ogawa Photography、TY Lim / Shutterstock.com